幼龍編 再開

おおう!ド、ドライトさんだよ!


かゆ!マジでかゆい!なんなんこれ!?

だ、誰か尻かいてくれ!




『な、なんかに中ったのか?かゆかゆかゆ!』


【変な物食べてませんよ?】


『なんだこのかゆさ!?なんか外から変なの来てる気がする!?』


【んー、、、これ信仰じゃないですかね?】


『し、信仰?何このかゆさ、メルクルナの駄神信仰しろとか言うシグナルなの?滅ぼすぞあいつ!』


【違いますよ、ドライト様が信仰されているんですよ】


『はぁ?なんで俺が、、、レムリア祖母ちゃん関係か?かゆいかゆい!』


【かゆいのはドライト様が常時張っている結界を通ってきているので変な影響が出ているようですね】


『おおお、かゆい!1度解除して結界調整するか!結界解除!』


【あ】


『ん?、、、げ!隠蔽に潜伏も解けた!しかも母様達にバレた!』


『ドライト、あなたは何故王都に居るのです?』


『か、母様、ちょっとキャロに用事が有ってですね?』


『ドライト?あなたにも信仰が集まってるようね?』


『うん祖母ちゃん、なんか知らないけどさっきから急に集まりだしてさ』


『ちょ、ちょっと人の信仰をなにかすめ取ってるんですか!』


『メルクルナか?お前が信仰されなさ過ぎなんだよ!ってか、かゆくてかゆくて!』


『それで結界の調整のために、結界を解除したのですね、、、』


『ドライト!人間共に変な事されなかったか?なんなら、父が吹き飛ばしてくれるぞ!?』


『貴男、落ち着いてください、ドライト信仰された以外は特に問題ないのね?』


『はい母様、父様も大丈夫です』


『なら、早く帰ってきなさい、、、帰ったらお説教ですかね?』


『オロローン、、、あ、キャロに用があるのはあるんでそれだけは済ましてきます』


『祝福をやった者か?なんの用事だ?』


『チーズとか色々もらう約束してたんですけど、それ以外に祝福とステータスの事で大事な事を教えるの忘れてたんですよ』


『大事な事?ジェード達が心配してるけど問題あるの?』


『キャロには問題ありません』


『なら何が問題なの?』


『キャロはほぼ亜神化しているので模擬戦とかで軽い気持ちで剣ふっても、死体の山ができちゃうんですよ。

力の抑え方とか、祝福の隠蔽とか教え忘れてました』


『速く行ってあげなさいな、、、』


『はい、レムリア祖母ちゃん!

あ~かゆかった!』


『ドラちゃん、私達からも罰が有るから、、、許嫁を見捨てて逃げるなんて許さない、、、添い寝確定、、、!』


『それ罰なの!?』




こうして王都をフラフラしてるのがバレてしまったので俺はキャロの元に向かうのだった。




ここは王宮にある王の執務室、部屋の中には10数人の人達が居た。


中央の豪華な執務机に座る、威厳ある40代半ばの王冠を着けた男、その隣に冷徹な瞳で椅子に座る幼女を見つめる青年、親子だろうか?

2人とも銀髪に橙色の眼をしていて顔つきも似ている。


机の隣には長椅子に座る美女とその傍らに立つ美女、2人とも金髪にブルーの瞳で30代半ばの気品ある美しい女性だ。

不思議な事に王妃の冠を着けた女性が立っている。


そして、机をはさんだ逆側には双子だろうか?顔つきがそっくりで金髪にブルーの瞳の10歳ぐらいの少年と少女が立っている。


さらに周りに軍を統括する大元帥、大賢者の称号を持つと言われる宮廷魔導師長、王国の全ての騎士の上に立つ騎士総長に、筆頭公爵などそうそうたる 面子だ。


皆が王の前に座る美幼女キャロリンを見つめ、その言葉に耳を傾けている。




「ドライト様は、確かに私にも加護みたいな物がついたとおっしゃっておりました!」


すると国王の隣に立つ男、アンディ王太子が声を荒げた。


「キャロリン!私が言っているはそう言う事ではないのだ!」


「お、お兄様、確かに私は国宝であるテレサ様の装備と龍の目を持ち出してしまいました、この罰はいかようにも、、、」


「だまれ、キャロ!やはり私が言っている事を理解していないではないか!」


キャロリンの兄であるアンディ王太子は公式の場であるのにもかかわらず本気で怒鳴りつけてしまった。


「お兄様、、、」


キャロリンは兄が本気で怒ってるとしり悲しくなった、しかし確かに国宝であるテレサの装備とオリジナルの龍の眼を持ち出してしまうというとんでも ない事をしでかしてしまったのだ、次期国王で責任感の強い兄を激怒させてしまうのもしかたがない事だとキャロリンは考え涙ぐみ黙り込んだ。


