第一部

第一章 第一章

第1話 涅槃の少年

 一人の少年が、巨大な壁を見上げていた。

 その服装は余りにも見栄えが悪く、薄汚れた布地をつぎはぎしつつ、なんとか服に仕立てたような服装だった。彼が背負う大きなリュックもつぎはぎだらけで、今にも底が抜けてしまいそうだ。

 彼が見上げる壁は、この広大な草原の中には余りにも不釣り合いな、無骨な灰色の壁。その壁に据え付けられた巨大な鉄の扉は開け放たれ、多くの商人や兵士がそこを行き交っていた。

 少年は一度振り返り、遠ざかっていく仲間の背中を見た。ここまで共に来た仲間とは、一度別れた。次に会うときは、自らの目的を達成した時。そう決意し、つい先ほど別れの言葉を交わしたばかりだ。

 仲間の背中を見た少年は、大きく息を吐く。自分の中に深く根付く不安を少しでも吐き出すように。それから、自らを奮い立たせるように、大きく息を吸った。

「……よしっ!」

 それから少年は、巨大な扉へ、その向こう側を目指して歩を進める。

 扉の上部には大きく、ハーオス、と書かれている。少年にはその意味は分からない。ただ、それは壁の向こうに存在する町の名前ではないことくらいは分かった。

 これから向かう町の名前は、アングマール。富裕層が多く住み、この国だけでなく世界の中心と言ってもいいくらいの繁栄を誇る町だ。

 アングマールに向かう人々の多くは貧困層で、そのほとんどが、出稼ぎや領主に媚びを売るために来た者たち。そういった人々が、ハーオスと名付けられた扉をくぐるために必要な、身体検査をしようと列を成していた。

 少年もその列に参加し、一つ息をつく。周りを見れば、馬車に乗った商人や、巨大な袋を担いだ戦士など、多くの人々がいる。商人の馬車の荷台には多くの荷物が詰まっていて、かなりの稼ぎにでもなりそうだ。

「いよいよだな……」

 この列に並んでいると、実感する。ついに、ここまで来てしまったと。とうとう、この富裕層の、見知らぬ町に来てしまったのだと。

 列が進んでいく中、壁の向こう側に段々と見えてくる景色を見て、自然とため息が漏れてしまう。不安しかないが、果たして大丈夫なんだろうか。

 少年は、そう考えながらつい顔を伏せてしまう。周りの商人たちはそれを訝し気に見るが、少年はそれに気づかない。商人たちが怪しむのも無理はない。まず、こんなところに少年が並んでいるのさえ不思議な光景なのだから。

「次っ!」

 門番である警備兵の声が、辺りに大きく響く。その声は、不安でふさぎこみそうになっていた少年の意識を、一気に覚醒させた。気が付けば、あと数人で少年の番だ。

「うわ、もうそんな番か……」

 そう呟くと、少年は大きくため息をついた。少年が不安に押しつぶされそうになり、考え込んでしまう間も、列はどんどんと進んでいく。

「次っ!」

 とうとう、少年は列の先頭に立つ。つまり、順番は次。壁の向こうの景色を隔てるものはもう少なく、見える景色は否応なしに、いよいよアングマールに入るのだと実感させた。

 そのまま、少年はしばらくその景色に見とれそうになる。これまでに見たことも無い様な景色。建物一つとっても、あまりにも別世界だった。

「次っ! ……と、子供か」

「あ、は、はいっ」

 景色に見入っていた少年は、警備兵の声で我に返り、慌てて警備兵の下へと駆け寄った。

「なんだ、君みたいな少年が来るなんて珍しいな。名前は?」

「あ、えと、ニルヴァーナ。ニルヴァーナ・グラールです」

「ニルヴァーナ、ね。年は?」

「十六歳です」

 ニルヴァーナが、自らの年齢を告げる。この場には不釣り合いな、若すぎるその年に警備兵は大きく目を見開いた。

「十六……ずいぶん若いな。それじゃ、荷物を見せてくれ。そのくらいの荷物なら機械に通すだけだ。すぐ終わる」

「あ、はい、わかりました」

 なるべく急ぐように、ニルヴァーナはそのリュックを警備兵に渡した。警備兵はその重さに少し驚きながらも、それを検査の機械に通す。検査の機械は箱型で、ベルトコンベアが備え付けられている。ベルトコンベアに荷物を載せて機械に通せば、中身が液晶に映し出される仕組みになっている。

