愛に関する究極の自然状態をあべらかす、死人たち
愛してるって言葉で言うことはいくらでもできるけれど。私は何が愛する人にできるだろう?アラユルコトヲする。これは難しそうだ。勇気づける。励ます。何かをしてあげたくはなるが、本来持ってるその人の力が増すように力添えをしたい。人は恐るべき力をみんな持っている。その力を最大限に発揮させる。そのために、何ができるか?基本的方向は、他力本願。他者の力を借りる。1人でできることには限りがある。大切な人が、泣いていたならば、そっとハンカチーフをさしだす。間違っても「泣くな」なんて言ってはいけない。泣きたくて泣いてるわけではないかも?それに、泣くってそんなに悪いこと?人騒がせや、甘えといった議論がある。泣くって人間らしい大切なことよ。少なくとも私はそう信じてる。優しさってなに?みんな優しくありたいけど、なれないんだって!!愛する人には優しくありたい。でも、結局、すべての人に優しくありたい。やさしくするときの原則。相手の立場を理解する。一方で私たちは相手の望むことをやろうとする。それが優しさなのか?倫理の問題。何をすれば相手にとって良いのか?何をすれば相手にとって良いと思うのか?良い、悪い、何でもないの三分法。あまりにも臆病すぎたか?相手にとって良かれと思ってやった気持ちと行動力はかならず相手に伝わる。「もうバカだな」と笑ってくれるだろうか?悪い予想よりも、自分が正しいと思うことをやるべし!!それがみずからの力となる。確固たる力となる。
大好きな人を失った1人の男。失った原因となった1人の女。いよいよ、はじまる物語。
もう子供と妻が死んで2年になる。幼稚園の帰りだった。妻の運転していた動力機械が、破壊されて妻と子供、ユラとアキラの心臓は止まった。相手は奇跡的に無事で、無事で、そりゃそうだ。ユラはいつだって他人を愛していた。私よりも見ず知らずの人を愛したかもしれない。それが、この返事とは。虚しい。ユラは悲しんでいるだろう。2人を天国に送った女は豊島紀子(としまきこ)。原因はスピードの出し過ぎ。アルコールもわずかににおっていらしい。逮捕されて、裁判を受けて、出てきたのが、先週。私はあの女と正対するのが怖かった。怒りが湧いてきて、女をどうにかしてしまいそうで、怖かった。それでも会おうと決意した。連絡を取ってきたのは向こうだ。扉の先に女がいる。妻がいなくなってから、久しく女のにおいをかいでいない。きっとそのせいだ。女をみて何か言いようのない感情を覚えたのは、、。泣いた。その女の前で、豊島紀子の前で大声をあげて私は泣いた。紀子は最初びっくりしていた。ハンカチーフを見てようやく冷静になった私に。豊島紀子は申し訳なさそうに、伏し目がちに頭を下げた。私も何も言わずに頭を下げた。この行動は自分でも意外だった。ただ、ハンカチーフを差し出してくれた豊島さんにお礼を言うのは当たり前のことのようにも感じる。「言い訳は聞きたくありません」私は言い放った。向こうは口をあけて何かいいかけたが、すぐにキッと結び黙った。それにしても黒のワンピースとは、まるで死んだのは豊島さんの子供のようだ。どうやら2人きりらしい。他に誰かいると思ったが、、、。「ここは、知人の会社の今は倉庫として使っている一室です。無理言って使わせてもらいました。ふさわしい場所が思いつきませんでした。ただ、私は、、、」言いかけて止まった。考えこんでしまったようだ。急に眠気が襲ってきた。疲れや緊張感から解放された不思議さに包まれて、私は柔らかいものに触れた。それが、豊島さんの大事な盛り上がりと知ったのは、数秒たってからだった。「あの、、」豊島さんが、戸惑った声を出す。量感のあるしなやかさに私は思わず悲鳴をあげて離した。「す、すいません」「いえ、、」顔を真っ赤にして、豊島さんという果実は熟していく。
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