10.中ボスだと思っていた時期があったらしいですよ

扉を開けた先には今までと比べもんにならない大きさのバケモノが居た…と思っていた時期が俺にもありました。

俺達の前にいるのは紛れも無く人間。幼女だ。これが中ボス?このダンジョンの創造者はなめとるん?


「あ、あのーあなた様が中ボスであるのですか?」

「ねえ...あれ迷子何じゃない?」

「そうだね…なんか動いてないし怖がってんじゃない?あとでまた来る?」


途端に部屋の魔力が尋常じゃない量になった。


「やべえ…この魔力量じゃヘタすれば俺達も死ぬぞ!…」

「でもあの子を見捨てるの?」

「多分この魔力は中ボスのものだろう。こんな魔力をもつ中ボスに俺達が勝てるわけないだろ!それにあの子も動いていないし、死んでる可能性もある。」

「ごめんね…助けてあげられなくて…」


俺達は振り返り逃げようとした。その時、「おぬしら待て!」という声と同時に俺達の目の前に土の壁ができた。

このまま死ぬのだろうか・・・ダンジョンなめていた報いだろうか…結構楽しかったゴブリン生だったよ…‥‥‥‥・


「‥ツキ!アカツキ!さっきより魔力弱まってる!返事して!」

「ハッ!!なんだ夢か。」

「夢じゃないわよ!それよりさっきの女の子生きているみたい。」


安堵した。だがそれは一瞬だけだった。


「まずい...このままだと俺達死ぬ!」

「え?」


そう。さっき誰かが言葉をはっしたのだ。内容は覚えてないが、多分あの子が言ったのだろう。しかも発したと同時に土の壁ができた。つまりあの女の子は…


「多分・・・いや絶対にあの子が中ボスだ…」

「…ハッ!」


マナも気づいたみたいだ。あの子は幸いにもうごいていない。仕掛けるなら...いまだ!


「いくぞ!」


全速力でポムがはしり突進を決めた。この突進はとても強いがぽむもしばらくひるむためそんなに使いたくなかったが。まあ決まるだろう。一撃で殺せないとはいえ重症になるだろう。


カキンッ!!


音と共にふっとばされた。なぜ?なぜ?それはすぐに解った。


「おぬしら何しとるんじゃ?」


幼女は俺らに敵意がないかのように喋った。


「お前は何物だよ・・・」

「ほっほう。初対面の人にお前と使うとは失礼じゃのう。」

「お前...貴方様のせいで死にかけたからな!」

「すまぬすまぬあん時は久々の敵で興奮してしまったからのー」

「久々?このダンジョンにだれかきたことがあるのか?」

「結構あるぞ?弱いやつばっかで1-3層で死んでしまってのう。我までたどり着くやつがいなくてのー」

「へ?じゃあ貴方様は何者なんですかい?」

「創造主じゃよ。そうだ名前をいい忘れとったわい。ゼパルじゃ」


肩に乗っていたマナの顔がみるみるうちに変わっていった。


「ゼパルって...いやゼパル様って...妖精王...ゼパル・インディーネ...」

「そうじゃよ。お主の母じゃ。」


俺は目の前の幼女がこの大型迷宮の創造主だったこととマナの母、いわば妖精王という事実にあたまが追いつかずいつしか俺は考えることをやめた。


「まあよい。おぬしらは結構強いの~これなら我のところまで来るのも時間の問題じゃな!」

「は、はあありがとうございます...」

「ていうことで我は最下層30層で待っとるぞい!いまからここの中ボスを呼ぶから戦闘準備をしときー」


そう言って妖精王ゼパルは消えた。その瞬間地は揺れ、目の前に3mのネズミが出てきた。


「ピチュー!!」


ドスンドスンドスン!ネズミは俺達に向かって突進してきた。

はあ…さっきの妖精王のせいで気が抜けていたが作戦通りに敵を倒すか!


「マナ!あれをしてくれ!」

「了解!」


バタンッ!ネズミはその場で倒れ動けなくなった。これはマナの光魔法「ライトバインダー」だ。


【ライトバインダー】


光魔法のlvに依存し強くなる。相手の行動を封じるスキル。


と、弱い敵なら最強クラスのわざだ。俺はその隙を逃さずに突進していった。


「くらえッ!闇魔法【ダーク・レイン】!」


そういうとネズミのうえに黒い雲ができ、闇色の雨が降りだした。

これは俺がボス戦(ゼパルに合う前)前に習得した闇スキルだ。【SP60】

だがこの【ダークレイン】はその闇スキルの中でも最弱のスキルだ。


【ダークレイン】


闇の雨をふらせ触れた敵を鈍足状態にする。


というスキル。ではなぜこの場面で使ったのか。それはすぐわかる。


バーン!!バンバン!バン!バーンバーン!


「ピチュー…」


【6210経験値を獲得しました。】

【第2層の扉が開きました。】


「ふう・・・無事に終わったか。」

「本当に成功するとは思わなかったわ。」

「失敗したらポムとマナのライトスピアで倒せたけどね。」

「ライトスピアって地味にMP食うからそんなに使いたくなかったのよ。」


なぜ倒せたか。それは属性が関係する。ぶつかり合うと危険な属性がある。

炎と氷、水と雷、そして闇と光。炎と氷はぶつかってもそこまで危険ではないが闇と光は違う。

闇と光はぶつかった瞬間…爆発する。つまりさっきの現象はマナがしたライトバインダーの部分に俺のダーク・レインが触れたので、爆発した、ということだ。

だから俺はたくさん闇と光をふれさせるためにダークレインにしたわけだ。


「この方法はまだまだ使えるけど、危ないからボス以外にはつかわないようにな。」

「わかってるわよ!流石にそこまでアホじゃないです!」

「ああ、わかってるよ。冗談だよ冗談。」

「もうー!さっさと行くわよ!」

「オー!!」


俺達はさきに進んでいった。

それとともに(中ボス倒したのにレベル上がらなかったなー)と思うアカツキだった。



名前:アカツキ

 種族:ゴブリン(レアライダーゴブリン)

 Lv:26/30

 HP:532/532

 MP:139/139

 攻撃力:102(+35)

 防御力82(+30)

 魔力:103(+25)

 素早さ:66(+召喚獣)

 スキル

「暗視LV6」

「体格lv6」

「筋力lv7」

「経験値UP率増加lv5」

「召喚獣強化lv5」

「魔力lv5」

「ライダーlv6」

「召喚:シバドッグ」

「鑑定lv3」

「闇魔法lv1」

称号

「転生者」 「不運者」 「自我魔物」 「ユニークモンスター」 「奇跡なるもの」「乗車省略」「相棒」

 スキルポイント:44


名前;マナ

 種族:妖精エンジールフライ

 Lv:27/30

 HP:192/192

 MP:312/312

 攻撃力:42

 防御力:34

 魔力:157(+65)

 素早さ:91

 スキル

「フライlv14」

「魅力lv4」

「回復魔法lv4」

「光魔法lv6」

「MPUPlv13」

「魔力lv14」


称号

「ユニークモンスター」「迷子の妖精」「相棒」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る