第1章 ~デスガイア編~
SaveNo.1 ~最大Lv1の俺が魔王を倒すことになりました~
「―――ゲームの世界?」
「そう、ゲームの中って言うことだ」
俺と千春が魔方陣によって飛ばされた場所は、間違いなく《DORAGOALCANAR》の中だ。実際巨人がいるし。
とりあえず、このあたりを探索して―――
「―――なんで・・・どうしてこうなっちゃったの?」
「!!」
俺が気づいたときには、千春の目から大粒の涙がこぼれていた。
「千春・・・」
「ねぇ・・・なんで?」
「・・・」
言葉が出ない。そりゃそうだ、なにせ自分も混乱してるからな。俺がどう答えても納得にはつながらないし、逆に混乱させてしまうかもしれない。
そんなことをすれば、困るのは千春のほうだからな。じゃあ何をすればいいかって?考えたけどこれしか思いつかねえよ。
「ッ!!」
抱きしめること。
「俺も何でこんなことになったのかはわからない。だけど今は落ち着いて状況を判断しよう」
「・・・うん!」
千春は泣きながら笑った。
「さーて、どうしようか」
「とりあえず、周りを歩いてみようよ。なにかわかるかもしれないよ?」
「だな」
――――――数分後。
俺と千春はすぐ近くにあった林の中に足を踏み入れた。
しばらくして、林の奥に小さな祭壇らしきものを見つけた。
「コレなんだろう?文字が書いてあるけど・・・」
祭壇には小さな石碑があった。石碑には、ちいさな文字が書かれている。
「ええと・・・「この祭壇神を奉るものでありけり、他の者立ち入るべからず。」て書いてある」
「この字・・・日本語じゃないけど読めるよ・・・」
「あぁ、なんかすげえな。・・・てか「他の者立ち入るべからず」って書いてあるから、俺らダメなんじゃね?」
「・・・」
無言で顔を見合わせていた時―――
「君達は他の者じゃないよ。僕が呼んだからね」
――――――――◆◇◆◇――――――――
「!!」
勇也と千春の前には、一人の子どもが立っていた。
見た目的に言えば、身長は140cmくらいで、ショートカットで、赤いパーカーを着ていて、歳は12歳くらいの男の子だ。
「どうゆうこと?」
「僕の名前は《ネロ》。この祭壇に奉られている神様だよ」
「「へ?」」
俺と千春が声を合わせておどろいた。神様?この子が?それにさっきの「僕が呼んだ」ってまさか・・・この子が俺らをこの世界に連れて来たのか?
「まぁ無理もないよ。いきなりこの世界に連れて来られたら誰だってびっくりするよ。」
「ちょ、ちょっとまて!。何で俺達をこの世界に連れて来たんだ?」
そうだ、何で俺達がこの世界に連れて来られたか、何が目的なのかを知らなければいけない。
「よくぞ聞いてくれたね少年君!実はだね・・・」
少年って・・・俺は高校生だぞ。まぁそれは黙っておこう。
「あと2年後には、この世界と君らの世界が消えてしまうからなんだ」
――――――――――――――――□■□■□―――――――――――――――――
「なっ!?」
「私達の世界が・・・消える?」
「そう、君達が元いた世界とこの世界がね・・・」
「ええっと、ネロ君だよね?どうしてそうなっちゃうの?」
「・・・それは、このゲームが開発されて間もない時だった・・・」
ネロはこの世界と俺達が元いた世界が消える理由を語りだした。
「元々僕はこの世界にはいなかったんだ」
「え?」
「僕はこの世界で生まれたわけではないからね。僕のネロっていう名前もここに来てから名づけられたんだ」
「じゃあ、本当の名前は別にあるのか?」
「そう、僕の本当の名前は「自立思考型学習プログラム・タイプ
「どうゆうこと?」
「このゲームの開発者はこのゲームをいろんな人に遊んでもらう為に作ったはずだった・・・だけど、このゲームのプログラムは、そのことについて強く拒否したんだ。そしたらプログラムは、自分の意思で、他のプログラムを書き換えていったんだ」
「それで?」
「そのことに気づいた開発者は、書き換えられたプログラムを元に戻そうとした。だけど、このゲームのプログラムはそこまで甘いものじゃなかった」
