子龍編 アレクス出発
ふぅ……なんか色々あったけど、とうとうアレクスから出発するのか……
【本当に色々ありましたね……】
ああ、キャロを女王にしようとして、アレクス占領して……
【キャロ様に要らないと言われて放棄して……】
祝福を授けてもいい子が4人も見つかり……
【それを全員シリカ様達に取られて……】
アンジェ姉さんに小型化の術の秘密がバレたと思ったら……
【シリカ様達にもバレて……】
おまけに新結界術まで世の中に広まり……
【ユノガンド様とメルクルナ様には責任を取ってもらえず……】
「本当にろくな事がなかったな、おい!」
「ドライト!そんな悪い喋り方をどこで覚えたの!」
「か、母様!?」
「いらっしゃい!お仕置きします!」
「ち、違うんです!龍珠と話してたら、つい出ちゃったんです!」
「普段龍珠と、どんな話かたしてるのですか!?
それも含めて詳しく聞いてからお仕置きです!
さあ!いらっしゃい!」
「誰かー!助けて~!」
ど、どうしましょう……ドライト様が連れて行かれてしまいました……
あ、セイネちゃんとアレナムちゃん!
「おろ?キャロちゃんどうしたの?」
「何かありましたか?」
「た、大変なのです、ドライト様が連れ去られてしまいました!」
「ええ!ドライト様が!?」
「嘘でしょ!?誰になの!?」
「セレナ様にです!」
「「ほっときなさい」」
「そ、そんな!?」
キャロリンは様子を見に行こうと言うが、セイネとアレナムはほっとこうと言って、動く気配がない。
そこにレイナとリティアが大量の食べ物を抱えて来た。
「む?キャロさん、どうかなさったのですか?」
「お腹でも空きましたか?どうぞ、これを食べてくださいませ」
「た、大変なんです!ドライト様が連れ去られてしまったのです!」
「な!?ドライト様が?」
「し、信じられませんわ!
ドライト様を連れ去るとは……いったい何者なですか!?」
「セレナ様です!」
「セイネさん、これはなんなの?
初めて食べたわこんなの」
「アレナムちゃん、いっぱい持ってきたから皆で食べましょう?」
「み、皆さん聞いてください!」
レイナとリティアも、連れ去ったのがセレナと聞いて、興味を無くしたようだ。
キャロリンはなんとか皆の興味を引こうとするが、セイネにバッサリと言われてしまう。
「キャロちゃんさぁ、皆で行くのは良いとして、その後はどうするつもり?
セレナ様に逆らって、助けるの?」
「……何も考えてませんでした……で、でも、心配です!
見に行きましょう!」
そう言うキャロリンに、セイネ達は苦笑いしながら、じゃあ行こうと言って廊下に出ようとしたところで、ドライトの声が聞こえた、キャロリンのスカートの中から……
「あれ?ここは何処でしゅか!?
短距離転位でキャロの側に逃げたはずでしゅのに、真っ暗でしゅよ?
……天井にピンクの何かが有りま[ドガ!]ギャアァァァ!?」
「ド、ドライト様!何処に居るんですか!?」
今日はドライト達とジェード王国一行の送迎会が行われていた、そのためにキャロリン達5人もパーティドレスを来ていたのだが、スカートの中の空いた場所にドライトがどうやってか入り込んだ様だった。
「あははは、キャロちゃん、災難だった……!?
ドライト様!出てください!」
「今度の天井は黒でしゅ!
色になんの意[サク!]あんぎゃああぁぁ!?お尻に何かが刺さりましゅたよ!?」
今度はセイネのスカートの中に移動したようで、セイネがスカートの上からナイフで刺すと、悲鳴と共にドライトの気配が消える。
同時にアレナム、レイナ、リティアが顔を見合わせて、辺りを警戒するがレイナのスカートの中から、
[痛たたた……一体なんだったんでしゅか!?
今度は白でしゅ……]
「ハァ!」[ボグゥ!]
「ヒデブ!?て、撤退ですしゅよ!?」
「ど、どうなってるんですか、これ!?」
「転位かしら?
でも、上位の龍や上位の神々は、直接見てる場所か転位陣を使わないと、周囲に大きな被害を出すはずじゃあぁぁ!?」
「……?ね、猫!?巨大な猫の顔が見えましゅ!?」
「サンダーバースト!」
「肩凝りが治りましゅよぉぉぉ!?」
リティアのスカートの中にはドライトの気配がまだある、残るアレナムは次は私の番だと思い、ここに居るのは不味いと逃げようとすると……
「アレナムちゃんを守りましょう!」
「アレナム!離れちゃダメだよ!」
「アレナムさん、何処に行こうと言うのです!」
「私達が守ってあげますわ!」
そう言ってアレナムを取り囲む、だがアレナムは、
「あ、あんたら!