「おっ……、っと。こりゃまたすごいものが詰まってるな」

 リュックの中身を検査した警備兵は、余りに予想外の物が出てきたために、少しだけ笑ってしまう。

「これだけの大金、一体何に使うんだ? わざわざアングマールまで買い物にでも来たのか?」

 その中身とは、あまりにも莫大な量の現金。アングマールに住む富裕層でも、これだけの現金は中々お目にかかることが無いくらいの量だった。アングマールにあるものならば、どんな商品でも買えてしまうだろう。

 この町で大金を見る分には普通だが、それを持っているのはわずか十六歳の、それも貧困民の少年。さすがに怪しんだのか、警備兵の雰囲気は少し警戒したものに変わる。

 ニルヴァーナは慌てて、誤解を解くために言い訳を始める。

「あ、いえ、別に買い物ってわけじゃないんです。ただ、その……」

「その、なんだ?」

「マギエを、手に入れようと……」

 ニルヴァーナとの会話で、大きく二度も驚かされてきた警備兵だったが、今の発言は流石に言葉を失う。それほど、今の発言は現実離れしたものだった。

 マギエ。人類が焦がれた魔法を、人工的に手に入れるためのもの。それは費用的に考えれば、富裕層にのみ許された特権で、貧困民がそれを欲するなどほとんどない。

 それを、この少年は、ニルヴァーナという少年は手に入れたいと言った。それに返す言葉を警備兵は中々ひねり出すことが出来ない。現実離れしすぎて、言葉がうまく出てこない。

「えっと、あの、警備兵さん?」

 面食らった顔のままの警備兵に、ニルヴァーナは首を傾げつつ話しかける。

「え、ああ、いや、す、すまない。ちょっと、驚きすぎた」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫、大丈夫だ。ああえっと、……本気か?」

 慌てふためく警備兵は、ニルヴァーナになんとか尋ねる。なんとかひねり出した質問だったが、ニルヴァーナは何でもないかのようにそれに返す。

「ええ、本気です」

 何の疑いも持ちようのないその表情に、警備兵はただ実感する。この少年は嘘はついていない、本当にマギエを手にする気だと。

「あー、っと……。まあ確かに、君みたいな人間がマギエを手にしようとしたことは、過去になかったわけじゃないし、通していいのかもしれないが……。ちょっと待っててくれ、確認をとる」

