第10話 葵

 ホテルの朝食はビュッフェ形式で、僕はオレンジジュースとクロワッサンとバターロールに、スクランブルエッグ、こんがり焼けたベーコン(多めに)、ゆで卵、サラダ(少量)を食べて、最後に熱いコーヒーを一杯飲んで、とにかく時間をかけてのんびりと満喫した。

 結局昨日の夜は大浴場でお風呂に入る心境にはとてもなれず、備え付けのユニットバスで簡単にシャワーだけを浴びて、ベッドでその日の余韻に浸っているうちにいつの間にか眠りについていた。だから眠ったのは十時半とか十一時という早さだったと思う。実は大浴場は朝風呂サービスもあったので起床してからゆっくりと入浴して、八時半に朝食のビュッフェ会場へ行ったのだった。今は部屋に戻って窓から海を眺めている。体を伸ばしてもどこにも異常は感じられなかった。胃腸の調子も普段通りだ。夜が少し寒いからそれに体を合わせるくらいで、目に見えて体に異変は感じられなかった。今日も雲ひとつない快晴の朝だった。

 待ち合わせの十分前にチェックアウトを済ませ、しばらくするとおじいちゃんが迎えに来てくれた。僕は一泊させてくれてありがとうと伝えた。僕の様子を見て問題がないことを確認するとおじいちゃんは家へ向けて車を走らせた。車から釧路の町並みを眺めていると、郊外に大型店が増えたような気がした。この辺もだいぶ変わったのだなと六年の歳月を実感していた。

 十五分も走ると僕の記憶も鮮明になってきた。正面に見える小高い丘がホタル丘。今見ると本当に小さな丘だ。そして秘密基地への入り口、いつもの公園の横を通っておじいちゃんの家に到着した。おじいちゃんはお昼にまた戻ると言ってそのまま車を出して仕事場に向かった。

 おばあちゃんが出迎えてくれて、二階の部屋を使うように言ってくれた。おじいちゃんの家は懐かしい匂いでいっぱいだった。全てがあの頃のままだった。おじいちゃんの家の象徴である古い柱時計。僕はいつもおじいちゃんの家を思い出すときにこの時計のことが真っ先に頭に浮かんだ。あの頃と同じようにコツコツコツコツと振り子を揺らして時を刻み続けていた。

 僕はまず仏壇に挨拶しに行ってお線香をあげた。あの頃は気にもしなかったが遺影は四つ飾られていた。本物のおばあちゃんの他は曽祖父と曽祖母だと考えるのが妥当だった。もうひとつはおばあちゃんの亡くなった旦那さんのものが最近設置されたようだった。

 柱時計がボーンボーンと十一回音を鳴らして僕を歓迎してくれた。

 おばあちゃんが朝に荷物が届いて、玄関の横に置いてあると教えてくれた。僕はそれを持って二階に上がった。二階も少しかび臭いあの頃のままだった。段ボールを開けて何着かの洋服をハンガーにかけて、あとはわずかばかりの参考書などの勉強道具と読みかけの小説が二冊、最新のスクラップブック、シャンプーやバスタオルなどの風呂用品、Tシャツやパンツの着替えと寝巻き等を出した。リュックも開けて洗面用具や洗う物をそれぞれ適正な場所に移動した。最新のスクラップブックと一番古いスクラップブックの二冊は数学のノートと一緒にまた段ボールの中に戻しておいた。

 美織が尋ねて来たのは、お昼におばあちゃんが茹でてくれた素麺を食べ終わる頃だった。

「こんにちは」と言いながら美織は玄関の戸を開けた。

「あら美織ちゃん、亮太もう来てるわよ。上がりなさい」とおばあちゃんが出迎えた。

「おう美織入れ入れ」と既に食べ終わっていたおじいちゃんも顔を覗かせて言った。

「入るの久しぶり。お邪魔します」と美織は部屋に入ってきた。

 僕は入ってきた美織の方を一目見て、あんぐりして動きを止めた。

「わあ、素麺美味しそう……あれ?ねえ、なに固まってるの?」と美織は僕の肩を軽く叩いて言って。僕は我に返って残りの素麺を急いで全部口に入れた。そしてそれを麦茶で流し込んだ。

「わはは、その様子だと昨日はうまく会えたようだな」とおじいちゃんは笑いながら言った。

「うん、おじいちゃん色々ありがとう」と美織は言った。

 おじいちゃんはニコニコしながらただ頷いていた。

 僕があんぐりしていたのは、美織が制服姿だったからだ。これから部活だからそれもそうだが、スカートの丈は膝より上で通常よりも短く、今札幌でも定着しだしているルーズソックスという白地で中間部のゴムが緩そうなソックスを履いていたからだ。流行だからみんながそうなのかもしれないが、僕の学校は私服の学校だったので、そもそも女子高校生の制服姿にあまり免疫がなかった。そんな姿で家の中をうろちょろされると何か落ち着かない感じもした。でもまあ、これも悪くない。というよりは、僕には眩しく映っていた。

