進化する悪魔っ娘
「えー、偶然の事故でマイアリルさんが悪魔っ娘になってしまいましたが、裏取引で助手として参加してもらうことになりました!」
「手伝ったらちゃんと治してくださいよ!?」
半泣きのマイアリルを無視して柳生ドライトひろしは続ける。
「さて!次の問題は早押しです!
世界の屋根、ヒマラヤ山脈にあるエベレストの標高は………………ッチ!8850メートルですが、世界のボットン便所、マリアナ海溝の深さはなんミリメートルでしょうか!?」
[ピンポーン!]
カーネリアとアンジュラは超反応でボタンを押すのを回避した、だがサジェスは勢い余って押してしまった!
「……な、なんミリメートル?」
「はい!正確に答えてください!」
「………………ミ、ミリメートル!?」
「どんどん時間が過ぎていきますよ!?早く答えてください!」
「ええぃ、女神も度胸だ!
そんなの分かるかー!」
「……ファイナルアンサー?」
「ファイナルアンサーよ!」
「……正解!海流やらなんやらですぐ変わるから、現在の地球の科学力では分からない。が正解です!」
「そんなのクイズにするなー!」
「ペロペロペロ……良いお味……」
「なめられまくってますよ!?」
柳生ドライトひろしが正解を告げると、カーネリアが文句を言い、アンジュラはドライトの頭をなめている。
「さぁ!色々と混沌としてきましたが、どんどんいきましょう!」
「……これって私(助手)要るんですか?」
30分後。
「次の問題です、今何匁!?」
[ピンポーン!]
「あああ!?押しちまった!」
「あ、あぶなー!?」
「……クンクン……匂いを嗅いで落ち着く。」
「さぁさぁリア様!答えてください!」
「いや、匁だから重さの単位だろ?なんの重さを答えれば良いんだよ!?」
またもや引っかけ問題だったが、今回押してしまったのはカーネリアだった。
「それも含めての問題です!さぁ答えをどうぞ!」
「えぇい!心眼だ、心の目で見て最初に見えたやつの重さを答える!」
そう言うとカーネリアは目をつぶる、そして数秒後―――
「見えた!って何してやがる!?」
目を見開いたカーネリアが見たものは!
柳生家の宝刀、大天狗正家を自分に向けて大上段に構えた柳生ドライトひろしだった。
そして振り下ろされた大天狗正家を白刃取りにして両手で押さえると、奪い取る。
「あああ!本物ソックリの」
「なんだ、偽物か……」
「やつと本物を勝手に交換した物なんですから返してください!」
「………………本物じゃねえか!ダーリンは何してるんだよ!」
一瞬悩んだが、カーネリアはドライトが本物をパクってきたと理解して、自分の亜空間に大事にしまいこむ。
「ちょ!それはドライト様にもらったんですから、私のですよ!?」
「いいからいいから、答えは解りません!」
「……大天狗正家の重さを答える問題なんですが、答えられなかったのでボッシュートです!
……次の問題です!」
「ボッシュートって、リアの姉御何か取られました?」
「いや?……あ!私の大天狗正家が無くなってる!?返せ!」
「元々は私のじゃないですか!
次の問題です!」
マイアリル達はいや元々は他の人の物じゃ……っと、至極まっとうなことを思ったが、リアル触らぬ神に祟りなしなのでだんまりを決め込む。
「うへへへ……これは良い……これは凄く良い!」
「……魂がこもった……良い物!」
「大天狗正家は取り戻しましたが、代わりにソボロ助広がリア様に、三善長道がアンジェ様に持っていかれました、理不尽です!」
「あ、あの、その刀って地球の原始の神々から捜索願いが出て「津田越前守助広をどうぞ。」さあ、次の問題来てください!」
「リア様とアンジェ様がトリップしてますが、ボーナス問題です!悪魔っ子になってしまったマイアリルさん、その尻尾の長さは!?」
「いやですからね!?」
「ヒントが有ります、マクライさんが計りますのでそれを見て答えてください!」
「ええ!?」
「わ、わしが!?」
柳生ドライトひろしの言葉に驚くマイアリルとマクライ、特に真っ赤になったマイアリルは尻尾も犬のようにブンブン振られている。
「……興奮しっぱなしのマイアリルのせいで、正確に計れない?」
「正解です!ボーナスポイントとして10……WA○N P○INTが贈呈されます!」
「この世界で使えないし、カードも何も無いんですけど!?」
「さらにどんどんいきますよ!」
1週間後。
「このクイズ大会、何時になったら終わるんですか!?」
「それは私にも分かりません!