ここに居なければ、大丈夫なのよ!離しなさい!」
「アレナムちゃん!遠慮しないで!」
「アレナムと私達は一心同体だよ!」
「アレナムさん!私達の側から離れてはなりません!」
「アレナムちゃんのパンツの色もバラされろ!
なんて、これぽっちも思ってませんわ!」
「あ、あんたら!」
キャロリン達が素晴らしい友情で1人を除いて、団結していると……
「ううう……転位する度にえらい目に……な!?紫のラメ!?な、何なのでしゅかここは!?」
「オラァ!」
アレナムは気合いと共にスカートに手を突っ込むと、何かを引きづり出した!
まぁ、それはドライトだったのだが……その大きさが問題だった!
「おお!キャロ、助けてくだしゃい!
なんとか母様から逃げてきましゅたが、すぐそこに……か、母様!?」
キャロリン達も驚いていたが、何時の間にか居たセレナも驚いて固まって、10cm程になったドライトを見つめていた。
「離してくだちゃい!お尻ペンペンは嫌でしゅ!」
「ドライト?その大さだと、少し幼児語になるのね?」
「ドライト様!淑女のスカートに入り込んで、パ、下着を見るなんてハレンチです!」
「それに、大きな声で色やガラを言うなんて、あんまりですよ!」
「そうです!セアース様の勝負パンツをくすねて履いてたのが、バレちゃうじゃないですか!」
「セイネちゃんが黒って言うのも凄いですが、アレナムちゃんの紫のラメは衝撃的すぎましたわね……」
「あんたら覚えてなさいよ!?
あと、セイネ、セアース様ならあなたの後ろに先程から居ますよ」
「へ……?、ギャアァァァ、た、助けムグゥ!?」
セイネが後ろに振り向くと、セアースが満面の笑みで立っていた。
セイネは悲鳴をあげて逃げ出そうとしたが、セアースに口を塞がれて、ガッシリと捕まってしまう。
「皆さん、少しセイネをお借りしますわね?」
ニコニコ笑いながらセアースにそう言われて、キャロリン達は頭を上下に振ることしか出来なかった……
「母様!許してくだちゃい!
このサイズでお尻ペンペンは死活問題でしゅ」
「……そうね、お尻ペンペンは許してあげましょう」
「ほ、本当でしゅか!」
「その代わり、今日は1日その姿で私に抱かれてなさい」
「……へ?」
「ふふふ……幼龍の時みたいに、今日は1日たっぷりと可愛がってあげますからね?」
「ふぁ!?今日は送迎会で、美味ちい料理や珍しゅい物がでしゅね?」
「母から離れてはなりません」
「しょ、しょんなぁ~!」
「……ドライト様、ステラちゃんとルチルちゃんもお世話したいそうですよ!」
「なら、学園都市に着くまで私と「俺もお世話するぞ!」……ディアンにステラとルチルの4人で、交代でお世話してあげますね?」
「しょ、しょんなぁ~!」
「「 「「 わし等(私達)もお世話するぞ(わよ)!」」」」
「キャ、キャロ助けてくだしゃい!」
ドライトはそう言って手足をジタバタさせながら、キャロリンの方を向くと……
「ドライト様、学園都市に着くまで私の頭に乗るのは禁止とさせていただきます」
そう言われてしまった。
「……!キャ、キャロ!?反抗期でしゅか?反抗なのでしゅね!」
ドライトはそう言って、愕然としていると、シリカ達がやって来た。
そして、
「反抗期じゃないでしょ、普通にパンティ見られて怒ってるだけよ」
「ドライトさん?乙女の肌着を見るなんて、ハレンチを通り越してただの犯罪ですわ」
「ドラ公、いくらなんでも紫のラメはないだろう?」
「ドラちゃん……セイネは、セクシーだった……?」
そう言って、ドライトを囲むと……
シリカが頭を殴り、サルファが頬を引っ張り、カーネリアが腹にアイアンクローをして、アンジュラがキスをしようとしてセレナに止められた。
「ア、アンジェ!」
「油断も隙もありませんわね!」
「ひ、人前でチューしようとするなんて、ハレンチだろ!?」
「もう少しだった……残念……」
「み、皆しゃん、何をするんでしゅか!」
「何ってあなたね、私達が祝福を授けた者達に、何してんのよ?」
「転位しゅたらたまたまパンティが見えただけでしゅよ!」
「なんでまた、スカートの中に転位したんですか……」
「母様から逃げるためでしゅ!