 そう言うと、警備兵は少し奥に引っ込み、どこかと通信を始めた。

 その間に、ニルヴァーナは自分の後に続いていた列を見てみる。荷物の大きさの割に時間がかかっているため、不満そうな視線や怪しむな視線がニルヴァーナに向けられていた。

「うわ……、待たせちゃったかな」

 その視線から目をそらして、今度は反対側、アングマールの町並みに目を向ける。

 それは今までに見たことのない景色。馴染みのない建物や乗り物、整備された道路は、それだけで故郷との違いを実感させた。

「と……、すまないね。待たせてしまった」

 ニルヴァーナがアングマールを見渡していると、警備兵が駆け寄ってきた。その顔は、困ったような表情だ。

「あ、いえ、どうでしたか?」

「いや、通すのに問題はないらしい。ただ、マギエが手に入れる場所、MID社本社ビルに着くまで注意してくれ、と伝言を頼まれた。それだけだ」

「はあ……」

「時間を取らせて悪かったな。不測の事態だったために、少し混乱してしまった。もう行ってくれて構わないよ」

 警備兵はそう言ってからリュックをニルヴァーナに返した。ニルヴァーナはそれを受け取ると、町に向かって少し駆けだした。

 いよいよ、ニルヴァーナはアングマールへと足を踏み入れた。とうとう、ここまで来てしまったのだ。

 町を歩きながら、ニルヴァーナは町を見渡していく。先ほどまで見ていた、大きく天に向かってそびえる巨大な建物は、近くで見ればその巨大さが身に染みる。

 そしてニルヴァーナが今踏みしめている道路は、今までに歩いたことのない感触だ。土で出来た道とは、靴を通してつたわる感覚や歩きやすさからして違う。靴を通して凸凹を感じないのは、少し不思議な感覚だった。

 町を行き交う車は、ニルヴァーナにとって、もはや困惑させるだけのものでしかない。いくつも行き交う鉄の塊は、少し恐怖すら感じる。馬車のように揺れることなく、また馬車よりも格段に速いそれは、ニルヴァーナの理解の範疇を超えている。

 ハーオスの扉から離れていくと段々と気づいてくるが、行き交う人々の服装もニルヴァーナとは違う。色とりどりの華やかな服装に身を包むものもいれば、黒く、すっきりとした服装、いわゆるスーツに身を包むものもいる。今まで薄汚れた茶色の服ばかり見て来たニルヴァーナにとって、服装までもが理解の範疇を超えていた。

「すごいな、この町……」

 とにかく、目に映るもの全てが初見の物。あまりにも理解しがたいものだった。少しずつ歩を進めながら辺りを見渡せば、驚きの連続だ。

 そんな中、何よりも驚いたものが一つあった。

 それは、空だ。

 今まで見て来た空とは違う、あまりにも狭い空。空自体に変わりはないが、その狭さはどうにも馴染まない。何も隔てることなく見上げて来た空は、真っ青でどこまでも広がる雄大さを見せていた。しかし、ここの空は違う。どうにも限界が見え、窮屈さを感じてしまう。

「なんか、嫌だな……。この空」

 空を見上げながら歩いていると、ニルヴァーナは一つの事に気づく。

「あれ、そういや、MID社……だっけ。って、どこだ?」

 驚きの連続の余り何も考えず歩いていたが、自分の目指す場所がどこなのかがわからない。さっき警備兵に尋ねることすら忘れていた。

「うわ、やば、どうしよう」

 ニルヴァーナは慌てて周りを見渡す。すると、道路の端に地図があるのが目についた。

 舞い降りた幸運に、ニルヴァーナはぱっと表情を明るくしながら地図に駆け寄る。

「えっと、MID、MIDっと……」

 地図を見て、ニルヴァーナはMID社の建物を探す。それを探すのに対して時間はかからなかった。あまりにもわかりやすく、大きく場所がポイントされていたからだ。

 さらに、そのポイントのそばには、一文が加えられている。この町で一番大きな建物、と。

「一番大きな……」

 ニルヴァーナは、周りを見渡した。するとすぐに、一つの建物が目につく。

 見上げるのに苦労するほど大きな建物の中に、確かに一つだけ突き出た建物が見つかった。一つだけ突き出たその建物は、少しだけ異様だった。

「あれか……。よし」

 ニルヴァーナはリュックを背負いなおし、駆けだす。目的の建物へ向かって。見えた限りでは、そう遠くはなさそうだ。たぶん、走ればすぐに着くくらいの距離だろう。

 彼が向かうMID社とは、マギエを開発し、この町、ひいてはこの世界の経済すら牛耳る勢いまで成長した会社だ。

 このアングマールに本社を構え、そこでマギエを人々に与えることを行っている。MID社がマギエを開発しなければ、ここまで貧富の差は広がらなかったかもしれないということもあり、貧困層にはほとんど恨まれている。

