子龍編 アレクス観光 激突編

むぅ……少し前から祖父ちゃん祖母ちゃん達の所に居る気配は感じていたが……何故ここに来たんだ?


【メルクルナさんの危機だとでも思ったんじゃないですか?】


ふん!なんにしろ、メルクルナには罰を受けてもらうぞ、!それに、ユノガンド様も許さん!


【そうですね、上映もここからが面白かったのに、止まってしまいましたし……】


ああ、祖父ちゃん達との計画もメルクルナのせいで遅れが出るのは間違いない……この落とし前はメルクルナのボスである、ユノガンド様に取ってもらう!


【む!?酢球が解除されそうです!】


おおお!原始の神とは言え負けん!負けんぞぉ~!


【ドライト様、戦闘サポートを開始します!】




酢球に入り込んでいるユノガンドは中でゴボゴボ言いながら、暴れている。

だが俺は解除せず、さらに解除されない様に意識を集中して抵抗していると……


「こ、このデブ龍!ユノガンド様になんて事してんのよぉぉ!」


メルクルナが殴りかかって来た、俺はそのパンチを猫特有のしなやかさでヒラリと避ける!


「にゃおーん!」


「ギャアァァァ!こ、この!」


俺がお返しに猫パンチを放つと、メルクルナは必死になりながら回避してファイヤーボールを放つ!

ユノガンドの入った酢球に向けて!


[ドゴーン!]


「あんぎゃあぁぁぁ!?」


「へ?な、なんであんな威力に!?」


ファイヤーボールが酢球に着弾すると大爆発を起こして、酢球は破裂した。


中に居たユノガンドを巻き込んで……


「ちょっと、メルクルナ!こんな時に下剋上しようとしなくても良いじゃないの!」


「ユ、ユノガンド様ピクピクしてますわよ!?」


「でも、中々の威力のファイヤーボールだったぜ!」


「自分のボスに……攻撃するなんて根性有る……!」


「ちょ!私は酢球を解除する為に、威力を落としたファイヤーボールを放ったのよ!

ユノガンド様を攻撃するつもりなんか無かったわよ!」


「それにゃら私が威力を上げてあげたにゃ!中々の威力になったにゃ!」


「こ、このアホー!」


「メ、メルクルナ、こ、この槍を使うのじゃ!」


ドライトはメルクルナの放ったファイヤーボールが威力不足とみて、親切にも強化してあげてたのだったが、メルクルナは気に入らなかったようでドライトに向かってつかみ掛ろうとした、すると腐っても原始の神であるユノガンドがなんとか復活すると、メルクルナに槍を渡し自分は剣を構えるのだった!


「ぬぅおりゃあぁぁぁ!」


「ハァ!そりゃそりゃそりゃ!」


「にゃ、にゃにゃ!?」


ユノガンドが剣を振るって攻撃してくる、そのサポートとしてメルクルナは槍を繰り出してきた、俺はなんとか避けるが、反撃できずに飛びのく。


「流石は原始の神にゃ!それにメルクルナさんの攻撃もますます鋭くなってるにゃ!」


「ええぃ、器用に避けやがって……ってかにゃーにゃー言うの止めろ!」


「そーじゃ、そーじゃ!龍の姿のまま言われても、嬉しくとも何ともないのじゃ!」


「ユノガンド様、そう言う事じゃ……」


「な、なんじゃ!猫の姿でにゃーにゃー言うから、可愛いのであって龍の姿で言われても可愛くとも何ともないのじゃ!」


「隙ありにゃ!にゃにゃにゃ!」


ユノガンドとメルクルナが揉めた隙に、ドライトは急接近して爪を振るう!


[スパスパスパ!]


「……わ、わしの神器があぁぁぁ!?」


「……う、嘘でしょおぉぉぉ!?原始の神の神器なのにいぃぃぃ!」


ドライトの爪により、剣と槍は綺麗にバラバラにされてしまう。


「にゃはははは!いい気味にゃ!追撃を食らうがいいにゃ、にゃにゃん!」


ドライトは猫らしく高く飛びあがると、ユノガンド達の頭の上で一回転する。

ユノガンドとメルクルナは爪を警戒していたために反応が遅れ……かかと落としをもろに食らってしまった!


