幼龍編 龍珠
やあ!ドライトさんだよ!
巣に戻ってきてから1ヶ月半、帰ってきた祖父ちゃん祖母ちゃん達と暮しているんだ。
妹達のお世話も3mぐらいに小さくなった母様と一緒に頑張ってるよ?
おかげでまた妹達と念話でお話しできる様になったんで幸せさ!
父?1ヶ月前に一回帰ってきたけど祖父ちゃん祖母ちゃん見たらまた遠いい所に行っちゃったよ!
んで俺は今何してるのかと言うと、、、
『にーちゃそっち!』
「ガオォオォォ!」
ダダダダダ、、、ガブ!ツルン!ポーン、コロコロ、、、
『にーちゃあっち!』
「ガァガァ!」
ダダダダダ、、、ガブゥゥ!ツルン!コロコロコロ、、、
白く透明な珠を追いかけてるのだ、犬っぽく遊んでるだけに見えるが、ちゃんとした龍族に伝わる由緒正しい狩りの訓練なのだ。
「ほら、ドライト!」パシ!
母様がシッポで珠を叩く、珠は宙に飛び結界に当たり不規則に跳ね回る、そしてそれを俺は必死に追いかける。
『『にーちゃがんばれ!』』
「ガオォォォン!」
ダダダダダ、、、ガシィ!カジカジバシバシ!
、、、狩りの訓練なのだ!
それはともかく妹達がもう念話を使えるのは俺のお世話のお蔭で成長が早まったからとか、父様の旅が何時終わるのかとか色々と話したい事は有るんだけど、一番大きな出来事は龍珠さんの事だった。
そう、今俺が抱き付きカジカジと噛り付きバシバシと足で蹴ってるのが龍珠さんなのだ。
光輝き俺に適切な、、、適当なアドバイスを送ってくれた龍珠さんはもうこの珠の中に居ないのだ、、、
巣に帰ってきた次の日に龍珠さんに語り掛けたのだが反応が無かった。
あれ?そう言えば巣に戻った時にも【お帰りなさい】と言われなかったな?とは思ってわいたのだが様子がおかしいと思い近づいて見ると光り輝いていた龍珠さんから光が失われていた。
「え?」
昨日巣に戻って見た時には薄っすらにだが光輝いていた龍珠さん、寝る時にはさらに輝きを増し機能の回復が順調に行われていると一目見て分かったほどなのに1日経ち朝になったら輝きは失われていたのだ、、、
さらに近くに居れば龍珠さんの気配が感じられたのにその気配を輝きを失った珠からは感じられなかった。
俺は思わず
「龍珠さん?」
と語り掛けたのだが返事は無かった。
呆然としている俺に母様が
「この龍珠は力が失われているわ、、、」
と教えてくれた、俺は信じられない気持ちで龍珠さんに触れたのだった、、、
それから1ヶ月が経ち俺は透明なただの珠になってしまった龍珠に噛り付きながら、ふと空を見上げる卵時代からお世話になった龍珠さん、、、俺は強く生きるよ!
【なんで、私が消滅したような感じで語ってるんですか!?それになんでアドバイスを酷い方に言い直したんですか!?】
まぁ、龍珠さん消滅したわけじゃないんですけどね!
実は龍珠さんとの融合をしてしまったのだ、龍珠との融合は龍珠とその主になるべき者が触れ合う事で実行されるのだが、巣に戻ってきた俺は色々と疲れて居たのかその日の夜中にゴロゴロと寝返りをしていたらしく、その時に勢い余って龍珠さんに触れてしまったのだそうだ。
「まあ、しょうがないでつよね!?ね!かあちゃま!」
「まったくドライトったら、、、今度から気をつけなさいね?」
【いやセレナ様、融合は1度しか有りませんからね!?】
なんにしろ融合してしまったものはしょうがないので取りあえず名前を付けてあげる事にしたのだが、龍珠の名前は他人には教えてはいけないそうだ、力がある存在が龍珠の名前を知ると龍珠をコントロール出来てしまう事が有るらしく、龍珠経由で龍本体にも影響を与えてしまうとの事だ。
あ、俺の名前とか普通は適当に名前を当てられても平気なんですよ?
