幼龍編 VSメルクルナ
私はこの世界の管理神、女神メルクルナ。
最近上級神に昇格し優秀な部下も増えた、まさに神生は順風満帆だ!
しかし、突然強制的に召喚されジェード王国の面々の前にジェード達と連れてこられた、しかも300年眠っていなくボロボロの状態でだ。
それをした元凶は目の前で羽をパタパタっとぱたつかせ、こちらを威嚇しているつもりなのか両手を高く上げ片足を上げた姿をこちらに見せつけてくる。
私は1度、ジェード王国の者達に顔を向け、微笑むと剣を抜き、威嚇してくる者に斬りかかる。
するとソレは剣をかわそうとするが避けきれずに剣に切られる。
「いたいでしゅ!」
っと声をあげるソレを見ると痛いとは言いながらたいしたダメージは与えていないようだった。
私はソレを忌々しく見つめ剣を構えなをす。
ソレは銀色の幼龍、、、
そう私は、ドライトさんと戦う決意をしたのだ。
「この無礼な幼龍が!目に物見せてくれるわ!」
「や、やめるでしゅよ!かあちゃまやばあちゃにいいつけるでしゅよ!?」
「ふん!今や私は上級神よ!多少の事は怖くないわ!神器たる剣に槍、鎧もある、、、好きな方でお仕置してやるわ!かかってらっしゃい!」
「な、なんでわたしゅがおしゅおきされないといけないのでしゅか!」
「なんでって美しい私の石像のまま受肉させてくれれば良いのに、これは何よ!」
「ちょっとつかれてるときのメルクルナさんでしゅよ?さりゃに1000%ほど、れちゅかしましゅたが、、、」
「なんで1000%も劣化させてるのよ!」
「そういう、きぶだったんでしゅ!」
「うきぃー!ゆるさーん!」
「メ、メルクルナ様お止めください!」
「ド、ドライト様もあおらないで!」
「なんでおこるんでしゅか!ちゃんとリアルなメルクルナさんじゃないでしゅか!」
「これのどこがリアルじゃー!あ、降りて来いこら!」
ドライトはメルクルナの剣が届かない所まで飛び上がる。
「だいいちおしゅおきって、メルクルナさんにわたしゅがまけるわけないでしゅよ?」
「い、言ったわね!絶対泣かしやる!」
ジェードとテレサが止めるのも聞かずにメルクルナはドライトを追いかけ回す、自分も飛べば良いのにそれすら気がつかずピョンピョン跳ねたり飛んでるドライトに剣を投げつけたりしているとジェード達の隣に新たに7人の人物が転移してきた。
それを横目で見ていたドライトがメルクルナに言う。
「それにメルクルナさんあいてにしゅてもわたしゅになんのとくもないでしゅからね、よびだしゅてなんでしゅがこっちゅもひまじゃないでしゅよ?」
「い、言ったわね!なら、、、もし私が負けたら何でも言う事聞いてやるわ!」
転移して来たのはレムリアとセレナにディアン、シリカ達4人だった。
マナー講習中だったのか人化したまま転移して来てドライトとメルクルナのやり取りを聞いたレムリアが慌てて止めようとしたがメルクルナの方が早く答えてしまっていた。
すると、今までフヨフヨと剣が届かないギリギリの所を飛んでいたドライトの雰囲気が変わり念話で周りに語りかけてきた。
『言いましたね?』
そう言うとドライトから凄まじい力があふれ出る、、、
それを見たメルクルナは へ? へ? へ? っと何が起きているのか分かっていない、そこにシリカ達が声をかけてきた。
「あちゃぁ、、、ほんとにメルクルナはバカだなぁ、、、」
「メルクルナさん、ドライトさんは力を抑えていたんですよ、、、」
「ドライト、、、あなた私達が来るこのタイミング狙ってたでしょ?」
「流石はドラちゃん、、、策士、、、」
「へ?シ、シリカさんどう言う意味ですか?今まで私が圧倒して!」
「サルファが言った様に力を抑えて負けそうなふりしてたのよ、、、
あなた神として龍神のレムリア様の前で約束しちゃったでしょ?」
「、、、あ!」
「今のドライト見てみろよ幼龍だけど自分が勝てると思うか?」
「、、、ひぃ!」
落ち着いたメルクルナがドライトを見直すと、すぐに理解した勝てる訳けがないと、、、
「第1、メルクルナさん貴女を上級神にしたのはドライトさんですよ?
自分より強くはする訳がないじゃないですか、、、」
「、、、で、でも本気モードじゃないドライトさんなら!」
「本気モードで行ったのは隷属化する為とジェードさん達のためですよ、、、
貴女に力を与えるだけならそんなに難しくないって言ってたじゃないですか、、、」
「ううう、、、」
「ドラちゃんどうする?、、、また隷属化、、、?」
「流石にそれはお止めなさい」
『母様ダメですか?、、、なら魂の欠片を貰いますかね?』
「、、、」
ダッ! ゴン!