あとついでに下着のチェックをしゅるためでしゅよ?」
「わざとじゃねえか!」
「ドラちゃん……!反省したなら……ドラちゃんも下着を見せるべき……!」
「「「アンジェ、アホな事言わないの!」」」
「しょうがないですね……」
「「「へ……?ド、ドライト!?」」」
「超お宝シーン……キタコレ……!」
アンジュラを見ていたシリカ達にキャロリン達は驚きドライトを見ると……1m程のサイズに戻り
、恥ずかしそうにモジモジしているドライトが宙に浮いていた。
フンドシを履いた姿で!
「あ、あんまり見ないでください!恥ずかしいですよ!?」
「お宝シーン……お宝シーンだ……!」
こうしてドライトとスマドを取り出して、激写していたアンジュラはセレナに連れられて行ってしまった。
「しっかし、あのアホは何考えてるのか……!」
「たぶん、凄く下らない理由で、パンツを見て回ったんだと思うわ」
「何にしろセレナ様にしっかりと怒られて来ると良いわ」
「でも本当になんで急に私達のパン、んん!下着が見たかったんでしょうか?」
「レイナさん、ドライト様もお年頃になったんじゃないの?」
「うーん、私はサルファ様が言う様に凄く下らない理由だと思いますわ」
「キャロと私のパンティを見て興奮しちゃたのかな?」
「セイネちゃん……って、何時の間に!?」
「セアース様に、アレナムが履いてたパンティが何処に売ってたか教えたら、解放してもらえた!」
「ちょ!」
「あ、あのドライト様とアンジェ様がいらっしゃいませんが、皆さん良いでしょうか?」
「ん?大事な話みたいね?」
「キャロさん、何事ですか?」
キャロリンは関係者がほぼ全員揃ったので、聞きたい事があると声をかけた。
シリカ達は真剣な顔をしたキャロリンを見て真面目な話だと、表情を引き締めている、セイネ達も何事かと真面目に聞こうとしている。
「あ、あのですね……セイネちゃん達はこれからどうするのですか?
あと、シリカ様達はこの後も、セイネちゃん達の側に居るのですか?」
「「「へ?」」」
「え?何々、どう言う事?私がどうするって?
あと、アンジェ様は側に居てくれるんじゃないの?」
「えっと、私はこれからも色々勉強して世の中のために役に立つ人になりますよ?」
「……あ!わ、私はシリカ様の側から離れません!」
「え?なんですの?どう言う事……あ!ど、どうしましょう!」
「レイナは離さないわよ?」
「私も、リティアから離れる気はありませんわよ?」
「アレナムを守って導かなきゃいけないのに、離れる訳ないじゃん?」
セイネとアレナムはイマイチ状況が分かっていないようだ、シリカ達もなんでそんな当たり前の事を聞くのとビックリしている。
するとそこに……
「レイナちゃんとリティアちゃんは気がついたみたいだね、キャロ言いにくかったら私から言おうか?」
何時の間にかアンディ王太子が来てそう言ったが、キャロリンは覚悟を決めたようだ。
「お、お兄様……いえ、私からハッキリ言います!」
「な、なんなのよキャロちゃん?」
「セイネちゃん……私達は学園都市に行くの、じゃあ……セイネちゃん達はどうするの?
それにシリカ様達は、セイネちゃん達がここに……アレクスに残ると言ったらどうするのですか?」
キャロリンがそう言うと、やっとセイネにアレナム、そしてシリカ達も気がついた。
ここで、どう決めるかで皆がバラバラになるかもしれないと言う事に!
「わ、私達はドライトの奥さんだから、ドライトから離れる訳には!」
「あ、シリカ様、私は帝国とは縁が切れてますから、もちろんシリカ様について行きますよ?」
「よし!問題なし!レイナを連れて一緒に学園都市に行くわ!」
「シリカ姉様ずるいですわ!リティアさん!もちろん私と学園都市行きますわよね?」
「えっと……そうですわね、お父様とお母様にも学園都市に行きなさいと言われているので、良いタイミングかもしれませんわ!
