唐突の転校生(乙)
巡回を終えた俺と
あの
「
「ふぉへん、ふぃは、ふぁはひふぁへはいふぇ。」
「分かった。とりあえず口に入ってる物を食べてから話そう。」
お前な……、
さて、
既に8時を回り、帰宅する人達がアケード内を足早に歩いて行く。ああ、大概の人は帰宅するだよな。
「とりあえず、上がったら? 自転車も中に入れて良いから。」
ドアも何も無いオープンな入り口にも関わらず、店内は静かであった。せかせかと帰宅を急ぐ人々とは別の時間が流れていた。いや、むしろ止まっていたのかもしれない。
俺と
「ん? 何かしら?」
「
と、
「そうねぇ……、コーカソイドとモンゴロイドくらいの違いかしら。」
「要は人間という程度には同じ種類なのね。」
「まあ、そういうことになるわね。」
それにしても、
そういう意味では
ジリッ——時々、蛍光灯が点滅する。次はLEDに替えたいと
「
「帰れば?」
俺は即答した。
「嫌よ。ここからうちまで何キロあると思ってるの?」
「2キロ弱。自転車なら15分?」
「ほら。」
何が「ほら」だ。15分しかかからないんだぞ。まあ、どちらにせよ、今日は帰らなくて良いんだけど……。まさか
「今日、
「ああ、そうだったわね。」
「
俺はリュックから今朝
「あら、もう1ヶ月経つのね。早いわねぇ。……後1ヶ月で
「
「あら、その制服、
今回は本気だったようだ。
「
確かに
「今日はお客さんが多いわね。あなた達はゆっくりしてて良いから。」
そう言って、
「
「どうって……、ただの人型の
現段階でそれ以上の説明は困難だと思うのだが?
「そういう意味じゃなくて——」
「——
「それは無いだろ。この辺りの道だって管理できてるのはほんの数割だし、新しく道ができたっておかしくないんだから。」
「そりゃそうだけど……、何か引っかかるのよね……」
実を言えば、俺も若干ながら今回の
もしも正規ルートで来ているのなら
人型ではなくとも、不定形ではない
それから暫く、俺と
「宿題?」
「ええ。」
「もう出てるのか。早いな。」
新学期——
「春休みのよ。」
俺は耳を疑った。
「え? 今、何て?」
「だから、春休みの宿題よ。」
「お前な……、期限はいつなんだよ。」
「明日よ。」
俺はため息を吐いた。
この馬鹿野郎、春休みの宿題を何故新学期にやっている……。そういえばこいつ、春休みの間は遊び呆けてたよな。
「終わるの?」
やるなとは言えない。
「
語尾に「キリッ」とオノマトペが入りそうな調子で言った。お前はどこぞの賭博漫画の主人公か。いっそ名字を伊藤に改名するか?
「あら、まだいたの。どうする? 今日は泊まっていく?」
「いえ、大丈夫です。今日は
「ああ、
俺たちの応答は聞かずに
横から
「このロリコン。」
「おい、今の話の中でそんな要素は無かったと思うぞ。どこでそうなった?」
「良かったじゃない。」
「話が繋がってない。」
「
「中3はロリじゃない。」
この会話、小1時間前もした気がする。
「そうです。ロリではありません。それとこの歳になって
店頭の方から声がした。
蔵里三中のジャージを着た
「あら、噂をすれば。」
「
ちょうどその時、
「あ、
「ちょうど良かったわ。今、
何が届けてもらおうだ。届けさせるの間違えだろ? そう言ってやりかったが、
「ちゃんってなんなのよ。ちゃんって!」
「あら、
「
「あら、根っからのロリコンの
「
「このヘンタイ。」
「
「気持ち悪いです。こんな人が本家にいるんですか。」
今度は
「
「すみません、つい。」
「そうよそうよ、つい、ね?」
何故だろう、
「お前らな……。というか、
俺はさっきのタッパーを指す。さっさと話題を元に戻そう。こいつらの相手をするのは面倒だ。特に
「Made in アマよ。あなた達が
アマとは、隠り世の住民が隠り世を呼ぶ時に使う単語だ。つまりは隠り世のことである。
「誰が食べるんですか?」
「私ですけど?」
「
「私は好きなんですけどね。」
「あら、美味しそうね。」
「あげませんよ。」
「良いわよ別に。そこまで食べたい訳じゃないから。」
しかし俺には分かる。
「では。」
「ええ、またいらっしゃい。」
「あ、そうそう、
奥から
「先行ってて。」
俺は店を出ようとする二人にそう言って、
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