「美織ちゃんも食べていくかい?まだあるわよ」とおばあちゃんが言った。

「ううん。さっき少し食べてきたし、もうすぐ行かなきゃならないの。それよりおばあちゃん、晩ご飯もう用意しちゃった?」

「いいや、何にしようか、あとで買い物へ行ってからと思ってたけど……」

「おばあちゃん、今日亮くん借りてもいいかな?お母さんが亮くん来るならカレーいっぱい作るからって」

「へぇいいわね。それなら連れて行ってくれるとおばあちゃんも助かるよ。昨日ホテルで誕生日パーティもできたしね、亮太」とおばあちゃんは僕を見ながら言った。

「なんだ今日は母さん休みか?」とおじいちゃんが言った。

「そうなの。買い物に行く時間もあるからって」

「それなら亮太、お言葉に甘えて行って来なさい。こっちはどうせ晩酌しながらだし気にせんでいい。若いモンは若いモン同士の方が楽しいべ。時間が来たら寝てしまうから鍵だけは持っていきなさい」

「うん、わかった」と僕は言った。

「やったありがとう」と美織は喜んだ。

「亮くん、じゃあどうしようか。三時前に部活終わるけど」

「散歩がてら三時に学校へ行くよ。地図見れば行けるだろうし、校門で待ってる」

「わかった三時に校門ね。……じゃあお母さんに伝えて部活行って来る」

 美織はそう言うとお邪魔しましたと告げて慌ただしく出ていった。


 昼食の後片づけを手伝ってから僕は出かける用意をした。白い半袖のシャツを着て昨日と同じリーバイスのジーンズを履いた。ポケットにはまだ「あれ」が入っていた。そしてすぐそこの優子ねえちゃんの家を尋ねて叔母さんに挨拶した。叔母さんは優子ねえちゃんの引っ越しの時も今年に入ってからも何度か札幌に来ていたので、僕のことよりも優子ねえちゃんの近況報告だけで終わった。優子ねえちゃんの家の隣が美織の家だった。あとでおばさんとは六年ぶりに会うのかと思うとやはり懐かしい気持ちになっていた。

 空は晴れ渡り日差しも強くなっていた。日差しが強いといっても三十度にも届かないすがすがしい釧路の夏だ。それからいつも遊んでいた公園へ向かった。予想通りもうあの頃のような賑やかな公園ではなかった。目を閉じるとあの頃の子供達の姿が蘇ってきた。町の子供達、ヒロト、葵、それに美織。ボールを追いかけ、走り回り、大きな声で話し合い、時に言い合いをして喧嘩をし、泣いたり笑ったり……。時は流れ子供達が減り、その子供達の遊びもまた変わってしまった。わずか数年の間で失われた物があるように新しく生まれた物もたくさんある。今の子供たちには今の子供たちの夏の思い出がきっとあるはずだ。少し悲しくなったけどこれが現実だった。

 公園の路地の先にはホタル丘が見えていた。大きな夕陽を背に感じながら僕はこの路地を美織と歩いてホタル丘に向かったのだった。公園を出てまた少し歩くと秘密基地の川が見えてきた。あの土管は樹木や草に邪魔されてやはり見えなかった。行って確かめたい気持ちもあったが、今はやめることにした。

 それから地図を開いて釧路湖陵高校の場所を確認した。釧路駅からだと昨日の釧路川を渡りきってその少し先という位置関係だった。ここからだと三~四キロ程度だろうか。三時まではまだ一時間あるからゆっくり歩いて行ってみることにした。


 学校に着いたのは待ち合わせの十分前だった。夏休みとはいえ部活の生徒で出入りはそれなりにあった。制服を着ている子は美織と同じように丈の短いスカートの子もいれば、正規の制服のままの子もいた。

「ごめん待たせちゃったみたい」と美織は駆け寄りながら言った。

「いや、今着いたばかりだよ。まだ十分前」

「よかった。……ここがうちの学校。普通の建物よね……」

 僕達は少し校舎の方へ歩きながら話した。

「まぁ校舎や体育館の作りなんてどこも同じようなものだよ。ところで部活って聞いてなかったけど……」

「あぁ。吹奏楽よ。フルート。本当はピアノをやってたから弾きたいんだけど、吹奏楽ってピアノはあんまり関係ないのよね」と美織は寂しそうに言った。

「亮くんはまだ剣道やってるの?」

「うん。部には入ってるけど家の事情もあるからほとんど参加できてない」

「そっか、そうだよね」

 僕達がそんな話をしている時だった。

「あ、美織いいー、終わったの?今帰り?」とジャージ姿の女子二名が遠くから声をかけてきた。彼女たちが運んでいるタオルや飲み物からサッカー部か野球部のマネージャーがグラウンドへ行く途中じゃないかと思った。