「へぇへぇ」
「プログラムは開発者からの書き換えに反抗したんだ。それで、プログラムは、新しくこの世界のものが具現化して、君達の世界を滅ぼすというプログラムを組んだんだ」
つまり、この世界のプログラムが自分の意思でこの世界と地球を消そうとしていると。うん、意味がわからん。
「なんでそんなことを・・・」
「さぁ、それは僕にもわからない。唯一わかるのはあと2年後には世界が消えるということだけなんだ。そして、そのことを知った開発者は最後の希望として、魔王を倒すと、このゲームのすべてのプログラムを消去するというプログラムを組み、隠してシステムに送り込んだ」
「ふむふむ」
「その後、なぜか僕が生まれた。僕はこの世界と君らの世界のバランスを保つ為ともう一つ、魔王を倒す人探していたんだ」
アレ?さっき1つしか言っていなかったような気もするが、あえてスルーしよう。
「それが私達?」
「そうゆうこと。そして、今言ったことが、君らをこの世界に連れてきた理由だよ」
「つまり、私達が魔王を倒せれば世界は救われて、倒せなければ救えないっていうこと?」
「そうゆうことになるね」
俺達が、世界を救えるかどうかのカギを握っているのか・・・ヤバイ、めっちゃ緊張してきた。
「・・・やって・・・やんよ」
「え?」
「この世界と俺らの世界、守ってやんよ!」
勇也は拳を握りそう言った。
「この世界は魔王を倒したら消えちゃうけどね」
それを言わないでほしかった。
「あと、言い忘れたんだけど」
「ん?」
「もし、この世界で死んだら、元の世界の君たちも死んじゃうから気をつけてね」
「なっ!?」
「この世界と君らの世界はリンクしてるんだ。ほら、君らもゲームを始めるときに、《LINKTHEWORLD》ってやつ押したでしょ?」
わーおマジか。
「だから、がんばって生きてね。―――最後に君達に僕からのささやかなモノをプレゼントしたよ。」
「えっ?ささやか?」
「この世界で生き抜くためのモノだよ。じゃあそろそろ僕は行くね」
「おい!ちょっと待―――」
俺が言いかけたその時、突然強い風が吹き荒れた。俺と千春は思わず目を閉じた。
風が収まり、目を開けると―――そこにネロの姿はなかった。
――――――――――――――――□■□■□―――――――――――――――――
「とりあえずこの林を出よう」
「そうだね」
俺と千春が林を出ようとしたとき、ふと顔の前に、《ステータス》と書かれたタブが現れた。
「なにこれ」
「ステータス、自分の能力とかのことだよ」
「へぇ~」
勇也と千春はステータスを見てみた
チハルのステータス
Lv1 (最大Lv100)
種族 ヒューマン
職業 冒険者
HP 100
SP 400
ATK 10
DEF 10
SPD 8
LUCK 2
使用可能スキル
ウインドカッター ファイアバリア ヒール
奥義
アブソリュートブレイズ
「おいおい・・・アブソリュートブレイズって上級職の使う奥義だぞ・・・」
《アブソリュートブレイズ》、上級職のマギマスターが使うスキル。でも、なんで冒険者の千春に・・・
「強いの?」
「そこらへんのクリィチャー100体程度なら余裕で倒せる」
「ひゃ、ひゃくたい・・・」
「さぁて、次は俺のステータスを見てみるか」
ユウヤのステータス
Lv1 (最大Lv1)
種族 ヒューマン
職業 冒険者
HP 100
SP 200
ATK 30
DEF 20
SPD 30
LUCK 4
使用可能スキル
ノモスティール パワースパイク
奥義
???
「んーやっぱこんなもんかなー、てか、なんで奥義が・・・ってん?」
勇也は何かに気づき千春のステータスと自分のステータスを確認している。
「どうかしたの?」
「お・・・」
「お?」
「俺の最大Lvが1しかねえええええええええええええええええええ」
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