「「ぶふぉ!?」」


「き、汚いにゃ!2人共鼻水を噴き出したにゃ!」


「だ、誰のせいだと!」


「お、お主、原始の神に……わらわに鼻水を噴き出させるとは何事じゃ!」


かかと落としを食らった衝撃でユノガンドとメルクルナは鼻水を噴き出してしまい、ドライトは汚いと言いながら距離をとる、するとそこに……




「こら!ドライト、止めなさいな!」


「ドライト、ユノガンドは一応は原始の神なのよ!止めなさい!」


「あ、祖母ちゃん達にゃ!ステラとルチルを久しぶりに抱っこしてあげるにゃあ!」


龍神であり、ドライトとステラとルチルの祖母である、レムリアとヌーマが2メートル位の姿で揃って飛んでいた、背後には何故かボコボコにされたガンジスとモリオンも居たが……


「「ばあちゃ~、だっこ~!」」


「おお、重くなって……」


「ステラとルチルもどんどん成長しているわね!」


ステラがレムリアに、ルチルがヌーマに飛び付くとレムリアとヌーマはデレっとして、抱っこしてあやし始める、そこにユノガンド達が文句を言った。


「お主等!止めるならちゃんと止めるのじゃ!……ぎゃ~!こっちに来るなと言うておろうが~!」


「レムリア様、ヌーマ様、お助け下さいぃぃ!……ちょ、ユノガンド様!ドライトさんをこっちに誘導しないでくださいよ!」


デレデレしながら、ステラとルチルを抱っこし始めたレムリアとヌーマの意識がそれた隙をついて、ドライトが猫パンチと猫キックを鼻水が止まったユノガンドとメルクルナに放ちながら追いかけている、それに気がついたレムリアとヌーマだったが、


「「今は孫を抱っこするのに忙しいから、少し待ってて」」


そう言われてしまった。


「人で無しい~!」


「お助けなのじゃ~!」




結局、レムリアとヌーマが何時まで経っても止めないので、セレナがドライトを抱っこして止めて、今は大人しくしている。


「た、助かった……」


「わ、わらわの神器がバラバラに……」


「情報の漏えいの罰にゃ、いい気味にゃ!」


「ドライト、そろそろにゃーにゃー言うのはお止めなさいな」


「母様、でもまだ止めを刺せていないですよ?

それに猫拳法はにゃーにゃー言わないと、威力が半減……したりはしないんで普通のままでも問題ないんですが」


ドライトがそう言うと、ユノガンドとメルクルナだけでなく、シリカ達も「なら普通に喋れ!」っと怒っている。


「雰囲気は大事にゃ!」


「ドライト、お止めなさい」


「はい、母様……」


そして落ち着いたユノガンドがセレナの側まで来る。


「しかし、こやつとんでもない奴じゃ、それにあの酢球は軽く考えていたんじゃが本気で酸っぱいし痛かったのぅ……」


「父様用のもありますが、食らってみますか?」


「「「止め(るのじゃ!て!なさい!)」」」


「何事も経験だと思うのですが、まぁ良いです、祖父ちゃん祖母ちゃん達お久しぶりです!

それに初めましてユノガンド様!私が……野良子竜のドライトですよ!」


「わらわまでだませると……子竜になっとる!だまされたのじゃ!」


どうやら、ユノガンドの鑑定も欺かれたようで、ドライトのステータスは貧弱で種族は子竜になっているようだ。


「ふぅ……少しだけ満足したわ!」


「もぅ、2人とも可愛くて可愛くて……」


レムリアとヌーマはステラとルチルを抱っこしたまま、やってくる、やっと少しは満足したようだ。


「お、おお!レムリア!ヌーマ!こやつを叱るのじゃ!わらわは原始の神なのじゃぞ!敬うべきなのじゃ!」


そう言って、ツルペターンな胸を反らして踏ん反り返るユノガンドをメルクルナが「ユノガンド様、ステキです!」っとヨイショしているのをレムリアとヌーマはチラっと見ると、ドライトの前に立って言った。


「ドライト?敬うのはどうでも良いけど、一応は原始の神なんだから手加減してあげなさい?」


「そうよ?ユノガンドはバカなんだから、おだてればどうにでもなるんだからね?」


「お、お主等あぁぁ!?」


ユノガンドはキーキー文句を言っているが、レムリアとヌーマは「それよりも、ドライト?」っと真面目な顔で怒り始める。


「ガンジスとモリオンが喋ったわよ?」


「新結界術を秘匿していた理由……まったくなんて事をしようとしたの!」


そう言って、ドライトを2人して叱り始めた。


「ん?なんじゃ?お主等、わらわと一緒で可愛がっているメルクルナの危機に駆け付けたのじゃないのか?