いきなりダッシュして逃げ出したメルクルナだが、10mも行かない所で何かにぶつかり逃げ出せなかった。
「イタ!な、なにこれ!?」
「結界だな」
「何時の間に張ったのかしら?」
「勝負ありね、、、」
「逃げ出せればドライトさんもそのうち飽きるかもしれなかったんですが、、、」
「メルクルナなら壊せるだろ、、、100年ぐらいかければw」
「駄神、、、捕まっちゃった、、、さよなら、、、」
ディアン、セレナにシリカ達は何時の間にか少し離れた所で成り行きを見守ってメルクルナを助ける気配はない。
メルクルナは周りを見渡すがジェード達は目を背ける、キャロリン達、王族や重臣達は何が起きているのか分かっていない、しかしレムリアが結界内に残ってこちらを見ているのに気がついたメルクルナは走りよって助けを求めた。
「レ、レムリア様お助け下さい!」
「私も助けてあげたいのよ?でも、さっき勝負して負けたら何でも言う事聞くって約束しちゃったでしょ?頑張ってね!
あ、私が審判として正々堂々戦うか見てるからね?、、、逃げたり、卑怯な事は、、、ね?」
「ヒィィィィ!そ、そんなぁ〜」
『じゃ、正々堂々と本気モードで』
「勘弁してください!」
そう言って土下座を始めるメルクルナをジェード王国の面々が見ていた、特にメルクルナ教の信者のケビン大公は泣きながら、、、
そこに、ジェードとテレサが近づき、
「皆、あんなふうだけどメルクルナ様は素晴らしい方だからね?」
「そうですよ?特にケビン、あなたは私達の仲間のルークの家を継いだのですから泣いてないでご挨拶なさい!」
っとジェードとテレサが話しかけた。
「あ、あの、あなた方はまさか、、、」
キャロリンが話しかけると、、、
「キャロリン一昨日ぶりね?」
「俺達もお前に祝福が与えられる瞬間居たんだぜ?」
「ジェ、ジェード様とテレサ様!?」
「「「「「ご先祖様!?」」」」」
逃げ回るメルクルナをドライトが追いかけるなかジェード王国の面々は、メルクルナと共に現れたのが自分達の先祖で英雄であるジェード達だとやっと気がついたのだった。
「いやぁぁぁぁ!だ、誰か助けてえぇぇ!」
『待つんですよ!?1回渾身の力で殴るだけですから!』
「この幼龍、とんでもない事言ってるうぅぅぅ!」
庭では、メルクルナが必死に爆走して逃げ回っている。
この中で一番立場的に偉いディアンをセレナが促して、部屋に戻り始めた時に後ろから “ゴン!” っとかなりの音がした。
皆が驚き振り向くとメルクルナは地面に突っ伏して頭に巨大なタンコブを作って気絶していた。
『やりましたよ!』
「「「「「メ、メルクルナ様!?」」」」」
「さぁ!色々な事を、聞きたいでしょう!部屋に行きましょう!」
「あ、あのメルクルナ様が!」
「死んでませんから大丈夫です、聞きたい事があるのでしょう?さぁ、行きましょう。」
「にげられないように、こうそくしとくでしゅ!」
すると、キャロリンがドライトに言い出した。
「ドライト様、何が有ったかは知りませんがメルクルナ様をお許ししてくれませんでしょうか?」
「ええ〜、このだしゅんほっとくとにげるでしゅよ?」
「ドライト様お願いします、、、」
そうキャロリンは言い、ひざまずき許しを請おうとすると、、、
「わ、わかりゅましたから、たちゅってくだしゃい!しゅくふくをあげたキャロにいわれるとよわいでしゅよ、、、」
「ありがとうございます!ドライト様!」
「しかし、これをほっとくわけにはいかないでしゅね、、、へやにつれていくでしゅか、、、」
ドライトはメルクルナを部屋連れて行く事にしたようだが、他の龍達は手伝うつもりが無く他の者はどうすれば分からずに見ていると、、、
後頭部にドライトがしがみつそのまま宙に飛びあがった。
メルクルナは逆エビ反りになり足が引きずられ連れられて行く、慌てたジェード達が私達が連れて行くと言うがドライトに俺の獲物だから俺が自分で運ぶと断られ、またもやキャロリンに嘆願されてメルクルナを宙に浮かせて部屋の中の長椅子に寝かせたのだった。
部屋に戻った皆は執務室にある椅子は2つしかなく、長椅子はメルクルナが寝かされているためにレムリアには王が座る席へ座ってくれと言ったがその席は現王しか座ってはならないっとレムリアが断ったため、急きょ椅子を準備しようとしたが、セレナがドライトに言った。
「ドライトあなた椅子を持ってませんか?」
長椅子に眠るメルクルナの頬をペチペチ叩きながら、
