幼龍編 同族 再び
やあ!ドライトさんだよ!
なんか父様が龍を5頭引き連れて来たんで敵襲かと思ったら、後ろについてきた5頭は俺も知ってる子龍達と緑龍さんだったんだ!何しに来たんだろ?
黒龍であるディアンを先頭に緑龍アーゲート、その子供である緑龍シリカを筆頭に黄龍サルファ、紅龍カーネリア、そして最年少の青龍アンジュラと父様は俺と同年代の子龍達を引き連れて戻ってきた。
祖父達は子龍が居る為にディアンを迎撃して良いものなのか思案していると、、、
母様は巣の近くまで来たディアンに対していきなりブレスを放ったのだった。
ところでディアンと祖父ちゃん祖母ちゃん達の戦い見てて思ってたんだけど、ディアンって右側に躱すクセが有るんだよね。
いきなり何言ってるの?って思っただろうけどつまりこー言う事なんだよね。
母様のブレスが当たる寸前にディアンは右に避ける、そして俺が予め作っておいた水球に当たる。
パシャン!
「たかが、水の玉なんぞ、、、ギャアァァァ!目がぁぁぁ!すっぺぇぇぇ!」
「ドライトあの水は何?」
「かあちゃま!とくべつにひゃくばいにのうしゅくした、おしゅでしゅ!」
「まぁ、、、だからあんなに痛がってるのね、、、」
『『にーちゃあたまいい!』』
【ああ、急いで湖に向かいましたね、、、】
「こらあぁぁぁ!」
ん?なんか聞き覚えのある声が、、、
お?なんか紅龍が結界をすり抜けて中に入ってきたぞ、、、
ってか結界に弾かれないのなんで?
【アーゲート様はセレナ様に信頼されていますし、子龍達は遊び相手として登録されているので結界を抜けられます】
『俺出れなかったんだけど?』
【それは力がまだ弱い幼龍が外に出てはまずいからに決まってるからじゃないですか】
それもそうかっと考えていると、、、
「無視するなぁぁぁ!」
「なんでしゅか?うるちゃいでしゅよ?」
「お前この間私にもお酢ぶっかけただろ!龍珠は偶然だって言ってたけど、あれウソだろ!?」
「、、、あ!」
「こんのおぉぉぉ!」
紅龍、カーネリアは怒りこっちに向かってくるが、俺まであと5mと言った所で白いシッポが鼻先を掠めて世界樹の枝に叩きつけられ、その場で固まった。
「カーネリア、うちの子に何するつもり?」
ニコリと微笑みながら母様がカーネリアを問いただす。
「い、いやだって!セレナ様この前私もお酢かけられて目が」ゴス!「シ、シリカの姉御痛いって!何すんだよ!」
「お黙りなさいリア、セレナ様おしさしぶりです」
「ドライトが孵化したと聞いてご挨拶にまいりました」
「ドラちゃんおひさ、、、」
「リア、アンジェ貴女達ちゃんと挨拶なさい!セレナ様に失礼ですよ!?」
「ううう、、、セレナ様おひさしぶりです」
「おひさです、、、セレナ様」
「皆ひさしぶりね?元気そうで良かったわ、、、で何故ドライトにお酢をかけられたの?」
「え?、、、あ!い、いやお酢なんかかけられてませんでした!勘違いでした!」
「うふふふ?カーネリアちょっと向こうでお話ししましょう?」
母様がそう言うとむんずとカーネリアを掴み、別の枝に飛んでいこうとする。
「いや違うんですって!何かの間違いですから!セレナ様放してください!」
「かあちゃま!かあちゃま!」
「ドライト、どうしたのですか?」
「たまごをわりょうとしたのはゆるちてあげてくだちゃい!」
「、、、あらあらドライトは優しいですね?」
そう言うと母様はカーネリアを放したのだった。
「ふう、、、ドラ公助かったぜ!ありがとな!」
「そうそう、カーネリア、貴女が卵を割ろうとした事はご両親に伝えてありますので」
「へ?」
「帰ったらお仕置だそうです」
「、、、うわぁぁ、踏んだり蹴ったりじゃんかぁぁぁ!」
「自業自得でしょうに、、、」
「セレナ様よくご存じでしたね?」
「ドライトの龍珠から報告を受けていましたからね、、、」
そんなやり取りを見ていると俺の目の前に龍珠の抜け殻が転がってきた、、、俺のじゃんか!
「ガオォォォン!」
ダダダダダ!ガシィ!
どうやら転がしたのはアンジュラらしく隠した場所に姿が有った。
「ドラちゃん元気、、、」
ちゃ、ちゃんと隠しておいたのに何時の間に!この青龍油断ならねぇ!
「ガアガア!」
俺は抗議の声を上げたが興奮しててただの鳴き声になってしまった。
「こら!アンジェ!勝手に他の龍の龍珠に触れたらダメじゃない!」
「だいじょぶ、、、シリカ姉様」
「大丈夫ってなんで?」
「将来ドラちゃんと結婚するからドラちゃんの物は私の物、、、問題なし、、、」
「ア、アンジェさらっと許嫁になるなよ、、、まだ候補だろ、、、」
「あ、相変わらず掴み所がないわね、、、」
ん?なんか聞き捨てならん事言ってたぞ?
「けっこんってなんのことでしゅ?」
「あら?言ってなかったかしら?この4頭はドライト貴方の許嫁候補よ」
へ?この4頭が許嫁候補?
、、、、、、、、、、、、
「ちぇんじをおねがいしましゅ!」
「はぁ!?」
「あ、あらぁ〜?」
「やっぱり一発殴らせろ!」
「ドラちゃんレディに対して失礼、、、」
「うふふ、ドライトったらお茶目さん」
だ、だってこの龍達との結婚を想像するとなんか嫌な予感がするんだもん!
