第18話

体育の授業が終わり

「じゃあ、先に戻ってるから。ちゃんと、気持ちは聞いてあげなよ!」

未だに告白モードの千春に、言葉を返そうという気力も起きず、手だけ降って別れた。



いざ、体育館裏に来ると、兄はすでに来ていた。体育館倉庫に寄りかかって丸くなって座り込んでいた。寄りかかるなら、立って待ってれば絵になるのに。この兄にそんな事期待はしてないが。

兄は私に気付くと、慌てて立ち上がる。

「...何?話って」

「.........こ、ここじゃ...あ、あれだから......」

そう言って兄は、職員室から借りてきたのか、後ろの倉庫の鍵を開けた。人が入れる程の広さを開けると、後ろに下がり、先に入るように手で合図を出される。私は、言われるがまま......誘導されるがままに倉庫へと足を踏み入れた。



が。

ガラガラガラ

入ってすぐ、後ろから扉が閉まる音が聞こえた。ハッとした時にはすでに遅く、ガチャリと鍵がかけられる音が耳にこびりつく。

「ちょっ!これどういう事⁉」

今起こっている事についていけず、つい感情的になり、扉をドンドン叩く。でも、外からは何も返ってくる事はなく、足音が遠のいていくのだけは分かった。

「どういう事...?マジで...」

告白などではないとは思ったが...まさか閉じ込められるとも思わず、兄の考えてることがますます分からなくなる。薄暗く、シーンとした倉庫内が、余計に私を心細くさせた。

先ほどの兄のように、今度は私がその場に丸くなって座り込んだ。




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