第8話気持ち~まどかside~

「はい、ココア。」


保健の先生は、問い詰めたりしないし、無理に話そうともしない。


・・・瀬戸君と同じだ。


私は、保健の先生に一昨日と昨日のことを話した。そして、担任の先生が今日言ったことも。

その紙を見て、保健の先生は、


「……そう、そんなことがあったの。でも、あなたは、瀬戸くんが好きなのねぇ。」


え!?


「何回も瀬戸くんって、書いてあるしね。分かるわ。」


ち、違う!!


「その内、わかるわよ。」


『私なんか誰も好きにならないですよ。』


だって、自分が自分を嫌っているんだから。


「また、ネガティブになってる。あなたを好きになるかは、相手にしかわからないことなのよ。それに、恋ってするんじゃなくて、しちゃうものなの。・・・あなたは、恋をしてもいいのよ。」


恋か・・・。いつか、声が出たらしたいな。


「・・・もう落ち着いたみたいね。教室に戻る?」


私は、頷いた。


“きっと大丈夫” 誰かがささやいた気がした。

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