あと、私もサルファ様から離れる気はありませんわよ?」
「よっしゃ!私達も学園都市に向かいますわ!」
「サルファ姉、よっしゃって……アレナムも、もちろん学園都市に行くよな?色々勉強するって言ってたしな!」
「わ、私は……アレクスには家族もいますし……セ、セイネはどうするの!?」
「トリア院長やシスターセアース、弟達に妹達がここに……アレクスに居るから……」
「ア、アレナム!?セイネもかよ!ちょっとアンジェ呼んでくる!」
アレナムとセイネが残る様な事を言い出した事が予想外だったようで、カーネリアは慌ててドライトとアンジュラが連れて行かれたドアの方に走っていく。
「まぁ、予想はしていましたがリティアさんは意外でした」
「私は王女としてではなく、研究者……探究者として生きていきたいと、両親や家族に話してありますので……説得に5年ほどかかりましたが……それよりもセイネさんは大丈夫ですかね?」
「う!それは私だってアンジェ様やキャロ達から離れたくないよ?でも、まだまだトリア院長や皆に恩を返していないし……妹達も弟達も心配だし……」
「わ、私だって苦渋の決断なのよ?心配してよ!」
「いえ、違いますわよ!アレナムちゃんの事を無視している訳ではなくてですね?」
「アンジェ様の性格だと、セイネさんを攫いかねませんから、それが心配だと……」
レイナにそう言われて、セイネが小さく「あ……」っと言って真っ青になっている、アレナムは一歩セイネからはなれて逃げた。
「ちょ!アレナム!私達親友でしょ!?」
「セイネ、元気でね!私はアレクスで待ってるわ!」
「あ、あんた、パンティの事を根に持ってるんじゃ!?」
「セアース様にまでバラす必要は無かったでしょ!」
付き合いの古いセイネとアレナムが素晴らしい友情を発動していると、アンジェが真っ青になってやって来た。
その後ろにドライトのシッポを持って、カーネリアも追いかけてくる。
「……セイネ!……ちょっと人気の無い中庭に……2人で行こう!」
「ア、アンジェ様!いきなり攫おうとしないでください!」
「……なんで……バレた!?」
「そう言う手も有った!」
「リア様!変な事を考えないでください!」
「な!攫えば良いとか思ってないですわよ!」
「あんた等……あとリア、語尾が変になってるわよ?」
「ドライトさんに相談を……な、何なさってるんです?」
ドライトは逆さ吊りで連れて来られている間に、フンドシが緩んで外れてしまった様で、片手でお盆を持って股間を隠して、もう片手でフンドシを手繰り寄せていた。
「リ、リア姉!酷いですよ!もうお婿に行けません!」
「よし!本気で殴る!それが嫌だったら何とかしろ!」
「ドライト様!今はふざけている時ではないのです!」
「……なんかありましたか?」
ドライトがそう言うので、キャロリンが事情を説明すると、ドライトは納得顔で言った。
「しょうがないですね、リア姉、アンジェ姉さんは諦めましょう!」
「「「ドライト(様)!」」」
「なんと言われようが、これは祝福を授けた者と貰った者どうしの話ですよ!私は干渉しませんよ?
……ちなみにキャロの頭に当分乗れない腹いせではないですからね!」
「ドライト様、何とかしてくれれば取り消します」
「セイネ、トリアさん達はジェード王国に行く事が決まってますし、ケリルとメネミは学園都市に行く事が決まってますよ?
え?なんでか?セアースさんはアンディ王太子さんのお嫁さんになりますし、ジェード王国の教会には現在大司教が居ないんですよ……ですからトリアさんに復帰してもらって、ジェード王国の教会に赴任してもらう事を、メルクルナさん経由で法皇にも認めさせてます。
ケリルとメネミ?あの子達はセイネの育て方が良かったんでしょうね……色んな才能が開花しつつありますので、学園都市に連れて行く事に私が独断で決めました!トリアさん……トリア大司教も喜んでましたよ!」
「セイネ……一緒に行ける……!」
「アレナムはお母さん……イムルさんに聞いてませんですか?