それに、新結界術をわらわ達に黙ってた理由?なんじゃそれは?」


ユノガンドがそう言うと、メルクルナだけでなく全員が不思議そうにドライトを見る、レムリアに「あなたからお話しなさい」と言われて、ドライトはしぶしぶ理由を話し始めた、ガンジスとモリオンはドライトの横に正座させられている。




「ううう、祖母ちゃん達が言うなら、仕方がありません……

新結界術を秘密にしていたのは……今度祖父ちゃん達とリヴァイアサンさんと一緒に原始の神々や龍神達にカチコミをするためだったんです!」


そうドライトが言うと、流石にユノガンドとメルクルナにセレナやシリカ達も驚いている。


「な、なんじゃお主!それにガンジスとモリオンもリヴァイアサンも……原始の神々や他の龍神達と戦争をしようと言うのか?良い度胸じゃ!受けて立とうぞ!?」


「ユ、ユノガンド様!落ち着いてください!それに新結界術の全貌掴んでないんですから、私達……ユノガンド様達が不利です!」


「う!……ん?メ、メルクルナ、お主サラッと自分は関係ない位置に逃げなかったか!?」


「キノセイデスヨ!ツヅキヲ、キキマショウ!」


「お、お主……!なんにしろ全部喋るのじゃ!」


ユノガンドはメルクルナを疑わしい目で見ているが、とにかくどう言う事か聞く事にしてドライトに向き直る。


「私達は知ってしまったんですよ?……ですから、この計画には祖父ちゃん達だけでなく、リヴァイアサンさんや他の一部の龍神達に、原始の神々にも協力者が居るのです!」


「な、なんじゃと龍神達に原始の神々の中にまで!?

い、一体お主は何を知ったのじゃ!我等に戦争までする様な秘密なんぞ無いぞ!」


「色々な世界の美味しい物や珍しい物の一部を、一部の原始の神々と龍神達が共謀して秘匿していますよね?」


「それ以外では秘密は無いのじゃ!」


ドライトが語ったカチコミの理由を聞いて、全員が呆れると共にこんな事で神々の戦争が起きかけた事に呆然としていると、


「……ちょっとユノガンド、どういう事?」


「……私達もそれは聞いてないわよ?」


「ま、待てレムリアにヌーマ!この様な理由で、神々の戦争を起こすべぎではないぞ!」


レムリアとヌーマがユノガンドに詰め寄っていると、メルクルナがボソッと言った。


「でも、私達も島オコゼの情報とか流してないわよね……」


「メルクルナ……お主今なんと言った?」


メルクルナはハッとした表情をすると「ヤバ!」っと言って、ドライトの影に隠れるが自分の主神であるユノガンドには情報が筒抜けだった為に、全部バレてしまった。


「な、なんじゃと!超絶美味い白身の魚……!?それ以外にも秘匿しているグルメ情報がこんなにも……

そ、それにリヴァイアサンが原始の神々の一部と創った養殖世界!?

美味い物を途切れずに食べれる様に、新世界を創って養殖までしているじゃと……!戦じゃ……!全面戦争じゃ~!」


「バレたのなら仕方がありません!全面戦争をして勝った方が情報の全てを握るのですよ!

グルメ同盟に警報!情報を隠していたケチなアホ共にバレました!戦争に突入ですよ!」


ドライトとユノガンドがそう言うと、数百万、数千万の映像が浮き出て、それぞれがお互いを「ケチな奴らめ!」や「楽しみを自分達だけで独占した罰だ!ボコボコにしてやる!」等と言い合いが始まった。


ユノガンドも力を完全に開放し始め、ガンジスとモリオンだけでなくレムリアとヌーマも「「私達にまで黙ってるなんて許さないわよ!」」っと100mを超える姿になりながら、力を完全に開放させ始めている、周囲は凄まじい力の奔流が荒れ狂い始めシリカ達やアンディ王太子達も大慌てで、近くの物にしがみついている。