するとアンディはため息をつきながら、キャロリンに語り掛けてきた。


「キャロリン、、、もう一度聞くよ?テレサ様の装備をつけて飛竜の長に会いに転移陣から始まりの地の砦に行ったんだね?」


「、、、はい、アンディお兄様」


その返事を聞いたアンディは冷酷に目を細目て光らせた。


「聞いた通りです、、、これは大問題ですよ、、、」


するとキャロリンの母である、エレイン側妃がアンディに嘆願する。


「アンディ王太子殿下、すべて私めが悪いのです、病弱な私を思いキャロはこの様な行動に出てしまったのです、罰するなら私を罰してくださ い、、、!」


「エレイン母上、、、貴女もこの問題の重要な部分が分かっていないのですね、、、」


そう言い嘆息すると、エレインとキャロリンや重臣達にアンディは語りかけた。




「良いですか?キャロリンはテレサ様の装備を身に着けて、砦に向かいました、、、

そして、ここで大きな問題になるは、、、

キャロが可愛いと言う事です!」


キャロリンとエレインは思わず聞き返す。


「「はぁ?」」


「ただでさえ天使も土下座で謝るほどの可愛さのキャロが国宝でテレサ様の美しい装備を身に着けて砦に行けば独身で女気の少ない、砦の兵士達はキャ ロをどんな目で見ると?」


すると黙って腕を組み聞いていた、金髪にブルーの瞳を持つライアン、第2王子のライアン王子が声をあげる。


「ま、まさかキャロの事を卑猥な目で見たとでも!?」


そして同じ色の髪と瞳の双子の姉、アリーア第1王女が声をあげる。


「ライアン!間違いないわ!キャロの可愛さに逆らえる者は居ないのだから!」


だがそこで貴族の代表でもある公爵家筆頭で現王の叔父にあたり宰相の席に座る、ケビン大公が声を荒げ止めに入る。


「えぇい黙れ!その様な事はどうでも良い!それよりもキャロに本当に加護が付いたかが問題だ!」


それに賛同する様に宮廷魔導士長と騎士総長が発言する。


「確かに、、、キャロリン様がおっしゃられているのですから真実なのでしょうが、、、」


そう言い魔法が苦手とされる獣人、虎人でありながら宮廷魔導士長に上り詰めた、マンフレッドが龍の眼を手にして言うと、また鑑定を発動して首をひ ねる。

そして、騎士総長であるエルフの少女のティアがアンディに対して、


「そうです!アンディ様!キャロ様を卑猥な目で愚か共など何時でも皆殺しにできるのです!今はキャロ様に加護がついてより幸せになったかが重要なのです!」


「む、、、そうだな大叔父、ティナ、一番大事な事を忘れていたのは俺だったようだな、、、」


そこにアンナ王妃が発言する。


「でもでも、キャロちゃんを卑猥な目で見たアホ共を罰するのも大事だよ!私はまずできる事からするのが大事だと思う!」


このに発言に国王である、ステファンス王が賛同する。


「流石は王妃だ!たしかに鑑定でキャロのステータスが見えない以上、出来る事からするのが大事だな!軍令と出陣の命令書は出来ている、軍を招集す るのだ!」


皆の発言にエレインとマンフレッドは頭を抱え、キャロは何を皆が言っているのか分からない様子だった。




そう、集まった10数人のほとんどがアホだったのである、、、

もし、ドライトがここに居て話を聞いていたらこう言ったであろう、


「よく滅ぼないなこの国、、、」


っと、、、




キャロリンはため息をつき、出来る事ならドライト様にもう一度会えないかと思ってしまう。

キャロリンは王宮に帰ってすぐに実母である母、エレインの元に向かい


「お母様!私にもとうとう龍様の加護みたいな物がつきました!」


っと報告していた。

報告を聞いた国王や王妃、兄妹達は喜びすぐにマンフレッドに鑑定させたのだが、、、


結果がこれだった。




名前 ジェード・レムリア・キャロリン


種族 人族かも


状態 めっちゃ健康やでぇ!


ステータス


HP   か


MP   っ


STR  て


DEX  に


VIT  見


INT  る


AGI  な


MND  !


LUK  w


スキル  凄いよ!


称号   ヒャッハー!




