第13話 我が天使








教室に着くと、まぁまぁ人がいる。


俺が来るのが少し遅めだから。

だって、あいつが可愛いすぎるから仕方が無い。



「真琴おはよう」



席に着いてぼーっとしてると後ろから肩を叩かれた。



「あ、智紀おはよう」



にこっと微笑んでくる天使。


男だけど小さくて癒し系なのが、クラスメイトの智紀。

今年から同じクラスで、結構一緒に居ることが多い。



いい子なんだよ。こいつ。

豆腐メンタルな俺でも、こいつに傷つけられたことない。

そのくらい優しい。


そしてもう一つ。俺が智紀といる理由。







それは見た目が可愛いから。







我ながらクズな理由だ。



いや、でもほんと目の保養なんだよな。



俺は智紀の黒目がちの目の、下まつ毛が好き。

ちょっと目のふちから離れていて、グレーがかった毛の色をしている。


あと笑うとすぐ赤くなる頬も好き。



俺がタチだったら、即効喰ってた。

俺、バリネコだから喰えない。


そんな自分にちょっと残念。



友だちにもこんな風に思ってしまう。

やばいよな…。

そう思うんだけどさ。


誰でもちょっと良いなって思ったら、セックスしたくなる。



「真琴さ、昨日夜何してた?」


「え?」



ぼーっと智紀を見てたら、突然そんなこと言われて。

動揺したのを必死に隠す。


昨日…?

昨日は…あぁ。


セフレ探して、あいつに会ったんだった。



「…家にいたけど…?」


「あ、そっか。ごめんね急に」


「いや。別に平気」



セフレ探してたなんて。

初対面の男に、変に絡まれたなんて。


言えないよなぁ。


こんな純粋な天使みたいな智紀には。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る