親友達と学園都市で学んできなさいと言われてませんか?お兄さん達も応援していましたよ?あ、弟のルロスも連れて行きますよ?ケリルとメネミと凄く仲が良いですね!「僕もお姉ちゃんやケリルとメネミ達と一緒に行きたいな……」って言ってたので、連れて行く事にしました。
え?私の独断で決めて、イムルさんに報告しましたよ?お父さん……ああ、マクルイエ都市長さんですか?絶対ダメだと反対したら、イムルさんに何処かに連れて行かれて、5分ほどで帰ってきたら快く許可してくれましたよ!ボコボコになってましたが!」
「良かったな、アレナム!これでみんな揃って行けるぜ!」
「ふう……さぁ、キャロ!頭に乗せるのです!」
「ド、ドライト様……何時決めたのですか……!」
「観光が終わってすぐにですよ?早く頭に乗せてください?」
ドライトが平然とそう言うので全員がプルプル震えながら怒りの目で見る。
その怒りの気配を察したのか、ドライトは後ずさりながら言った。
「な、なんですか?なんでそんなに怒ってるのですか?……こっちに来ないでください!?あんぎゃあぁぁぁ!?」
ドライトがシリカ達とキャロリン達から総攻撃を受けていると、セレナがやって来て、理由を聞いてドライトにお尻叩きを始めた。
[バシーン!バシーン!]
「お、お尻があぁぁぁ!助けてー助けてー!」
「まったく、イタズラばかりして!それに当分は戻っちゃダメだと言ったでしょう!?」
「い、言い忘れてただけです!それに流石にあそこまで小さくなると、弱体化しちゃうんで常時10cmは嫌ですよ!あんぎゃあぁぁぁ!」
「言い忘れてたなら、早く教えなさい!あと、何cmまでなら問題が無いの!?」
「何時もの1m[バシーン!]痛いです!50cmまでなら弱体化しません!本当です、母様許してください!」
「なら、その大きさになりなさい!学園都市に着くまで、その姿で反省してないさい!良いですね!?」
「わ、分かりました!反省しますから!キャロ達とシリカ姉達にも謝ります!もう許して~!」
ドライトは50cmになりながらそう言うと、セレナも許したのか尻叩きを止める。
「ううう……キャロ、セイネ、アレナム、レイナにリティア御免なさい!シリカ姉達も伝えるの忘れてて、すいませんでした!ううう……」
「まったく!リアとアンジェ、真っ青になってたのよ!」
「ドライトさん、しっかりと反省なさい!」
「ドラ公!この借りはでかいからな!」
「ドラちゃん……罰としてチューしなさい……!」
「ドライト様、約束通り頭に乗るのは許可しますが、セレナ様達に抱っこされてる約束は守らないとダメですよ!」
「な!そ、そんな!」
「うんうん、そうだよね!」
「キャロちゃんも意外と策士ね!」
「ちょっと可哀そうな気もしますが……ドライト様は反省した方が良いですね」
「しかし、まだ言い忘れていた、なんて言い訳するのはよくないですわよ?」
「ううう……シリカ姉達の事を考えて話し合ってあげておいたのに、酷いですよ!なら次からは自分達で何とかしてください!
あと、言い忘れたのは本当です!大問題が発生したのでそちらに全力で取り掛かっているので、忘れちゃったんですよ!」
シリカ達は次は自分達で何とかしろと言われて、慌ててセレナに許す様に言ってドライトのご機嫌を取っているが、セレナに
「あなたの奥さん達の事なんですから、あなたが頑張らないでどうするの!」
っと怒られて、シリカ達もホッとして、
「ドライト、これからもよろしくね?」
「ドライトさん、リティア達が私達から離れない様にお願いしますわね?」
「頼りにしてるからな、旦那様!」
「お礼に……チューしてあげるね……?」
等と言っている。
そしてキャロリン達は一緒に学園都市に行けると喜んでいると、セレナがドライトに言ってきた。
「ところでドライト、大問題って何が起きたの?
