第17話 ヘルプ ミー






「…あの、さ」


「えっ」



気まずさに耐えきれなくなったんだろう。

おじさんが俺らに声をかけた。



「君、彼氏いたの?」


「へっ?」


「面倒なのはごめんだから、僕はもう行くね」


「ち、ちがっ…!ちょっと待って…」



まずい。

おじさんが行ってしまう。


俺の救いが、行ってしまう。

俺は慌てて呼び止めようとした。



「お前ちょっと黙れ」


「――!?」



低い声が聞こえたかと思うと、俺は拓夢に後ろから抱きしめられた。



あつい。なにこれ。


何なんだ、この状況は。



「離せ…っ」


「お前、そんなに溜まってんの?」


「…そうだよ。やっと相手がみつかったのに…」


「セックス禁止」


「はっ?」



俺は唖然として、拓夢を見つめた。


今、こいつ何て言った…?

セックス禁止?ふざけるな。



「何であんたにそんなこと言われなきゃいけないんだ」


「嫌だから」


「あんたに関係ないだろ」


「ある」


「…ないってば」




…意味がわからない。


どう考えたっておかしい拓夢の言葉。

俺は頭を抱えた。







甘ったるいソレから、俺は逃れたくて堪らない。




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