そして、ユノガンドが近くに転移陣を出すと、次々と原始の神々や龍神達が現れるが、ドライトも近くに転移陣を出してグルメ同盟軍側の原始の神々や龍神達が現れる、ついでにドライト軍団もドシドシ戦列を組んで現れた。


メルクルナは自分の発言で戦争に発展しそうなので、


「止めて!私のために争わないで!」


っと言っているが、シリカ達に


「確かにメルクルナのためって言うか、あんたのせいで争ってるわよね!」


「メルクルナさん!あなたのせいなんですから、責任もって止めるのですわ!」


「ハハハハハ!戦だ、戦争だ!理由がアホすぎるけど暴れられる……メルクルナに感謝だぜ!」


「……命名……メルクルカーニバル!」


と言われている、2人ほど別の事を言っているが……

そして、それを、戦争を止めたのはキャロリン達だった。


「あ、あの!お、お互いの情報を出し合えば良いのでは……!」


「だよねぇ、その方が美味しい物とか珍しい物が充実するんじゃ……」


「そうねぇ……パーティーとかでも、レシピとか持ち寄れば良いパーティーなる事が多いですから」


「戦争すると、結構情報が消える事有りますから、再現できなくなる料理とか有るんじゃ……」


「いやあの方達なら、復活させる事が出来るんじゃない?……何年かかるかは解らないけど」


そう言われて、原始の神々や龍神達の全てが固まってしまった。




今回の1件はお互いに水に流す事に決まり、何故かユノガンドの神都メルクに情報管理センターを設立する事になって、原始の神々や龍神達は解散した。


「……平和が1番ですね!」


「……うむうむ、平穏な世の中こそ我等が望む物じゃ!」


「「「お前らが言うな!」」」


全員に突っ込みを受けているがドライトもユノガンドも全然こたえた様子も無く、お互いに挨拶する。


「なんにしろ、わらわがユノガンドじゃ!皆の衆、よろしく頼むぞ!」


「初めまして、ユノガンド様……ところでなんで急に来たんですか?

神都メルクに来ていたのは感じていたのですが……」


「むぅ、流石に鋭いのぅ……っと言うかドライト!お主、我が眷属神たる、メルクルナをあそこまでボコボコにしておいて、何を言うか!?」


そうユノガンドが言うと、ドライトだけでなく当のメルクルナまで不思議そうに言う。


「「ボコボコ……?」」


「ドライト、メルクルナを殴って、吐血させたじゃないの」


「流石にあれはやり過ぎですわよ……」


「ってか、メルクルナ、まさかお前、自分の事で忘れてたんじゃ」


「……ぷふ!……ワロス!」


ユノガンドやシリカ達に睨まれて、ドライトもメルクルナもあの事か……っと納得している、アンジュラは笑いを堪えて、は、いないで笑い転げてる。


「な、なんじゃ!お主は何が面白いんじゃ!」


アンジュラの反応にユノガンドとシリカ達は驚いていると、ドライトが言ってきた。


「あ、あれは血なんかじゃないですよ……動き過ぎて気持ち悪くなったのと当たり所が良くって吐いた昼に飲んだトマトジュースですよ?」


「「「はぁ!?」」」


ドライトにそう言われて、シリカ達がメルクルナを見るとすでに姿は無く、通りの向こうでユノガンドに捕まって踏みつけられていた。


「お、お主、そう言う事ならもっと早く言わんか!」


「き、聞かなかったユノガンド様が悪いと思います!」


「なんじゃと!このこのこの!」


「ふんぎゃあぁぁぁ……あれ?痛くないわ!」


「そりゃ、小柄なユノガンド様に踏まれても痛くないでしょうにゃにゃ!」


[バチバチーン!]


「「あんぎゃあぁぁぁ!」」


ドライトがセレナに抱かれたまま、猫パンチを放ったようで、2人はヒットした尻を抱えて転げまわっている。


「こらドライト!お止めなさい!」


「セ、セレナ殿……放つ前に止めてくれんかの」


「い、いでぇぇぇ……なんつー威力だ……」




「そんな事よりも、なんでユノガンド様は居るんですか?

他の世界の管理で忙しいんじゃないんですか?」


「そんな事って……そ、そうだったわ!ユノガンド様!なんでいらっしゃったのに言ってくれなかったんですか!?

