a-ghost,non-ghost

@sho-ri

1.人外

巣穴のような部屋で座っている私のうしろ

音無く降り立つ人外じんがいの気配

彼は望みを聞いてやろうと囁く

けれども私に望みなどない

何もない

それが私だ

がらんどう

それが私

ならば試しにと彼はなお囁く

生と死の狭間で過ごしてみるか

生でもない

死でもない

中途半端

君に似合いだと彼は言う

それは人外ということか

おまえと同じということか

それは違うと彼は言う

僕と同じには成れないし、所詮、君は人生まれ

私は苛立ちを覚える

つまりどういうことなのか

人外曰く

今とほとんど変わらない

ただ認識の外にいく

それは、ゴースト?

それも違う

狭間にいるものは生まれなかったものになる

生まれないものに死はない

だから君はゴーストには成れない

なににも成れない

なるほど、それは確かに今と変わりない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る