 僕の存在に気づいたひとりが「え?誰あれ?え?まさか……」と呟きながら美織に近づいてきた。

 瞳が大きくそばかすの痕が少しだけ残るとてもかわいい子だった。僕は一目で彼女が誰かわかっていた。

「アヤ、ちょっと先に行っててあとから行くから」と近寄ってきた女子はもうひとりの女子に叫んだ。

「ねえ、ねえ、ちょっと誰なの?まさか彼氏とかじゃないでしょうね」と彼女は美織を掴まえ時折僕をチラッと見てコソコソ始めた。

 美織はニヤニヤしながら僕の方を見て「誰かわかる?」と彼女の方を指して訊いてきた。

「もちろん。葵だよね?」と僕はその子に向かって言った。

「えーーー、なんで私のこと……あなた誰?」と言いながら彼女はじっと僕のことを見つめた。

「ねえ、もしかして札幌の……亮太くん?そうなの?」と彼女は僕と美織を交互に見て言った。

「そうよ、亮くんだよ」と美織が彼女に言った。

「久しぶり。亮太です」と僕も言った。

「うっそーー、本当に?美織いいい」と言って葵は美織に抱きついた。

「やっと会えてよかったね。よかったね。今までずっと……長かったね」と葵は言って泣きだした。

「うん、ありがとう、葵」と美織は言った。

 それから僕達は座れそうな場所を探して、なぜだか葵を介抱することに時間を費やした。通りすがった生徒の何人かは僕達三人のおかしな光景に首を傾げていた。

「だって自分のことよりも嬉しいんだもん。何年だっけ?五年だっけ?え?六年?……ずっと会いたくても会えないのを知ってたから……涙が止まらないよ」と葵は言い訳するようにひとりで喋り続けた。

 それからも美織と葵は時折耳打ちを混ぜながら話し続けていた。あの頃のままいい関係だなと僕は二人の友情について思っていた。

「え?昨日会えたの?……うん。……それで今こうしているってことは、うまく行ったんでしょうね二人とも……うん。……うん。……そんなの美織の顔見ればわかるわよ。わかりやすいんだから」と葵は笑いながら言った。どうやら僕と美織がうまくいったことは葵に伝わったようだった。

「あーよかった。とにかくよかった。ねえ亮太くん、私が言うのもおかしいけど、美織のこと頼むね。絶対に離さないで。六年越し、いや十年越しくらいなんだから。お願い絶対離さないで」

「もちろんだよ。約束する」と僕は葵に言った。美織は恥ずかしそうにそれを聞いていた。


 それからしばらくして葵は部活に戻らなきゃと行って僕達と別れた。僕達も校舎を離れて校門へ向かった。校門を出るとすぐに美織は昨日と同じように手をつないできた。僕は辺りの生徒を気にしたが美織は「見られてもいいの」と言って手を離さなかった。

「亮くん、どこか行ってみたいところある?」と美織はどちらへ進もうか決めようとしていた。

「うーん、あ、そうだ夕陽が見たい」

 僕は昨日の橋の上での事を思い出してそう言った。

「賛成!じゃあ昨日の橋の近くに幣舞公園って高台の公園があるからそこにしよ。沈むところまではいられないけど、五時半までそこにいて六時に家に着くようにしよ。じゃあこっち。歩いて十分ちょっとくらいかな」

 そして僕達は歩き出した。昨日よりは上手に手をつないで歩けるようになったけど、まだまだぎこちない歩きだと自分でもわかった。

「学校一緒だったんだね、葵と」と僕は訊いた。

「うん。葵は元々出来る子なんだ。部活は野球部のマネージャー。でもびっくりしたね突然。あんな風に泣いて喜んでくれるなんて思いもしなかったな」

「いい関係だなって思ったよ。なんだか羨ましかった。あ、約束もしちゃったよ」

「そうだよ。絶対離さないでね」

「離すもんか」と僕は言ってつないでいる手に力を込めた。

 それからたわいもない話をしているうちに幣舞公園への登り口に到着した。美織と登ったホタル丘の石段を連想させた。僕達はゆっくりそこを登って公園に到着した。ほんのちょっと小高いだけの場所だけど、なるほどと僕は思った。街並みも夕陽も、きっと夜景も楽しめそうな手軽なスポットだった。

「まだ夕陽ってほどじゃないね」と美織は残念そうに言った。

「いいんだ」

「え?」

「美織と一緒ならなんでもいいんだ。夕陽や景色はいつでも見られるけど、美織とはずっと会いたくても会えなかった。ましてやこんな風に一緒にいられるなんて思ってもいなかったから、一緒にいられるだけでいいんだ」