最初にこの鑑定結果を見た皆が呆然としたのは当たり前だが、キャロリンがウソをつくような子ではない事を知っている皆は何故こんな結果になったのかわからなく混乱してしまったのである。


これはドライトが一応は偽装しとこうと偽装をかけた結果なのだが、すぐに消えると予想していたリュージュの考えに反して、いまだに偽装は効果を発揮していたのである。


何故ドライトが離れたのに効果が消えないのかと言うと、加護よりも上位の祝福をつけた事でドライトとキャロリンにつながりのような物が出来て、魔 力がドライトから供給されて消えないのであった。


そう、、、ドライトとリュージュは、なんか魔力が流れてるけど微量だから良いや!っとほっといて忘れていたのである!




ああ、、、ドライト様、、、本当に私に加護をお授けになってくれたのでしょうか、、、?


そうキャロリンは考えながら天窓を見上げると、、、灰色のベビードラゴンが身動ぎしながら横切って行った、、、


「えぇ!?」


驚き声をあげると周りの皆がキャロどうした?っと見てきてエレインが声をかけようとした時、


「陛下!陛下!」


っとノックも無しにドアが開かれ、竜騎士と近衛騎士に宮廷魔導士の部隊長達が飛び込んで来た。


「何事だ!騒々しい!今は可愛いキャロについて重要な会議をしている途中だぞ!」


ケビン大公は可愛いキャロの大事な会議をしている最中に乱入してきた愚か者達を怒鳴り付けた。


しかし、流石に王宮で王族の警護に就いてる者達である、怯むことなく報告を始めた。


「ケビン大公閣下!一大事なのです!」


「り、龍様が!」


「ドライト様が王都に来られている様なのです!」


「「「な、なんだと!」」」


王と王太子に大公は驚愕の声をあげ、他の者達は言葉を失ってしまっていた。


そんな中でキャロリンだけは感動していた。


『私を救いにまた来てくださった!』


そう考え、先ほど見たのはやはり幻ではなくドライト様だ!っと考え探しに行くべく扉から出ようとそちらを見たが、無作法でも庭を抜けた方が速いと思い直し、庭に視線を向けると、、、


ドライト様がメルクルナ様の像にお尻を擦り付けていたのだった。




『ふぅ~メルクルナもたまには役に立つな!』


【そうですね!かゆみはおさまりましたか?】


『ああ!しかし、結界を何度張り直しても一時的にしか治らないな?』


【みょうですね?ちゃんと影響が無いように結界張り直されてますが、、、】


「ドライト様!」


【あれ?キャロリン様がいらっしゃいますよ!】


『おお!丁度良いな!俺は用済ましちゃうから、リュージュさん結界と信仰のチェックよろん!』


【受けたまりました】




キャロリンが俺を見つけて走りよってくる、その間も俺はメルクルナの像の顔に尻を押し付けて擦り付けていた、すると、、、


「き、貴様!いくら龍様とはいえ、メルクルナ様に失礼だろうが!?」


っとケビン大公が怒ってきた、その時にリュージュさんが報告してきた。


【ドライト様、確認しました!

メルクルナ様が信仰を取り戻そうと信仰の流れにちょっかいだしてます!】


『な、なんだと!あの駄神め!』


そこで俺は尻を擦り付けている像を見る、それはジェード達がドラゴンロードを討伐し、メルクルナが王権の象徴たる王冠を被せようとしているシーンだった。


俺は偽装を解除し、光輝く銀色の龍の姿に戻りそしてメルクルナを強制的に呼び寄せる、ついでにジェード達も神になれた事を報告したいだろうからと、呼び寄せてあげた。


ジェード達は忠実に造られた像だがメルクルナは美化が激しいので直してあげながら、、、


『俺ってば親切だな!』


【流石はドライト様です、慈愛に満ちてますね!】


『ちょ!なんで私だけ劣化させてるのよ!?』


『フハハハハ!神のクセに人々に偽りの姿を見せようなどと笑止千万!そーれ強制召還&強制受肉~!』


『いやぁぁぁぁ!』


こうして親切な俺は、この300年まともに寝ていなく疲れはてている状態のメルクルナを召還してあげたのだった。




私がドライト様に気がつき急いで庭に出て走りよると、ドライト様が一生懸命になりながらメルクルナ様の像の顔にお尻を擦り付けていた。


それを見たメルクルナ教の信者であるケビン大叔父様が、ドライト様に怒鳴り付けた次の瞬間ドライト様が光輝き銀色の龍の姿に戻ると凄まじい力を発揮したのを感じた。


ドライト様を怒らせてしまった!?


そう思った私は赦しを乞おうとしたが凄まじい光の放流を浴びて目をつぶる、光が収まったのを感じたので恐る恐る目を開くとそこには、10数人の人達が居ました。


そしてその中心に絵画や彫刻でしか見たことの無い人物、女神メルクルナ様がこちらを見て微笑んでいたのです。

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