第二十八話【海の向こうからの直通電話】
と、ここで時を少しだけ遡る。
◇
まあ、アメリカ東部時間に合わせてくれたんだろうな。海の向こうから電話が掛かってきた。日本からだ。日本国首相〝エイサク・サトー〟が掛けてきた。サトーは俺が電話に出るや用件を切り出してきた。
『大統領、くどいようですがアメリカ合衆国の核の傘については、日本はあてにしていいのでしょうか?』と。
俺の返事は即答だった。
「もちろんだ」
サトーの要請はこれで二度目だが仕方のない事情もある。
最初の国務省の声明では〝核の傘〟という文言は無かったからだ。
サトーによるとこの国務省のコメントを巡り日本で一騒動あったらしい。しかもまだ二騒動も三騒動もあるかの如くの雰囲気との事。
サトーは事態に収拾をつけるため新たなコメントの発表を求めてきた。
大事な事なので繰り返すぜ。俺は即断でOKした。期待されたのはズバリ『核の傘声明』だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます