卵編 転生
白い、、、
ここはどこだ?
うっすらと光り輝く白い世界で目を覚ました俺は、少しづつ意識が覚醒していく、、、
、、、、、、、、、ちくしょう!夢じゃなかったのかよ!
意識が覚醒しながら夢の様に感じていたこの前の事と、今居る白い世界が現実だと思い知らされる。
そして謎の男女の事を思い出し、あれからどの位経ったんだろう?
かなりの間寝ていた気がするがまさか1週間は寝てないよな?っと考えていると突然頭の中に直接語りかけられた。
【いいえ、ご両親が新婚旅行に行かれて1カ月経ってます】
なっ!あれから1カ月だって!? ワンピ○スは?キン○ダムはどーなった!?
ニロニロのMMD動画やボカ○の新着も見落としたのか!?ちくしょー!!
俺は泣き叫びながら走り去ろうとして、相変わらず声は出ないし体が動かない事に気がついた、、、
そして、頭の中に思い浮かべたのは しかし回り込まれてしまった! だった。
『いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!近くに何か居るうぅぅぅぅぅぅぅぅ!?』
叫べないが叫んでるつもりでそう考えているとまた無機質で機械的に受け応えしている様に感じる声から反応が有った。
【ドライト様、私は貴方様を守護し導くための龍珠です】
『龍珠?俺を守護して導いてくれる!?おお!それはありがたい!では、そー言う事で私はそろそろおいとまを、、、』
って動けないんだっつーの! え? なに?なんなの? 頭の中に直接語りかけられてるよ?
しかも近くに居る気配がバンバンするし!近くに居るなら直接話しかけろや!しまいにゃ泣くぞこら!?
【落ち着いてくださいドライト様、私が貴方様に危害を加える事はあり得ません】
『うん、落ち着いた落ち着いたから直接、普通に喋ってください!
今は土下座はできませんが後で幾らでもしますので許してください!』
【申し訳ありません私には直接音声で会話をする機能は具えられていません
それに土下座の必要も有りません
私はドライト様、貴方様に仕え、守護し、導くために生み出された龍珠なのですから】
とりあえず、危害を加えないと言われた事と守護すると言われた事で少し落ち着いたが同時に色々疑問が湧いてきた。
すると、またも龍珠と名乗る物(者?)から反応が有った。
【ドライト様、色々とご質問があるようですが現在の段階では一度に幾つもの質問にお答えするべきではありませんのでとりあえず聞きたい事を強く念じてください、その質問に出来うる限りお答えします】
なんか質問に答えてくれるらしい、、、出来る範囲だけみたいだけど、ってあれ?
いきなり龍珠の言ってる事に疑問が出来たわ、、、聞いてみるか。
『現在の段階では幾つもはダメってどー言う事?ある程度答えたら有料制になるとか?お金なら無いですよ?』
【ドライト様はまだ卵から御生まれになっていません。
つまりまだ御体が完全に作られていないのです。現段階の御体では多数の情報にはまだ耐えられません】
うん、後半は答えてくれなかったよ!
ってか耐えられないってどーなるんだろ?どんどん聞いていくか!
『耐えられないってどーなるの?アッパラパーになるとか?』
【いえ、爆発します】
『ブフゥゥゥゥゥゥゥゥ!』
思いっきり吹いたわ!爆発するってどー言う事?頭ですか?頭が爆発するんですか!?
【いえ、頭ではなく体と言うか卵全体が爆発します】
勝手に反応して答えてくれたけど結果が思ったより酷いぞ!
、、、って卵?卵ってどー言う事?俺となんの関係が?
なんか例の男女の会話の記憶と照らし合わせると嫌な予感がするけど、、
、聞こえなかった事にしよう! うん、そーしよう!
【ドライト様、現段階での貴方様の状態です】
『ありがとう!聞きたくなかったわ!』
ううう、、、なくとなくは思っていたけどこれってまさか転生ってやつか?しかも現状が卵って、、、
【ドライト様まずは現状を確認されますか?】
『ソーデスネ ゲンザイノジョウタイヲ カクニンスルノハ ダイジデスヨネ、、、』
俺の返事が機械的になってしまったが、まぁそれはそれとして現在の俺がどんな状況なのか知るのは大切だよね?
気を取り直して、ばっちり聞いてやるぜ!
【それではドライト様の現状をお調べします】
ん?調べる?
するとピリッとした感覚が体(卵?)全体に走る、なんかされた?
【鑑定が終了しました】
おお、早いな、、、ってか有るのか鑑定、、、
まぁとにかく早速教えてけれ!
【それではご報告します】
名前 ドライト (星山龍太)
種族 龍族
状態 卵 (卵9年目)
ステータス
現在すべてのステータスが鑑定不能です。
スキル
龍の眼(現在の出力1%) 異界の知識(中途半端)
称号
転生者(?)
『ちょっと待てや!色々おかしいだろ!?』
とりあえずステータスとスキル関係が気になるが名前と称号の方を聞こう、
あっちは変すぎて聞く気になれんからな!
『えっと、色々変になってますがとりあえず名前と称号について聞きたいのですが、、、』
【? おかしな所がございますか?】
『あのですね、名前のドライトは今の自分の名前かなぁ?って分かるんですが、
なんか後ろに(星山龍太)ってあるんですが、、、』
【それはドライト様の前世の御名前です】
『うーん、まぁそうなんだろうとは思ったわ、、、
鑑定受けると色々ばれるのかぁ、テンプレ的になんかのスキルで誤魔化さないとだろうなぁ、、、』
【御安心ください、そのうち消えますので】
『エエエェェェェェェ! 消えちゃうの? 俺の前世の名前消えちゃうの!?
え?どー言う事!?記憶とか知識とかも無くなるの?最悪俺の自我も無くなるとか!?』
【いえ、ドライト様の自我が消える事はありません、
異界の知識に(中途半端)や転生者に(?)が着いてる事と関係してますがドライト様、
いえ、龍太様の転生が少し他の方と違った事が原因で現在の様になっております】
『ん?違うってどー言う事?』
【通常は転生先の肉体に魂が芽生える前に肉体に移るか芽生えていた場合は相手の魂を弾き出すか、
呑み込んでしまうのですが龍太様の場合はドライト様に魂が有っても自我が無かったのでスムーズに魂の融合が行われたようです】
『へー、、、うん?それって俺が呑み込んだのと違うの?』
【はい、龍太様が呑み込んだのではなく、ドライト様が呑み込んだのです】
『、、、Say that again, please.(もう一度お願いします)!』
【龍太様が呑み込んだのではなく、ドライト様が呑み込んだのです】
『消滅フラグ消えてなかったよ!これドライトの自我ができたら俺ってば消えるって事じゃ!』
【御安心ください、ドライト様に自我が無かったので龍太様の自我をベースに自我は形成されました、
つまりドライト様は龍太様であり龍太様はドライト様でもある っと言う事です、
もう自我が消滅するような事はございません】
『そ、そっか、、、ん?形成されました?もう消滅するような事はない?
な、なんか言い方が1度消滅したような言い方だけど、、、』
【はい、1度龍太様の自我は寝てる間に消滅しました】
『消滅フラグ回収済みですかー!何この転生!!』
【自我があり確立された魂だった龍太様の魂でも龍族であるドライト様の魂は強大です、
なのでドライト様に呑み込まれる形になったのでしょう】
『そ、それって結局どーなるの?俺がドライトになっちゃうって事?』
【いえ、龍太様の知識や経験、記憶はある程度残っています、
それが現在のドライト様と龍太様の融合された魂に影響を与えているので自我は龍太様に近くになっていますが好みや嗜好、性格など自我に影響する根本的な所はドライト様のそして生物としての本能的な部分は龍の影響がかなり強くなっています】
『つ、つまりどういう事?』
【例えですがこの間、セレナ様が新婚旅行に旅立とうとした時『行かないで!母様!』っと叫ぼうとして疑問をお持ちになりましたね?】
『聞かれてた!』
【あれはドライト様の魂の影響でセレナ様を母と認識しているからです、
もしドライト様が龍太様の元の世界に戻ったとして、龍太様のお母様にお会いしても母として認識できないでしょう。
また殺人や闘争など龍太様として忌避するべき感情も闘争心が強い龍の魂の影響で抵抗が薄くなっているはずです】
『って、マジで母さんや父さん達家族の顔がよく思い出せないし、
それ以外にもなんか色々忘れてる気がするわ、、、』
【龍太様の魂がドライト様の魂と出会ったのは卵が生まれてすぐようです、
それから体がある程度作られるまでの9年間にゆっくりと融合が進んだのでしょう、
そしてその間に龍太様の 忘れたくない と思う強い思いがある知識や記憶や経験などは残りあとの部分はドライト様の魂の影響で必要ないと判断された知識や記憶や経験等が削除されたのだと思います】
『なるほど、、、ってちょっと待たんかい!』
【どうかなさいましたか?】
『俺、ワンピ○スやキン○ダムのあらすじとかMMDの傑作動画とかボカロの人気曲とか覚えてるんですけど!?』
【残っている記憶は失いたくない!っと強く思った記憶だからでしょう】
『俺ってば家族の顔よりマンガや動画の記憶の方が大事だったって事!?』
【そーなりますね】
『さすがに自分のアホさ加減に衝撃を受けたわ!』
な、なんか色々衝撃的すぎて疲れたわぁー、、、っとまた睡魔が、、、
【お疲れのようですね、1度に色々な情報を得た事で魂が疲弊したのでしょう、
このままでは爆発してしまうのでお休みした方がよろしいでしょう】
『情報の多さより、内容が衝撃的すぎて疲れたわ!ってか爆発は本当にするのかよ!?』
うう、、、ね、眠い、、、
こうして色々衝撃的すぎたが、睡魔には勝てずに意識は落ちていくのだっ
【ドライト様!】
『ふわぁい!?な、なにぃ〜?』
【よろしければ、ドライト様の強化育成を始めたいのですが】
『も、もー好きにしてぇ、、、』
今度こそ俺は意識を手放したのだった、、、
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