他の世界の管理で忙しいって……お姉さま方や妹達はどうしたのですか!?」


「う!……い、慰安じゃ!たまにはゆっくりと休んで、レムリアやヌーマと遊ぼうと思っての!」


そうユノガンドが言うが、メルクルナだけではなく、シリカ達にセレナとディアンも疑わしそうにして、ガンジス達を見る。


「う、うむ、実はいきなり来ての?少しの間泊って行くと言って、レムリア達と管理制御室で何かをしていた様なのじゃが……」


「最初はグルメ同盟の情報が洩れて、探りに来たのかと思うたが、力を抑えてコソコソしていたしのぅ……」


「はぁ……ドライトさんは理由が分かる……って分かる訳ないか……」


「分かりますよ?」


「そうよねぇ……いくらドライトさんでも……ん?分かるの!?」


「ええ、ここに来たのは予想外でしたけど、神都メルクに来たのは仕事が嫌になってバックレて来たんですよ、流石はメルクルナさんの主神ですね!思考とか行動原理がそっくりです!」


そうドライトに言われて、ユノガンドはバツが悪そうにしている。


「ユ、ユノガンド様!あなた様は原始の神であり、様々な世界の維持管理にかかわっている方なのですよ!

寝る間も惜しんで働かなくってどうするん……適度な休みは必要ですよね!」


メルクルナはアスモデルでも思い出したのか、途中で意見を変えていた。


「でも、ドライト、ならなんで神都メルクに居たの?逃げて来たならどっかに隠れてれば良かったじゃない?」


「ああ、暇だったって言うのもあるんですが、自分の気配や力を隠してれば、祖父ちゃん祖母ちゃん達の力と気配の中に紛れて捜索隊から逃げれるからですよ……変な所で頭が良いのもメルクルナさんとそっくりですね!」


ドライトにそう言われて、ユノガンドは「頭が良いなどとあまり褒めるでない……」っと照れてメルクルナは「ユノガンド様とそっくりだなんて……ドライトさんも褒め上手なんだから!」っと照れていた。

そしてそれを全員で生暖かく見守る事しか出来なかったのである。


「いや、それよりも私は祖父ちゃん祖母ちゃん達が来た事の方が驚きですよ」


「な、なんじゃドライト!わし等が来たのが嫌じゃったのか!?」


「そ、そんな……ドライト!嘘よね?おじいちゃんとおばあちゃんの事大好きよね!?」


「しょ、所詮は爺と婆じゃったと言う事か……ううう……死ぬか!」


「そ、そう言えば、ステラとルチルは抱っこさせてくれたけど、ドライトはメルクルナとユノガンドと遊んでいたわ……憎い!あの2人が憎いわ!」


そうヌーマが言って4人でユノガンドとメルクルナを恨みがましく睨み始めた。


「ひいぃぃぃ!そ、そんな目で見るでないわ!」


「マ、マジで呪われそうなんですけど!」


するとドライトが慌てて言う。


「ち、違いますよ!今までもこれからも、祖父ちゃん祖母ちゃん達の事は大好きですよ!

そうじゃなく、責任感が強い祖父ちゃん祖母ちゃん達が世界樹の守りと、天使達を指揮して世界の維持管理をする仕事を、放り出してくるのはおかしいと思ったのですよ!」


そうドライトに言われて、ガンジス達は大喜びでドライトを抱っこしようとして、1人しか抱っこできないのに気がつき、全員でドライトを撫でまわす事にして、なでている。


「それなんじゃが、ユノガンドがメルクルナの元に転移してすぐに眷属神達が来ての?」


「ジェード達、メルクルナの眷属神達と意気投合して今は管理しておるぞ」


「世界樹の方はリヴァイアサンがいきなり来て、世界樹は私が守る!って息巻いてるわ!」


「リヴァイアサンの娘が妊娠したらしくってね?それが娘さん今まで気がついてなかったのよ、それで慌てて巣作りとかするから手伝ってって、リヴァイアサンに連絡したらしくって……私達は助かったけど!」


そう言われて、ドライトも「なるほど」っと納得していたが、ユノガンドとメルクルナだけは焦っていた。




「あ、あいつら、ついに来おったか!」


「姉妹達が来てる……散々私の事をバカにしたあいつ等が……!」


そう言って戦々恐々としていたが、ドライトが言った事で2人は驚く。


「まぁ、世界の維持管理システムでどうにでもなりますし、ほっとけば良いですよ」


「む?ドライトどう言う事じゃ?」


「ドライトさん、なんとかなるの!?」


「はぁ、元々あの世界の維持管理システムなんですが、この世界だけを念頭に置いて造った物じゃないんですよ」


「む?わらわも見たが……この世界の管理しか出来んじゃろ?あれは」


「ええ、それはメルクルナさんの管理システムが入っているからですよ、ユノガンド様の管理システムを入れれば、ユノガンド様が管理している全ての世界が管理できるはずです」


「……え?それって私はどうなるの!?あそこが乗っ取られたら私はただの最上級神になっちゃうわ!