「たましゅいよこせ!」
っとメルクルナを起こそうとしてたドライトはセレナに言われてやっと皆に向き直った。
「あるゅましゅよ?ぜんいんぶんでいいでしゅか?」
「そうね、皆の分をお願いね?」
「わかりゅました」
そうドライトが言うと、次々と椅子を亜空間から取り出していく。
世界樹の枝葉や森の素材で作られた立派な物で魔法による効果も付けられて物だった、それを見たステファンス王が羨ましそうに見ていたのでドライトは王に特別に作った自信作の一品を出してあげた。
そんなふうに皆に出していくとキャロリンの母であるエレイン側妃の前まで来た、侍女とキャロリンが支えているがふらついてる、それを見たドライトは目を細めると念話で語りだした。
『はじめましてエレイン側妃、あなたがキャロの母親ですね?』
「ド、ドライト様どうかエレインと呼び捨てでお願いします、、、」
最高神であるメルクルナや龍神のレムリアなどと会合する事に、また病気のせいだろう顔を青ざめながらドライトに挨拶してこようとしたのをドライトが手で押しとどめ、キャロリンとエレインに向かっていきなり言い放った。
『エレインさん、あなた呪われていますね?』
「な!」
「え!?」
エレインとキャロリンは言われた事に驚き呆然として、他の皆はざわつき始める。
ドライトは更に爆弾を落とすのだった。
『龍が使う龍の眼を誤魔化す事が出来るのは同格の神々か龍だけです、あなたは間違いなく呪われています』
「そ、そんなお母様、、、嘘ですよね?」
「エレイン嘘よね!?」
などとキャロリンやアンナ王妃が青ざめた顔で言っている、他の王族や重臣達も呆然としているがエレインが語りだした。
「やはり龍様は欺くことはできませんね、、、私の実家は帝国公爵家のコリンズ家です、昔から帝国の宮廷魔導士長を多数出した家なのですが数代前にある実験を行い失敗して邪神を呼び出してしまったそうです。
なんとか送還したそうなのですがコリンズ家やその場にいた者達、皆が呪いを受け長く生きれなくなりました、キャロ、アンナ、貴方に皆、、、黙っててごめんなさいね?」
王家の者や重臣達は驚いて黙り込んでいるが、アンナが泣きながらエレインに抱き付き話し始めた。
「だ、だから私がステファンスに嫁ぐ時に侍女として以外は譲れないと言ったのね?
それを私が死んでやるって脅してやっと一緒に嫁いでくれたんだ、、、」
「本当はキャロ、あなたを産むつもりも無かったの、私の家は呪われているから、、、
でも出来てしまった、産まれて鑑定してコリンズではなくレムリア様の名前がついていてどんなに嬉しかったか、、、」
「で、ではなかなか子供が出来なかったのも、、、?」
ステファンスは驚きながら聞いてくるが、、、
「それは単純に相性が悪かったのかと、、、私もステファンス貴男を愛してしまったから、キャロを産むのには悩みましたが、、、」
などときわどい話をしているとキャロリンがドライトにひざまずき懇願した。
「ドライト様!お母様の呪いを解いてくれませんでしょうか!?お願いします!」
しかし、ドライトは目をつむり何か考えているそぶりをみせる、そして言った。
『無理ですね、あとちょっと待ってくださいね?』
あっさりとそう言われ、王家の面々は顔面蒼白になり重臣達も落胆しているが、ドライトは突然慌てだした、そして。
『あ!祖父ちゃん!ボコボコにするのは良いですけど滅ぼさないで!レア素材ですから!、、、ええ、はい、バラバラにするのは問題ありません。
魂を金剛石の珠に封じて力を奪えば大丈夫です、逃げられません』
「ガンジスったら抜け駆けして、、、ドライトも邪神の気配を感じ取ったなら言ってくれれば良いのに、、、」
『祖父ちゃんがキャロの話聞いて注意を向けたら見つけたんですよ、この世界に手を出したんだから実力のある邪神でわ!?っと喜んで行きましたよ、あ、討伐されましたね、、、魂ゲットですよ!
あ、はい祖父ちゃん、5分も持たなかった?、、、龍の産卵地のあるユノガンドに手を出したのに根性の無い邪神でしたね、、、期待外れだったようです』
「抜け駆けしたバチです」
『あ、呪いはとっくに解除してあるので無理です、こちらも色々終わったので聞きたい事とか有ったら出来る範囲で答えますよ?』
俺は邪神の魂を手に入れホクホクしながら、呆然としている王国の面々をうながしたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます