第4話 公園と男
目的地の小さな公園。
頼りない電灯で照らされている。
とっくに9時を過ぎてるこの時間では、少し薄暗い。
けれど、そこが良い。
「…くぁ…っ」
寝不足のせいで出た、でっかい欠伸。
うーん…眠すぎる。
少しここで寝るとするか。
そう思って俺は、こじんまりとしたベンチの端っこに腰掛けた。
こういう時、男で良かったと思う。
女なら、こんな夜に外でうたた寝なんて出来ないだろう。
俺は男だししかもヤることに慣れた野郎だから、全く問題ない。
盗られないように財布を後ろのポケットに入れ、俺は座った状態のまま目を閉じた。
…な、んだ…?
なんか頭がふわふわする…
少しの違和感。
俺はゆっくりと目を開けた。
「…え」
「は…?」
ピシっと体が固まる。
目の前にあったのは、男子高校生の驚いた顔だった。
え、え。誰こいつ。
なんでお前が驚いてんだよ。
びっくりしてんのは俺だよ。
俺が感じた違和感の正体は、この男が俺の頭を撫でていたからだ。
俺の隣に腰掛けている男は、未だに俺の頭に手を乗せたまま動かない。
夜の公園で二人の男子高校生が、頭に手を置いたまま置かれたまま動かず見つめ合うなんて。
傍から見たら、かなりシュールな図だろうな…。
ていうか、こいつ誰。まじで。
なんで俺の頭触ってるんだよ。
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