……あれ?それはそれで楽で良いかしら?」


アホな事を言っている、メルクルナはレムリアに叱られている、「ちゃんと働くのじゃ!」っと言った、ユノガンドはヌーマに叱られていた。


「何にしろ、ジェードさん達と意気投合したのなら、真面目な方達なんでしょう、天使族をサポートに着けて、あなた達はたまに見守っていれば良いのですよ」


「ドライト、あなた急に協力的になったわね?」


「いや、実はですね?リヴァイアサンさん達が創った養殖世界があるじゃないですか?あそこの管理していたのリヴァイアサンさんなんですよ、リヴァイアサンさんが世界樹の守りに就いたと言う事はあっちの管理は今誰もしていないですから、ついでにやってもらおうかと……私ですか?私は実験で忙しいのです!」


そう言って、ドライトはプンプン怒っているがシリカ達は呆れている。


「メルクルナさんはユノガンド様の御目付け役って言う事で、一緒にそこら辺をフラフラしてれば良いんじゃないですか?」


「な、なんかボケ老人のような扱いされてる気がするんじゃが……」


「ユノガンド様!なんにしろ遊び倒しましょう!休暇ですよ、バケーションですよ!」


メルクルナはユノガンドと一緒に居れるのが嬉しいのか、はしゃいでいるがレムリアとヌーマに「「私達が監視するからちゃんと働いてもらうわよ?」」っと言われて、ユノガンドと2人してがっくりしている。


すると、そこにステラとルチルが来て、ドライトにお願いをした。


「「にーちゃ、さっきのつづきみたい~……アホトロンたちはどうなったの?」」


「ああ、本当はキャロ達やマクルイエ都市長達を驚かせて、ビックリした表情を撮影しようと思っていたんですが、それよりも衝撃的な事が起こったんでちゃっちゃと見ますか……」


ドライトがそう言って、上映を再開する、カーネリアは「く、くだらねぇ事を考えるなよ!」っと怒っていた。

だが、続きが始まると皆が驚いた。




ドライトが魔神と邪神の魂を封じ込めた宝珠をニコニコと見比べていると、死んだと思っていた下級の邪神の数体が突然起き上がり、隠し扉から全力で逃げ出したのだ。

ドライトはそれをチラッと見て、興味なさそうに宝珠に視線を戻す、だが、驚き慌てて邪神達が逃げた隠し扉を見直し。


「ま、まずいですよ!アラトロン達をここで待ち伏せするつもりでしたが……

くぅ、仕方ありません追いますよ!」


そう言って、慌てて飛び上がり邪神達を追いかけ始めた、そしてドライトが飛び去った後にアラトロン達が走り込んで来た。


「ハァハァ……な、なんだ?元の場所に戻ったぞ!?」


「い、いや、それよりもここでなんかあったのか?結構な力の残痕を感じるぞ?」


「ハァハァ……べトールそれよりも場所一緒だが通路が増えてる、どっちに逃げれば良いんだ!?」


「ま、まて……そっちはドライト様が居る、こっちだ元に戻るが仕方がない、行こう!」


「おお、全力で逃げるぞ!」


そう言って、3人は元来た道に全力で駆けて行ったのだった、、、


「この子達、どうやって逃げて来たのよ……」


「いや、この先が二股に分かれてまして、どっちに行っても、もう片方に出てくるだけなんですよ」


「ああ、だからドライトさんはここで待ち伏せしていたのですわね……」


「何にしろ、こいつら逃げるのだけは上手いよな、褒める気は全然無いけど」


「……ドラちゃんは……なんで移動しちゃったの?」


「そりゃ、邪神を追う為じゃないの?」


「バカじゃな、メルクルナ、ドライトの分身体はあっちこっちに居るんじゃぞ?分身体だけでも邪神ごときに遅れはとらんのに、本体が移動したと言う事は余程の事が起きたのじゃろう?」


