第3話 実機を手に入れろ!!後編

警報と放送に、虎太郎が笑いヘルマンが天を仰ぐ。

「奴らに取られるわけにはいかんのう。」

まんざらでもない笑顔で保管庫へと夜の廊下を走り出す虎太郎。


それを追うヘルマン、校舎を出た二人はロングソードを振るう

白い軍服を着たドリルの如き金髪縦ロールの胸の大きな美少女と

作業服の男達と黒いスーツを着た泥人形達が交戦している現場に遭遇。


「オモイカネを奴らに渡してはなりません!!」

腕を斧に変えた泥人形こと、ヒルコ人と剣で競り合う金髪ドリル。


ヒルコ人は応戦する者と、オモイカネの入ったコンテナを奪う者に別れ

奪う者達はひと塊になって行き、4mほどの巨人ヒルコ獣となって手で

コンテナを持ち上げ逃げ去ろうとする。


だがその時、窓ガラスが割れ建物にひびができるほどの大声で

「チェェェストォォォォォッ!!」

雄叫びを上げ、コンテナを掴むヒルコ獣の手を狙い叫びが発する超音波を

纏った飛び蹴りで虎太郎がコンテナ・・・・をぶち抜く!!


壊れたコンテナから数十個の野球ボールほどの金属球『オモイカネ』が飛び散る!!

飛び散ったオモイカネの一つが虎太郎にぶつかった時、その現象は起きた。


オモイカネが虎太郎を包み込み、3畳一間ほどの球体に変形し更に全高50m程の

巨大な赤い力士体型のスーパーロボットが爆誕した!!


「総員、退避っ!!」

スーパーロボット級の戦人が誕生したのを目撃した金髪ドリルは

作業員達を引き連れ一目散に後退した、学校が壊されるっ!!

虎太郎を追っていたヘルマンも、事態のまずさに逃げ出した。


金髪ドリルを相手にしていたヒルコ人は、赤い巨人ことトックミオーを脅威と感じ

ヒルコ獣に次々と体当たりして同化しだした!!


そして、トックミオーと同サイズで頭部に斧の生えた巨人へと変化した。


赤い巨人、トックミオーは当然地面に落ちてくる。

そしてその衝撃は、校舎の全体の6分の一を衝撃波で破壊した!!


ヒルコ獣は、土煙舞う落下地点に向けて口から火球を3点バーストで発射!!

火球は校舎に当たり壊し火災を起こす、校舎の破損率は6分の2!!


そして、土煙の中から赤い巨体が弾丸となってヒルコ獣に突っ込む!!

不意打ちにヒルコ獣はもろに体当たりを受けるが、吹き飛ばされなかった?


何故なら、トックミオーの両腕がヒルコ獣の首の後ろをロックしていたからである。

そして、トックミオーがヒルコ獣を横に捻り倒す!!


合・掌・捻りっ!! 相撲の決まり手の一つである。

大地に叩き付けられたヒルコ獣はトックミオーに火球を撃つ!!


・・・・・・・バンッ!!

火球がヒットした音ではない、トックミオーが拍手を火球に打ち消火した!!

・・・・・・起き上がりかけたヒルコ獣は、火球が消された事に怯んだ。


その隙がトックミオーに勝機を与えた、ヒルコ獣の肘を抱えて腕の下にもぐりこみ

ヒルコ獣の足を内側から取ってたすきを掛ける様に肩に担ぎ上げると体を

反らせて後ろに落とした!!


捻り倒された上に担ぎ上げられ、再び大地に叩き付けられたヒルコ獣は爆散した!!


トックミオーの初勝利の決まり手は、襷反りと言った。


この一戦は学園の歴史に、ヒルコ獣襲撃事件として刻まれる事になる。


トックミオーと仲間達の戦いの幕は、破壊の中から上がったのであった。












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