 美織は僕に抱きついてきた。

「ねえ……、そんなに高かったら背伸びしても届かないよ。……して」

 僕は制服姿の美織を抱きしめながら首を下げてキスをした。柔らかい唇からはあの時と同じ甘い香りが伝わってきていた。僕達はしばらくそのまま抱き合ってお互いの温もりを確かめ合った。僕のペニスは自然とまた大きくなっていた。

 それからベンチに寄り添って座り、これから大きな夕陽になりそうな太陽を眺めていた。

「ねえ?戸惑ってる?私のこと」と美織は僕の様子を見て訊いてきた。

「いや、なんだろ。……恥ずかしい話だけど、僕は女の子とつき合った経験がないから、その……、美織と手をつないで歩くだけで興奮しっぱなしなんだ。美織の柔らかい体が僕に触れるたびに、僕の体はいちいち反応してしまうんだ。そういう男の性的な……わかるだろ?」僕は昨日から気にしていたことを正直に言った。

「わかると思う」と美織は言った。

「それをコントロールできない僕自身の戸惑いみたいのはある。あと、そのキス……とかのタイミングとか順序とか頻度とかがまるっきりわからないから受け身になってると思われるかもしれないけど、心の中は決してそうじゃないよ」

「そっか。十七歳の元気いっぱいな男子だもんね。そりゃそうよね。でもそんなのコントロールできるはずないよ。自然な事よ。だからその、アレが大きくなっても恥ずかしいことじゃない。普通のこと。気にする必要なんてないよ。それに私だってくっついてるだけであそこが熱く感じて、その……。わかるでしょ?」と美織は顔を赤くして言った。

「なんとなく」

「あー恥ずかしい。なんか保健の授業みたいね」と言って美織はさらに顔を赤くした。

「昨日から悶々としていたことだから話せてよかったよ」

「お互い初めての経験だもんね。全部亮くんが初めての経験の人で私は嬉しい。……ねえ、面倒な女だと思わないで聞いてね。私が言いたいのは、ずっとこうしていたいってことなの。いつもくっついてキスしてたいだけなの。焦ってるわけじゃないよ。昨日きちんと告白し合って、やっと自分の夢が叶って、自分でも積極的すぎるかなって思うくらいだけど、でも、でもよ、もしまた突然いなくなったらって、また何年も会えなくなったらって思ったら……、亮くんも六年も会えなかったから同じ気持ちわかるでしょ?それに、夏が終わったら亮くん札幌に戻っちゃうでしょ。だから今しかないじゃない。一ヶ月後に映画を観に行こうって約束しても簡単には行けないのよ。夢が叶ったその瞬間から残酷なカウントダウンが始まったの。あと三週間、あと二週間、あと一週間、あと三日ってなるのよ。ずっとそうだったの。小学校の夏休みが始まって亮くんがこっちにきてからあと何日あと何日ってカウントダウンされるのよ。夏休みが終わって、次に会えるのは冬休み。それが終わると次は夏まで、その度に私は枕を涙で濡らしてたの。もう大人になってきたからわがままは言わないわ。我慢もできる。他にやらなきゃいけないこともいっぱいある。でも一緒にいられる間は一分一秒でも一緒にいたいの。くっついていたいの」

「よくわかるよ。僕達は常に期間限定の特殊な状況下で会っている」

「そうよそれ。だから、キスをせがんだり、抱きついたりするかもしれないけど、私は自分の気持ちに素直に今を大切にしたいだけなの。……あ、いや、なんかおかしいね。そういうことばかりしたいわけじゃないよ。あくまで例えだからね例え。ただ一緒に話してるだけで本当に幸せなんだから」

「わかってる。僕も同じだよ」

 それからしばらくすると大学生くらいのカップルが僕達のそばで夕陽を眺めだした。夕陽はもうずいぶん大きくなってきていた。

 美織は立ち上がってちょっと来てと僕を引っ張った。彼女はカップルの方へ近づいて「すみませーん」と言って、鞄から使い捨てカメラを取り出して写真を撮ってもらえますか?と頼んだ。美織は少し丈の短い制服のスカートにルーズソックスを履いた今風の姿で、僕はいたってシンプルな半袖シャツにジーンズという冴えない恰好で、手をつないだまま生まれたての夕陽を背に二枚写真を撮ってもらった。カップルの男性は僕達もお願いできるかな?と言った。僕は彼のキャノンのカメラで同じように二回シャッターを切った。それからお互いに礼を言ってそれぞれの空間に戻った。

「二人だけの写真欲しかったんだ。ずっと」と美織は言った。

 それから僕達はバス停へ向かうことにした。大きな夕陽は圧倒的な存在感で幣舞橋からも見事に眺めることができた。橋を渡ると昨日歩いた見覚えのある道に出て、すぐに昨日は通りすぎただけのバス停に到着した。

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