映像が切り替わり、逃げている邪神を追うドライトが映る。


「ま、まずいですよ!急がないと、大変な事に……!」


ドライトはかなり焦っているのか、走るのではなく、珍しく飛んで物凄いスピードで邪神を追っていた。


「ドライトかなり焦っているわね?」


「ドライトさんが焦るなんて珍しいですわ……」


「うーん、焦るドラ公なんて本当にレアだぞ?」


「……なんかある?」


何にしろ、映像は早送りでドンドン進む、そしてある映像が映るとステラとルチルが叫んだ。


「「……あ!モンちゃんダメ!」」


「「「げ!デーモンイーター!?」」」


そこに映っていたのは、5mはある巨大な蜘蛛だった、ドライトがその蜘蛛を確認すると怒って叫んだ!


「こら、モンちゃん!拾い食いはダメですよ!」


その蜘蛛は不意を突いたのか、逃げていた邪神達を捕えて捕食しようとしていた。

蜘蛛はドライトに「キーキー!」っと鳴いて向かってくる、そして間近まで来ると……嬉しそうにドライトにすり寄ったのだった。


「ふぅ、まだ食べていませんね……ちゃんと食べて良いか確認する為に捕えて待っていたのですね、アホ共よりも頭がよくって良い子ですよ!」




ドライトはそう言うと、蜘蛛をなでまくる、それを見ていたステラとルチルも嬉しそうにしながら、亜空間の入り口を開いた、そして出て来た蜘蛛に飛んで行き、なで始める。


「キィー、キーキー!」


「モンちゃ~ん、いいこいいこ~!」


それを見ていたメルクルナとユノガンドが慌てる。


「ちょ、ちょっと!あれって辺獄に出るデーモンイーターじゃないの!」


「おおおぉぉぉ!?爵位級の悪魔ですら捕食すると言う、デーモンイーターが懐いておる!わらわは夢でも見ておるのか!?」


「……あれはモンちゃんですよ!ステラとルチルの可愛いペットです!変な事は言わないでください!」


そうドライトが言うが、その巨体や身に纏う雰囲気、それに決定的なのが背中にあるコウモリの羽の様な3対の文様、明らかに辺獄でデーモンを捕食すると言われるデーモンイーターと言う蜘蛛の子供だ。


ちなみに映像の中では、ドライトが一生懸命に後ろから押して亜空間に蜘蛛を押し込んでいる。

蜘蛛は悲しそうにキーキー鳴いているが、ドライトが「見つかったら、捨てられちゃいますよ!早く隠れるのです!」っと言うと、悲しそうに一声鳴いて亜空間の中に入って行ったのだった。


「デーモンイーターは無事討伐されました、え?そこに居る?何言ってるんですか!この子は……デーモンイーターに似たモンちゃんですよ!ステラとルチルの可愛いペットです!」


ドライトはそう言うが、ステラとルチルがさらに亜空間を開くと、


「「ほぉ~ら、おたべ~」」


っと言って、死んだ邪神達を取り出す、ドライトヒロシ探検隊に踏み殺された者だけではなく、先程の映像の中で生きたまま捕えられた者達も混じっていた。

それを嬉しそうに食べるデーモンイーターことモンちゃん、それを見ながらステラとルチルがドライトに言う。


「にーちゃ、これでとうちゃとかあちゃにきょかもらえる?あと、ごはんがもーすくないよ?」


「ううう、ドサクサ紛れて許可を貰う予定でしたが、この映像でもちゃんと言う事を聞く良い子だと認めてもらえるでしょう……あとご飯は後で召喚して捕えるので心配はないですよ!

