双翼のリベリオン
布田あそび
プロローグ
魔法。
それは確かに観測された存在でありながら、不特定少数の人間しか持ちえなかった力。
人間は魔法について研究を重ね、少しでも情報を増やそうとした。しかし、わかったことはたった一つだけだった。
現在力を持っている人間は、生まれたときから選ばれし力を持っていた。それ以外の人間は、どうあがいても力を手にすることはできない。それだけだった。
どんな人間が持つことができるのか、どうやったらそれを手にすることができるのか。
魔法を手にした人間に規則性など全くなく、ただ無作為に神が選んだようにしか思えなかった。
そんな不確かな力に人間は幻想を抱き、憧れを抱いた。しかし心の奥底では諦め、平凡な日常を送っていた。
しかしある時、変革が訪れる。
Magie Independent Development社、通称MID社が、人工的に魔法を開発することに成功した。
その名は、マギエ。
MID社が保有する二つのAIを用いて、人間の脳を開発し、それにより力を得る。
マギエが発表されると同時に、全世界の人々は歓喜し、期待した。
物語や、情報でしか知ることのなかった力を手にすることができると。
しかし、現実は甘くなかった。
マギエの手術を受けるには莫大な費用が必要で、大半の人々が力を手にすることはできなかった。
しかし、かねてから人々の上に立ってきたごく少数の富裕層はマギエを手にすることができた。それにより、支配体制がより強固となっていく。
力を用い、富裕層は貧困層を支配していく。それに対抗する術を持たない貧困層は虐げられ、爆発的に貧富の差が拡大していった。
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