 もちろんニルヴァーナも憎んではいるが、わざわざそこに出向くのは、とても大きな目的があるからだ。それも、果たさなければいけない目的が。

ニルヴァーナの故郷は、繁栄とは程遠いほど古び、貧困に苦しむ町だ。いわゆる貧困層の町そのもので、そうなった原因は富裕層の支配体制だった。

それは、貧困層のどんな町でも同じだ。つまり、支配体制は世界にはびこり、どんどん世界を悪いものへと変えていっている。ニルヴァーナは、それを崩すために、マギエという巨大な力を手に入れるためにここへとやって来た。

「もうちょっと……、か」

 その目的は、十六歳の少年には余りにもプレッシャーがかかりすぎる。そのプレッシャーに押しつぶされない様に、なんとか平常を装うのでさえ精一杯だ。列に並んでいたときは押しつぶされそうになったが、驚きの連続である町中ならば少しは気がまぎれる。

「っと、あれが……」

 走り続け、道の角を曲がったとき。ついに、MID社本社ビルのある通りまでやってきた。入り口が見え、とうとうその時が近づいているのを実感し、心臓が強く高鳴ってくる。

 ニルヴァーナは一度立ち止まり、大きく深呼吸する。そしてゆっくりと、MID社本社ビルまで近づいていく。段々と足取りが重くなるのを感じるが、無視して歩を進める。

すぐにMID社本社ビルまでたどり着き、ビルの足元からMID社本社ビルを見上げてみる。

 そのあまりの巨大さに、足元からでは全体を見るのは少し難しい。とにかく巨大だ、ということくらいしかわからない。少し、倒れてこないか心配だ。

「ほんと、すっごいなこれ」

 呆れ半分で笑いつつ、ニルヴァーナはそのビルへと入ろうとした。

しかしニルヴァーナは入り口がわからず、立ち止まってしまう。目の前の壁は、巨大な透明の板が張り巡らされている。

いわゆる自動ドアだが、今まで貧しい町で暮らしてきたニルヴァーナには縁のないものだった。辺りを見渡してみるが、他に入り口などありそうにない。

困惑しているニルヴァーナを横目に、一人の男性が建物の中へと入っていく。透明な板が横に開いていくのを見て、ニルヴァーナは思わず、おおっ、と声を上げてしまう。

しかしニルヴァーナは一瞬で気を張りなおす。恐らくこんなものは普遍的で、富裕層の人々には当たり前のものだろう。そんなもので驚いて醜態をさらして、笑いものにはなりたくない。

とりあえず、先ほどの男性が通った道をなぞるようにニルヴァーナは建物へと近づいた。すると、先ほどと同じように透明な板が横に開き、ニルヴァーナを建物へと招き入れる。

建物の中も、これまでと同じく驚きの連続だ。

眩しさすら覚えるほど、全体的に白い雰囲気で作られたエントランスの空間は、どこか高級感を感じさせる。もっとも、ニルヴァーナには高級感など感じたことも無かったが。

それから天井にぶら下がる照明は、これまでニルヴァーナが目にしてきた、豆電球をつるしたような照明とは違う明るさで、優しく辺りを照らしている。

その他にも驚くべきところはあったが、そんなものを見ている場合ではないニルヴァーナは、受付へと急ごうとした。しかし、彼の恰好を見た警備員が、即座に彼を止めに入る。

「ちょっと、いいかね?」

「え、あ、はい」

「君は、ニルヴァーナ・グラールという名前かな?」

 突然自分の名前を言い当てられて、ニルヴァーナは少し面食らってしまった。

「ハーオスの門番から、連絡を授かってる。少しここで待っていてもらってもいいかな?」

「あ、はい、わかりました」

 ニルヴァーナの返答に一つ頷くと、警備兵は数歩下がりどこかと連絡を取り始めた。その間に、ニルヴァーナは出入り口から避け、端の方で待機する。

 それから数分程だろうか。ニルヴァーナが建物の中を見渡して感動しているところに、一人の男性が駆け寄ってきた。

「や、待たせて申し訳ない。君が、今回マギエを得たいという人だね?」

 駆け寄ってきたのは、一人の男性。眼鏡をかけ、整った服装。いかにも会社員、といった感じの格好だ。世間一般的にはスーツと呼ばれるそれは、ニルヴァーナにとっては馴染みがなかった。

