7 事件の真実

僕は、未知流さんに、事件の真相を伝えられて、さっそく犯人のもとにむかった。犯人は、僕たちを見ると一瞬、怪訝そうな顔をしたけど快く入れてくれた。

「事件の真相がわかったので、お伝えします。」

僕が、そういうと、犯人は、うなずかなかった。未知流さんは、勝手に話を進めた。

「犯行に使われたのは、ウッド・サルトと・・・ネズミです。石川さんは、ネズミが大の苦手でした。でも、日常的にそんなこと、話しませんよね。でも犯人は、聞き出せた。それはどうしてか。理由は簡単。石川さんと、仲良くなったから。こうなれば簡単に聞き出せます。そして、ネズミで気絶させた後、すぐにウッド・サルトをガラスケースにかけた。レクに聞きましたが、この液体、ガラスを溶かすことができるらしいですね。そうして溶かし、穴をあけ、宝石を手にした。そうですよね。・・・ルベルク・サルトさん。あなたの出身国は森の国と呼ばれているところ。ウッド・サルトは森の国にしかはえていない木の樹液から作られたもの。出身国の者は簡単に持ち出せます。ましてやあなたは、森の国の王子様ってところですよね。犯行動機は、先祖の敵への恨み。森の国は、海辺の国とっても仲が悪かった。そして、とうとう、森の国は海辺の国に攻撃を仕掛けた。あと少しというところで、なんと増援が来てしまった。その国は砂漠の国。結局、森の国は、海辺の国をとることができなかった。ルベルクさんは、海辺の国と砂漠の国が、宝石を交換しあって、仲を深めていたことが分かった。その宝石こそが青いブルースターだった。青いブルースターは、海辺の国が持っていたもの。つまり、砂漠の国が持っていたものもあるということ。それは、今、西海博物館にある、赤いレッドハートという宝石。あなたは、このあと、盗みに行こうとしましたね。ここまで条件にぴったり合う人はあなたしかいませんよ。ルベルクさん。」

犯人・・・ルベルクさんは、がっくりとうなだれた。

「そうです。私がやりました。」

「宝石を出してもらいましょうか。」

ルベルクさんは、戸棚から、大粒のサファイヤをとりだし、未知流さんの手に置いた。

「自首、しますよね。」

未知流さんが聞くと、ルベルクさんは、がっくりしてうなずいた。

「一件落着!」

僕は、思わず叫んでしまった。


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