なんだか、昨日の夜から何か探していたようだけど?」
「ううう……実はですね、私の大切な物が無くなっていたんですよ……それを必死に探していて、夜も寝ないで分身体を操作して探していたのです」
「にーちゃ、みつけた?」「ないないだった?」
「何処を探しても無いんですよ……ステラとルチルにも心配をかけてしまっているで、早急に見つけたいのですが……」
するとシリカ達とキャロリン達も驚く、ドライトの力をもってしても見つからないのだ、そしてドライトがそこまで固執して探す物とは一体……すると、メルクルナが大量の料理を持って、ユノガンドと龍神達と一緒にやって来た。
「ユノガンド様、ドンドン食べてください!まだまだ有りますから!」
「美味いのぅ!メルクルナに食べさせてもらうとマスマス美味いぞ!」
「お飲み物は……ドライトさん、どったの?」
「な、なんじゃ?ドライトよわらわとメルクルナをじっと見つめて、なんかあったのかの?」
ドライトは近くに来た、メルクルナとユノガンドを見つめて、次にアンジュラを見た、そして。
「祖父ちゃん祖母ちゃん、その3人を捕まえててください!」
「む?」
「なんじゃ?」
「またなんかやらかしたの?」
「ほら!大人しくなさい!」
ガンジス達はいきなり言われて、驚きながらも3人を拘束する。
メルクルナとユノガンドは驚き固まっているが、アンジュラだけはジタバタもがいている。
「実は私の大切な物が無くなっていまして……あと、探していないのはあなた達だけなんですよ……」
「大事な物って……ま、まさかアサグを封じた宝珠!?」
「なんじゃと!それはまずいぞ!まだ、浄化しとらんのじゃろ?復活されたら、今までの苦労が水の泡じゃ!」
だが、ドライトは首を横に振り、重々しく口を開いた。
「あの程度の者達なんかではありません、それに逃げられても魔力や魂の質などが解析済みなので、スマドに入っている探知陣からは逃げれませんよ!それに、そんな物より大切で貴重な物です、それは……私のフンドシですよ!」
「「「……はぁ?」」」
「昨日の夜に気がついたのですが、フンドシが50近く消えています!盗ったのは誰ですか!?今なら私特製の呪いをかけるだけで許してあげますから、名乗り出るですよ!」
「ド、ドライト……あなたねぇ!」
「そ、そんなくだらない物……ヒィ!」
シリカ達とキャロリン達は呆れていたが、セレナにディアン、龍神達とステラとルチルは怒りに燃えていた。
「わし等の孫の下着を盗む変態はボコボコにしてくれるわ!」
「今なら、楽に死なせてあげるわ?犯人は出てきなさい!」
「逃げおおせると思うなよ!地の果て……いや、世界の果てまで追ってやるぞ!」
「ふふふ……?時間が経てば経つほど、罰は重くなるわよ?」
「あらあら……名乗り出ないのかしら?なら、全員裸になってもらって調べましょうか?」
「変質者め……噛み殺してくれるわ!」
「「これでバラバラにするよー!」」
カンカンに怒っている中で、ステラとルチルはお気に入りになった青龍刀を振り回しながら飛び回っている。
「ユノガンド様、メルクルナさん、身に覚えがあるようですね?」
「い、いや違うのじゃ!確かにフンドシとか言う、お主が身に着けている物と同じ物を身に着けているが!」
「私達の部屋に置いてあったのよ!新しいタイプの下着を作ったから、私達にドライトさんがくれたのかと思って!」
「ユノガンド様、メルクルナさんの部屋に?」
「うむ、試しに着けたら中々の履き心地での?もっとないかと思っておったら、部屋の備え付けられたタンスの中に有ったから、メルクルナと分けたのじゃ!」
「そーそー、でも50も無かったわよ?有ったのは30位かしら?」
「うむ、そうじゃったな……アンジェ、お主何処に行く?」
アンジュラどうやってか、ヌーマの手の内から逃げ出して部屋から出て行こうとしていた。
「妻の務めとして……洗ってあげた……ついでに保管もしてあげただけ……!」
「……なるほど、アンジェ姉さんは少しずつ盗んでいたのですね、それを予備の部屋に隠しておいたら、ユノガンド様や祖父ちゃん祖母ちゃん達が来て、ユノガンド様と同じ部屋になり手狭になったメルクルナさんが2人部屋……隠しておいた部屋に移ってしまって、回収できなくなったのですね」
そう言いながら、ドライトがアンジュラを見つめているが龍神達もセレナにディアンもアンジュラを捕まえようとしない。
しかも……
「あ、あれ?アンジェ姉さんを捕まえてください!なんで納得しているのですか?」
「妻の務めだからのぅ……」
「そうねぇ……」
「良い嫁じゃな!」
「ドライト、良いお嫁さんを貰ってよかったわね」
「隠したのはまずいけど、妻の務めならしょうがないわね」
「ドライト?良い嫁じゃないか?」
「「わたちたちも、あらってあげようか?」」
そう言って褒め始めてしまったのだった!
「私の大事なフンドシを盗んだのに、お咎めなしとは納得いかないです!」
「ってか、お前普段からフンドシなんか着けてないじゃねぇか!反省しろ!」
「ドライト?悪ふざけはいい加減にしなさいよ?」
「ドライトさん?もっと叱ってもらいますわよ?」
「ドラちゃん……もっと洗ってあげるね……?」
「……やっぱり納得がいかないですよ~!?」
こうして、アレクスの送迎会は終わり、ドライト一行は学園都市に向かうのだった!
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