次の問題……大問題です!?」
「お?どんな問題でもドンと来い!」
次の問題を言おうとした柳生ドライトひろしだったが、大問題が発生したと驚く。
カーネリアはクイズ問題かと思ったが、その横でアンジュラがプルプル震えている。
「……逃げ……られた!」
「逃げられたって、誰に……ああ!?」
……なんとアンジュラが大事に抱き抱えていたドライトが……スーパーヒロシクン人形に入れ替わっていたのだ!
「それはひろし違いです!
ここはスーパー柳生ドライトひろし人形にするべきなのに、スーパーヒロシクンなんかポイするべきなのです!」
柳生ドライトひろしは、全く違うことで大問題だと言っていた。
なんにしろドライトに逃げられたアンジュラは激おこだった、そしてカーネリアもクイズでアンジュラに1ポイント負けていたので、クイズ大会が終わるのが納得できないでいた。
そして2人は―――
「追うぞ!」
「……絶対に……逃がさない!」
っと叫んで転移していってしまった!
「リアの姉御!面白そうだから私も連れてって!」
オマケでサジェスまで転移してしまったが……
とにかく神々は去った、バルドニアにさんざん迷惑をかけて!
っと言うか、去られては困る者が残っていた。
「ちょ、ちょっとー!私はどうなるんですか!?」
そう、マイアリルである!
彼女は普通の悪魔っ娘から、頭には羊の角、胸と腰回りにウールをまとった羊の悪魔っ娘に進化していたのだ!
「……問題!この後マイアリルさんは、どうなってしまうのでしょうか!?」
「うわーん!こんなんじゃお嫁さんになれないー!
マクライ様のお嫁さんになるのが、夢だったのに!」
「マ、マイアリル君!?」
「な!?お前、研究を続けたいからと見合いを断っていたじゃないか!?」
泣きながら叫んだマイアリルの言葉に、マクライとアテクトリスはマイアリルの本心を知って驚く、そしてそんな風に混乱し始めた時だった。
「最終問題です、この問題に正解すると優勝になります!何故なら他の回答者が皆居なくなったからです!
では……問題!このクイズ大会の責任者は誰でしょう!」
何故かまだ居る柳生ドライトひろしがそう叫ぶ!
そしてその叫びに1番早く答えたのは……マイアリルだった!
「……えっと、柳生ドライトひろし様ですか?」
「正解!優勝は、マイアリルさんでーす!拍手~!」
[……パチパチパチ。]
「この元気にナールを「わぁー!!」[パチパチパチ!]それでは優勝者のマイアリルさんには、私の出来る範囲で望みを叶えてあげます!どうぞ!」
望みを叶えると言われ、マイアリルは思わず周りの皆を見る、マクライ達が強くうなずくとマイアリルは意を決して、柳生ドライトひろしに向き直り自分の願いを言うのだった!
「新たな知識を出来るだけ教えてください!」
「……ファイナルアンサー?」
「もちろんです!」
周りでマクライやアテクトリス達もウンウンうなずいている。
それを見て柳生ドライトひろしは、様々な知識のつまった書籍を取り出してからマイアリルに質問してみる。
「では知識を授けます、ところでマイアリルさんはもとに戻らなくって良かったんですか?」
「……へ?……あ、ああ!?」
慌て始めるマイアリルやマクライに親のアテクトリス、それを見ながら柳生ドライトひろしは、何故この世界バルドニアの主神がサジェスなのか理解するのだった。
「似た者同士のバカですね、ある意味怖い世界ですよ!」
柳生ドライトひろしのつぶやきが、クイズ会場に響かず消えるのだった。
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