第三章

第24話死因はアタリもどき






――ゴホッ…ゴホッ…。


あー…苦しい。

喉に精液でも引っかかってるのかな。



「真琴…?大丈夫か?」


「…ん――ゴホッ…」


「ほら、水飲め」


「ありがと…」



冷たい水。

飲むと、喉が楽になっていった。



早朝。ベッドの上。

あの後、俺は弘樹の家に連れて行かれた。


懐かしい場所。

たった数日来なかっただけだけど。



「…激しすぎ」


「仕方が無いだろ。もう触れられないと思ってたんだ。どんだけ欲しかったと思う?」


「いや、知らないけどさ…」



そんなこと、俺に言われても困る。



俺らは一晩中セックスした。

でもいつもより激しくて。


正直死ぬかと思った。



そんな感覚が、すごく心地よかった。


余裕の無い弘樹にめちゃくちゃにヤられて、死にそうになって。

ほんとに死ねるんじゃないかって、嬉しくて泣きそうだった。





死因、セックス。


うは。何それウケる。





「あの時、街にいて本当に良かった…」


「……」


「俺、ずっと真琴を探してたんだよ」


「そうなんだ」


「真琴はあそこで何してたんだ?」


「セフレ探し」



俺の言葉に、弘樹がピクリと反応する。


あ、やば。

弘樹の目は、どろっと怒りに歪んでいた。



「――このクソビッチが」


「ちょ…怒るなって」


「他の男なんか見るんじゃねーよ」



弘樹は、俺の首筋に噛み付いた。



「――いっ…!」


「俺、真琴の言ってた言葉わかったかも」


「ん…っ…え?」


「好きなやつに首輪とか付けたいかってやつ」


「あ…うん」


「お前に首輪付けたいよ」



俺の首筋に出来た噛み跡を、弘樹は舌でなぞった。


あ、まじで?

なら俺のタイプドンピシャですね、弘樹くん。





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