2.呼び名
そうして
人外により
私の生は無かったものになったらしい
けれども私はここにいる
何の変化も感じられない
けれども私はもういない
ゴーストに成れない未ゴースト
人外は名を持たない
私の名も既に消えた
人外が呼ぶ
際
生と死とどちらの際にも立てるから
似合いの名だと彼は言う
ならおまえを何と呼ぶ?
彼は答える
僕は人外
それ以外の何者でもない
私たちは何をするの
私は何を
どうすればいい
何もしない
見たいものを見ればいい
思いたいことを思えばいい
退屈なら、と人外は
気味の悪い笑みをつくる
悪戯をしてもいい
私もおまえの悪戯か
君のばあいは暇つぶし
人外はまた不気味に笑った
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