キーになる魔力の波動とかも絡んでるらしくスライムクラスですら魂を完全に支配しようとするとその解析にエライ時間がかかるって母様が言ってた。
ただ、龍珠は人工魂みたいな物なので普通の魂より解析がしやすいらしく、名前を知られない様に気をつけなさいとの事だ。
で、龍珠をコントロールしようと解析されるとこっちも気づくので、名前と波動などを解析される前に相手をボコボコにするか防御してしまう為の時間稼ぎって意味もあり不用意に名前を教えちゃいけないとのことだ。
ちなみに融合すると龍珠は龍の魂のすぐ傍らに衛星の様に居るらしいので、万が一の時は龍の魂の防御システムにもなるんだって、うーん龍珠さんマジ便利だわ。
で、肝心の龍珠さんの名前はと言うと、、、
リュージュにしました。
なんで女みたいな名前かと言うと俺の龍珠さんSっ気が有るので男みたいな名前で罵倒とかされるのは俺が嫌だったので女の子っぽい名前にしました。
ちなみに名前を聞いたリュージュさんは
【安直ですし今にも滑り出しそうな名前ですね、それに誰がSですか!】
って言ってたので、スケルトンにしとく?と聞いたらメチャクチャ罵倒されました。
アリガトウゴザイマス!ご褒美ですね!?
などと平和な毎日を過ごしツルン!
コロコロコロコロ、、、
「ガオォンンン!?」
【ドライト様右です!右2時の方向に転がりました!】
『『にーちゃ、おえー!』』
「あらあら、、、ふふふ、、、」
「ガア!」
ダダダダダ!ガシィ!カジカジカジカジ、、、
フーフー、、、いやこれは本能でですね!
決して面白すぎて止められないのではないんですよ!
そう言えばこの珠、金剛石で出来てるんだよね龍の力で作られてるから、真球で恐ろしく硬いんだわ。
幼龍とは言え龍の牙でも傷1つ付かないんで将来的にはこの中に大事な物や宝物を入れて逆鱗の裏に隠すらしい、竜と違って力の源ではないけど宝物入れなんで俺達龍族は、逆鱗に触れられるのを嫌がるんだって。
えーっと、で、なんだっけ?
そうそう遊んだり勉強しながら家族で平和な毎日をすごしているんだ!
念話で俺の珠遊ゲフンゲフン狩りの訓練を応援してくれる妹達、、、
すぐ傍で俺達を見守ってにこやかに微笑む母様、、、
数頭の龍を引き連れてこちらに向かってくる、アホ、、、
隣の枝では祖父ちゃん祖母ちゃん達がニコニコと笑いながらこちらを見てる。
うーん平和だわ〜
龍珠をしっかりと抱きしめて俺ごとコロコロ転がる、天気も良いし日光浴日和でこのまま寝ちゃいそうだわ、、、ウトウト、、、
、、、ん!?なんか変なの混じってなかったか?
祖父ちゃん祖母ちゃん達OK 母様もOK 妹達もOK なんか、見覚えのある色の龍5頭引き連れたアホNG、、、お、親父が龍引き連れて帰って来た!?
て、敵襲〜!敵襲〜!!すでに警戒ライン突破されてるやん!?レーダー要員何してたの!
【すいません珠遊びに夢中でした】
『だあぁぁぁ!お前もかい!』
りゅ、龍珠(抜け殻)隠して防衛体制とらなきゃ!俺は慌てて行動を開始した。
そしてそれを見ていた家族は祖父ちゃん祖母ちゃん達が身を起こし、母様が元のサイズに戻る、妹達は周囲に『『てきしゅ〜!てきしゅ〜!』』っと念話を送り迎撃態勢を取りつつあった。
こうして父様が1ヶ月ぶりに帰ってきたのだった。
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