第8話 こいつもハズレだろ?
…綺麗?
男の俺を…?
大して見た目が良いわけでもないのに?
「何言ってるんですか…」
「…俺もわかんない」
「…男に綺麗とか言わないでください」
「褒めたんだけどな」
「俺は女じゃないんで嬉しくないです」
「でも俺は、お前の顔好き」
…何だろう。この堂々巡りは。
何を言っても、この男は俺の顔を褒めることをやめない。
なんかもう、いちいち反応するの面倒くさいな。
「なに?あんたは男が好きなの?」
「え?いや、普通に女が好き」
「なんだ。男いけるなら、セックスしたかったのに」
「はっ!?」
男は俺の言葉に、ぎょっとした。
ぶっ。その顔ウケる。
「ちょうど新しいセフレ探してたんで。でも無理そうなのでやめときます」
「お前…大人しそうな顔してるくせに」
「関係ないでしょう」
はずれだ。はずれ。
こいつはただのノンケだ。
いや、雰囲気でわかってたけどさ。
俺は帰ろうと思って、ベンチから腰を上げた。
すると、後ろから腕を捕まれる。
「…ちょっと待て」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます