第48話 優香ちゃんを始めとした学生(小児)患者に思うこと

閉鎖病棟にも、小児患者はいる。

小学生から、高校生くらいの子。

(まあ、私も初めての入院のときは大学生だったが)


その子たちの話を聞いてると、すごくしんどい。


可哀想すぎて、しんどいのだ。


ある子は家では殴られ、血を流し、学校に居場所もなく、頼れるのは児童相談所だけだったと話す。


また、ある子は独り言で「誘拐されたんじゃない、誘拐されたんじゃない」と繰り返す。


この国では、子供の命が軽んじられていると私は感じる。


いじめ問題しかり。


また、子供が親を殺せばまず間違いなく、殺人として重く扱われるが、

大人が子供を殺しても、殺人罪としては裁かれなかったり(保護責任者遺棄致死罪など)する。


優香ちゃんだけじゃなく、皆、可愛らしく、利発で、しっかりとした子達なのだ。


その子たちが行き着いた末が、救いが、閉鎖病棟だなんて、悲し過ぎる。


心を痛めながら思う。


どうか幸せになって欲しい。

暴力を振るったという、実の親と同じ過ちを繰り返さないで欲しい。

「いじめ」なんてことをする卑怯者のために、自分をすり減らさないで欲しい。


今は暗闇しかなくても、道は沢山ある。

助けてくれる大人も沢山いる。


もし、これを読んでる子供がいたら伝えたい。


逃げていい。

大丈夫。


君には未来があるんだよ。自分の軸さえしっかりとしていれば、幸せになれるよ。


「なりたいもの」あるでしょう?


最初から諦めたら、命を投げ捨てたら、なりたいものになれないまま、終わってしまうよ。


昔の私も、いじめに歯をくいしばって耐えていた。いじめのリーダー役の奴が「一番尊い」と言っていた「公務員」という職業にも就くことが出来た。


そして今は物書きを目指している。


恋も沢山してきた(出来た)し、いろんな経験が自分の中に落とし込まれている。


人は弱い。でも、強くなることは出来る。

自分の人生の侵食者に命を捧げるなんて勿体無いよ。

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