っと言う事で、父様母様!良い子なんです!ステラとルチルのお気に入りなんです!飼う許可を!」


「……ちゃんと言う事聞いているようだな」


「……散歩とか餌とか責任もってやるのよ?」


「「と、とーちゃ、かーちゃ……?」」


ステラとルチルが恐る恐る、ディアンとセレナを見ると2人はうなづいたのだった。


「「やった~!モンちゃーん、かってもいいって!」」


デーモンイーターに抱き付いて、なで始めるステラとルチル、嬉しそうなモンちゃん、それを見てドライトは、


「ステラ、ルチル……それにモンちゃんも良かったですよ!」


っと涙を流しながら、喜んでいたが他の人達はドン引きしていたのだった。




「何にしろ、これを見せたかったのね」


「あ、あと、この後これを見つけるシーンが有るんですが……そこはカットします」


「なんですかこれは?」


「サルファ姉、これが魔薬ですよ!煮込めて圧縮している状態です!輸送しやすくしていたんでしょうね、取っておいたんですよ!」


「こ、こんなもん取っておくなよ!」


「……ドラちゃん……これだけ?」


ドライトの手の平にあるのは数個だけだ、アンジュラはそれに疑問を持って言ったのだろう、ちなみに1個手に取って食べてしまった。


「……良いお味」


「ほんと?おお!?」


「あら……意外と良いお味ですわ!」


「いや、シリカの姉御にサルファの姉御いきなりそんなもん食べるなよ、あ、本当だ結構美味いわ!」


アンジュラが食べたのに続き、シリカ達も食べて、セレナやディアンにユノガンドとメルクルナまでも我も我もと食べてしまった。


「ド、ドライト様!食べても大丈夫なのですか!?」


「シリカ様、吐き出してください!この様な得体の知れな物を口にするべきではないです!」


「サ、サルファ様、本当に平気なのですか……どんなお味なのか詳しく知りたいです、お教えしてください」


「リア様、本当に大丈夫なのですか……?気持ち悪くなったらすぐに言ってくださいね?」


「アンジェ様、私も……流石にダメですか」


キャロリン達は心配したり、興味津々だったりで忙しそうだがドライトが龍や神はこの程度は問題にもならないと言うと、キャロリン達は一様に安心していた。

そして、続けてドライトは言う。


「魔薬の作り方を知っていたのはアサグだけですね……まぁ私は作り方が解るのですが、私達や神々の秘密のおやつとして、限定してレシピを公開しようと思っていますよ!

あとアラトロン達、アホ共なんですが、まだ逃げていてですね……!?ステルス結界緊急展開!皆さん静かにしていてください!」


ドライトが突然全員を包み隠す様に、結界を展開すると静かにしている様に言う、そして通りの抜こうから顔を出したのは……




「ハァハァ……い、何時まで逃げてれば良いんだ……」


「ヒィヒィ……し、仕方がないだろ……捕まったらどんな目に合う事か……」


「ゼィゼィ……ク、クッソウ、ドライト様しつこ過ぎるだろう……」


アラトロン達アホ3人だった、そして通りの向こうからは、声がする。


「あのアホ達はこちらですか!?」


「地の果てまででも追うのですよ!?」


「絶対に逃がしませんよ!」


そう言ってドライトヒロシ探検隊が姿を現した、アラトロン達は慌てて全力で逃げだして、


[ドンドンドガ!]


「な、なんだ!誰か居るのか!ボコボコにするぞ!?」


「く、くっそう!誰だ!こんな所に隠れてやがってぶち殺すぞ!」


「オワタ……ははは……」


何かに激突した、アラトロン達……べトールだけは何にぶつかったのか気がついたようだ。

ガシっとアラトロンとファレグは何かに掴まれて動けなくなる、だか周りには誰か要る様に見えない、そこでアラトロンとファレグも異常事態に気がつき、汗をダラダラと流し始めた。

そしてステルス結界が解除されて姿を現したのは……20m程のサイズになり、右手にアラトロンを左手にファレグを掴んでべトールを踏んでいる銀龍の姿を晒したドライトだった。


「……どうも……お久しぶりですね!」


「「「ド、ドライト様……!」」」


「ふふふ……私達も居るわよ?」


「あなた達の活躍はよく見させてもらいましたわ?」


「ああ……度胸だけは抜群に良いな!」


「私達から……凄いご褒美を……あげる……!」


「「アホトロンたちを、おしおきするの~!」」


「私もドライトさんから手伝うよに頼まれてまして」


「おお……生きの良い奴等じゃな!わらわも、訓練の手伝いをしてやるから楽しみにしているのじゃ!」


そうドライトにシリカ達やメルクルナ達に言われて、アラトロン達は叫んだのだった。


「「「いっそう殺してくれえぇぇぇ!」」」




「あ、心配は無用ですよ?死んでも私が蘇生してあげますからね?」


「「「本気で勘弁してください!」」」


こうしてアラトロン達はドライトに激突して捕まったのだった!

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