第17話 シャトー サン・ロック ブラン 2016 ヴィエーニュヴィーニュ

 最近、ワインの解説本を購入し、その本に触発されて「ワインを飲もう!」と思い立ち、立ち寄った先で白ワインを購入しました。それが『シャトー サン・ロック』でした。





 フランス南部のラングドック地方にある、ドメーヌ・ラファージュというワイナリーが作る白ワインだそうです。


 『ヴィエーユヴィーニュ』という名称は、『樹齢の古い樹のぶどう』という意味で、このワインは樹齢70年のグルナッシュブランという品種の古樹から収穫したぶどうを使用しているそうです。





 コルクを抜栓してその底面の香りを聞くと、白ぶどうの香りと共にピーチのような果実感のあるニュアンスも感じられ、グラスに注ぐと、さらにメロンのようなニュアンスの香りも感じられます。飲んでみると、甘さや酸味はかなりはかなく、スッと消えて後に残る微妙な苦味があります。もちろんイヤな苦味ではなく、心地よい余韻としてわずかに残るのです。


 今回はワイン単品で頂きましたが、もし食事と合わせる事を考えると、なかなかに難しいワインかと。合わせるなら、白身の魚に軽く塩を振って焼いただけのものや白身魚の刺身を合わせるなど、シンプルな食材との相性が良さそうです。







 印象をイメージすると、

「大理石で作られた白亜の宮殿。その中で待っていると、薄布を纏った踊り子が目の前をスッと通りすぎ、果実のフレグランスが後に残って消える。まるで夢幻の如く、あれが現実だったのかと思わせる。そんな一杯」


 決して薄いだけのワインではなく、はかなくとも印象に残る、そんなワインでした。

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