第5話
伝線した白タイツを黒のサイハイソックスに着替えたミズキと第3の部屋の扉を開ける。
絶対領域からのむっちり具合がこれまたたまらない。
「GYAAAAAAAA!!」
今までよりも広い部屋には、見上げるほどの巨体に、白銀の翼を持った4足の幻想種の頂点━━ドラゴンがいた。
「……ちょっと、どうすんのよこれ」
「……どうしようかな」
ミズキとお互いにそう呟くと、ドラゴンは後ろ足で立ち上がり翼を大きく羽ばたかせる。
「きゃぁぁぁ!!」
部屋全体を襲う風圧に、ミズキはスカートを押さえるも、耐えられずにスカートが捲れあがる。乙女の白パンが俺の記憶にREC!!
パンツが見えた途端、ドラゴンが羽ばたくのを止める。
その隙に俺達が体勢を整えると━━。
「GYAAAAAAAA!!」
再び翼を羽ばたく。
やはりあまりの勢いに、俺は両腕で顔を庇い、ミズキはスカートをやはり押さえるも、白パンがチラッと見える。
するとまたドラゴンが羽ばたくのを止める。
「……もしかして?」
再び羽ばたき始めたのに合わせて俺が叫ぶ。
「一か八かやってみっか!ミズキ!」
「何よ!?」
「スカートを捲りあげてパンツ見せろ!」
「はぁ!!?」
「スカートを捲りあげてパンツ見せげぼぁっ!?」
風圧で聞こえないのかもう一度説明したら鎧の上から見事な飛び蹴りを食らった。しかもドラゴンの追い風で威力倍増……!
「げほっ!おまっ、人が親切に説明してやればこの仕打ちとは……!」
このゲーム、脚プレーをするために相手と気軽に触れ合えるようになっており、刺激を求める者のために、街の外ではプレイヤー間でもダメージが発生するようになっている。スライムの部屋と今の一撃で何気にダメージ負ってる俺。
「なにいきなりふざけたこと言ってんのよこの変態!!」
真っ赤な顔で睨んでくる間も、ドラゴンの風圧は収まらない。
「違うって!やましいことはない!真面目な話なんだ!頼む!」
「~~~っ!絶対見ないでよ!」
しばし悩むと、ミズキはスカートの端を摘まみ、そっとスカートをあげる。黒のサイハイと白のパンツ、恥ずかしく赤らめた少女の顔……凄い破壊力だ。現実なら襲いたくなゲフンゲフン。
白パンがちらりと見えると、ドラゴンの羽ばたきが収まった。
「やっぱり!あいつはパンチラをさせるために風圧を起こしてたんだ!ミズキ!そのままスカートあげたまま維持!」
「はぁ!?ちょっと!」
俺は抜剣し、盾を構える。
「ミズキは参戦できないから壱対壱だな。……さぁ、こいよパンチラドラゴン!」
そして俺とパンドラの戦いは30分に及んだ。
僧侶のアイウエがいない、アイテム頼りの死闘だった。
ドラゴン単独狩りとかきつすぎる……。
「……ふぅ、よし!勝ったぜミズキ」
俺が振り向いた先では。
「……」
ミズキが呆然とことの成り行きを見ており、白パンをさらけ出していた。
「……ミズキ?スカート降ろさないのか?」
「……は!」
ミズキは途端に我に返ると、顔を耳まで真っ赤にし━━。
「見るなって言ったでしょうがぁぁ!!」
「理不尽ぐばぁ!!」
俺の体力マジやばし……。
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