第3話
第一の部屋。
「うわぁ……」
目の前に広がるゼリー状の海。大量のスライムがそこにいた。
「一匹ならともかく、こんなにいると可愛くないな……」
「そういう問題じゃないでしょ!どうすんのこれ!?」
俺の呟きにミズキが怒る。
「俺に任せろやぁ!」
カノンが詠唱を始め杖を掲げる。
「よっしゃいくぜ!エクスプロージョン!」
「いやこんなところでそんな呪文唱えたら……!」
時、既に遅し。
ミズキの言葉より先に、海の中心に光点が生じ━━━スライムが爆散した。
「……」
俺達は呆然とする。俺は前衛だが、鎧を着ていたから問題ない。後衛二人はオウリンの防御魔法で無事だ。だが唯一軽装備で、オウリンから離れていた前衛のミズキは。
「……どうしてくれんのよぉ、ばかぁ……」
諸に直撃を食らった。口の端からドロッとした液体が垂れ、服は薄く透けて肌に貼り付いたことで身体の線がはっきりと見える。細い体躯には似合わない胸と臀部がくっきりと自己主張していた。もともと陶器のように滑らかで白い肌を、粘液が光沢を放ちながらどろどろと落ちる。
そして流れ落ちた粘液が、腰を伝い白タイツを濡らし、じわじわと透けていく。
あまりもリアルな光景に、俺達がごくりと生唾を飲むと……。
「……見んな!」
「なんで俺だげぶぅっ!?」
俺にだけ横っ面を脚で蹴り飛ばされた。
一瞬ではあったけど、俺は湿ったタイツのあのしっとりとした軟らかな感触を忘れないだろう。
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