「ええ、そうです」

 ニルヴァーナは男を観察しながら、そう答えた。

「ふむ。ここで話すのもなんだしね、少し着いてきてくれ」

 男はそう言うと歩き出した。ニルヴァーナも大事そうにリュックを背負いなおし、後についていく。

 少し歩き、二人はエレベーターの前で止まる。ニルヴァーナはそれが何かわからず、つい辺りを見回してしまう。

「これはエレベーターというものさ。初めて乗ると少し気持ち悪いかもしれないが、我慢してくれたまえ」

 男は、ニルヴァーナに優しくそう言った。あまりにも優し気なその態度にニルヴァーナは少し困惑する。富裕層は、誰もが貧困民を見下すような人ばかりだと思っていたが、どうも違うようだ。

 エレベーターの扉が開き、二人は乗り込んだ。ニルヴァーナは狭い密室に警戒しながら、隅の方に移動した。

「はは、そんなに警戒しなくていい。これはただの移動装置だ」

 男はそう言うと、手元のパネルを操作する。エレベーターの扉が閉まり、ゆっくりと動き出す。

 突然感じられた浮遊感に、ニルヴァーナは困惑した。いったい何が起こっているのか、とっさに理解できなかった。男はニルヴァーナの様子を見て、心配そうに声をかける。

「やはり、少し気持ち悪いかな。今、僕たちは上の方に向かっている。そのまま楽にしていてくれれば、すぐに着くよ」

 男がそう言ったものの、ニルヴァーナの緊張は中々ほぐれない。不安そうに手すりに掴まりながら、辺りを見回すしかなかった。

 やがて、エレベーターは目的の階に到着した。モニターには、三十階と書いてある。

 ニルヴァーナは恐る恐るエレベーターから降り、辺りを見回した。そして、すぐそばに窓を発見したニルヴァーナは思わず駆け寄ってしまう。

「そうか、こんな上の方から世界を見下ろすのは初めてかな。存分に楽しむといい」

 男がそう言ったが、ニルヴァーナはまったく聞いていなかった。

 見えたのは、多くのビルが立ち並ぶ光景。

 男の言う通り、ニルヴァーナにとっては地上三十階など初めてだ。今まで見たことも、想像したこともないような光景にニルヴァーナは言葉を失ってしまう。

 さらに、このMID社に来るまでにいくつも大きな建物を見上げてきたが、ここから見るとどれも自分の下にあることに、どうしても違和感を覚えてしまう。

 そして視線をより遠くの方に移せば、巨大な壁が見えた。

 富裕層の町アングマールと、それ以外の村や町とを隔てる巨大な壁。

 ニルヴァーナの任務は、故郷クライスを救うこと。マギエを手にし、状況を打開することだ。だが、どれほど遠い未来になるかはわからないが、いつかはあの壁を壊すことができれば、とも思う。

 故郷クライスだけではなく、同じように苦しむ貧困民も救えれば、どれほど良いか。

 ニルヴァーナは小さな決意と希望を胸に、振り返る。

「すいません、お待たせしました」

「いや、構わない。それじゃ、また着いてきてくれ」

 そう言って男は歩き出した。ニルヴァーナも後を追う。

 数十秒ほど歩き、二人は一つの扉の前で止まる。男が扉に付けられた装置に手のひらをかざすと、静かな機械音と共に扉が開いた。

 いよいよ、この時だ。

 ニルヴァーナは息を呑み、ゆっくりと部屋に入っていく。

 これから変わっていく、変えていく自分の未来に思いを馳せながら。

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