エピローグ
こうしてぼくは天才策謀家にして現代に君臨する大魔女の子分(?)になった。
その後、ぼくが経験したさまざまな出来事……この魔女っ子との恋のゆくえや波瀾万丈の大冒険、さらにはぼくの左手に取り憑いた妙な人格についてはいずれ機会があれば語るとして、ひとまずこれでぼくの青春談は終わる。
どうだった?
すげー痛かっただろう。
書いてる当人がそう思うくらいだ。読んでいる人間がどう思うかは想像に難くない。これが公開されたとき、果たしてぼくの自我が正気を保っていられるかは定かではないが……まあいいや。エンターテイメントっていうのは恥をさらしてなんぼだ。だからこの手の読み物の冒頭によくある「この物語はフィクションであり、登場する人物または作中で起こった出来事は云々……」という例の但し書きも入れないでおくことにした。
そう。これはすべて実際に起こった奇跡、出来事だ。これを最後まで読んでくれた奇特な人たちにも、そうした奇跡が訪れることを願っている。どうか皆さんの人生に幸多からんことを。
ちなみに、今はどうかって?
ぼくはまあまあ幸せだ。
ろくでもない人生に変わりはないし、学校はあいかわらずだし、左手は変わらず掃除機並みに何でも引きつけるけれど、とびきりかわいい金髪のガールフレンドがそばにいるからな。まあ、ワガママでやんちゃで暴れん坊で、時々おもちゃのエアーガンでおしりを撃ってくるような、そんな性悪な女の子だけどさ。
冒頭、ぼくは言った。
15歳で超能力を極め、16歳でふたつ年下の魔女と恋に落ちた、と。
半年が経った。
恋も女の子も超能力ではままならないことだけは、もうぼくは知っている。
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そして物語は、『さよなら、サイキック 1.恋と重力のロンド』(角川スニーカー文庫・刊)へ続きます!
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さよなら、サイキック 0.夢と出会いの塔 著:清野 静 角川スニーカー文庫 @sneaker
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