そんな事を考えていると祖父ちゃん祖母ちゃん達がやって来た。
「ふふふ、ドライトは照れているのよ」
いえ、どっちかと言うと怖いです。
「そうじゃのぅ、こんなに可愛い子達が許嫁候補なのじゃ、嬉しくて照れているのじゃろうて」
いえですからね?
「まったくドライトったら幸せ者ね!」
うん、不幸者になりそうな予感がガンガンします!
「どうせじゃ、全員嫁にしてやればよかろうて!」
「「「「それは良い考えね(じゃ)!」」」」
1頭でも嫌な予感がバシバシしてるのに4頭ですと!?4倍不幸になれと!?
い、いや彼女達が嫌がるはずだ!
「そうね、私達はそれでも良いですよ?」
「うふふ、ドライトさん嬉しくて固まっていますわ」
「いや、こいつ真っ青になってねぇか?」
「、、、ドラちゃん大丈夫?嬉しすぎた?」
な、なんで!?龍ハーレムですか?良いんですか貴女方はそれで!?
とんでもない方向に話しがいっているとアーゲートさんが近づいてきた。
そ、そうだ!一番まともそうなアーゲートさんだったら止めてくれるはずだ!
「それは良い話ですね」
なんで!?
【ドライト様、龍族は元々ハーレムを築くものですよ?】
『だ、だって父様や祖父ちゃん達は1人づつしか!』
【それは尻に敷かれてるからです】
『エライ事聞いてしまった!』
【あの方達は仲が良いそうなので問題ないと考えているのでしょう】
『よし!』
【覚悟を決めましたか?】
『逃げよう!』
俺は逃亡する事に決めてカサカサっと結界の穴に向かうのだった。
しかし、、、
あ、あれ?穴が塞がれてる!な、なんで?どー言う事!?
【この前ガンジス様が塞いでましたよ?】
『祖父ちゃん余計な事を!』
や、やばい!新婚旅行がどうとか結婚式はどうするとかやばい単語が聞こえて来た!
このままでは、マジで結婚が決まってしまう!「ムンズ」なんとかして逃げ出さなければ!
ん、、、?ムンズって、あああ母様に捕まったあぁぁぁ!
「ドライト?何処に行こう言うのですか?母から離れてはなりませんよ?」
「はなちて!はなちて!」
ジタバタと暴れるがもちろん放してくれない。
うわあぁぁ、次回 結婚 でお会いしましょう!?
だ、誰かなんとかしてえぇぇ!
「待てぇいぃぃ!」
父様?助けて父様!役立たずのアホとかもう思いませんから!
「ドライトにはもったいない俺がもら」ドガガガガン!「、、、」
アホはとんでもない威力のブレスを一斉に放たれ悲鳴をあげる事すらできずに落ちていったのだった。
『ってかなんで急にモテ期が?前世ではモテ期なんて走って逃げていってたのに!』
【それはドライト様が強いからと言うのもありますが】
『や、やっぱり龍は力を求めるのかぁぁぁ、、、あ?言うのもありますが?な、なんか他に理由があるの?』
【ぶっちゃけ、適齢期で歳が近いとなるとドライト様とディアン様しかいないのですよ】
『へ?ほ、他に若者いるんじゃ?』
【居る事は居ますがお嬢様方には弱すぎてお話にならないんだそうです】
『そ、そんなに強いの?この4頭』
【はい、セレナ様と同じ様に才能に恵まれていると言われています、あと大きな理由が一つありますね】
『大きなもう1つの理由って何?』
【さきほども言いましたが歳が近く力のある龍はドライト様と“ディアン”様しかいなのですよ、、、】
『、、、それって父様とは嫌だから俺とって事か!?』
【はい、そうです】
『理由が酷すぎる!』
まさかの消去法だったとわ!
ま、まぁ自分の父であるがディアンと結婚したくないって気持ちは、分からないでもないな、、、
だ、だが地雷臭のするこの4頭と結婚、、、ううう、どうすれば!
『リュ、リュージュさんなんか良い方法無いの!?』
【ありません】
『即答すぎる!』
し、仕方がない、なんとかして誤魔化すしかない!
「あ、あにょ?」
「ん?どうしたのドライト?」
「きょうはそのためだけにきたのでしゅか?」
そう問いかけると、アーゲート達が「あ!」っと声をあげた。
「ディアン様の事で来たのでした、忘れる所でしたよ」
「とうしゃまのことでしゅか?」
「はぁ、、、実はですね、、、」
アーゲートさんが言うには父様はあっちこっちの龍の里や家に押しかけて、なんとかセレナに許してもらうのを手伝って欲しいと頼んで回ってるのだそうだ。
んで、その苦情が一応部下のアーゲートさんの所にドシドシ来てて何とかしてもらいたいってのと、何とか和解して欲しいって事で来たんだと。
父様何してんだ、、、
とりあえず母様達が迷惑をかけました、アレはこちらで管理しますと謝ってガンジス祖父ちゃんが父様を迎えに行った。
これで誤魔化せたと思ったが、結局4頭を許嫁候補から候補を外す事が決まってしまったのであった。
ところで龍族の里ってどこら辺に在るんだろ?
【ここから100キロほどの所です】
『ちけぇなおい!』
【人族の港町もここから500キロぐらいの所に在りますよ?】
な、なんにしろ今日は疲れたわ、、、
ん?父様?
なんか母様に連行されて行ったよ!
もう寝るか、、、お休み。
「ドラちゃん、、、添い寝いる?」
ア、アンジュラさん帰ったんじゃ!?
こうしてドタバタした1日はドタバタして終わるのだった。
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