第15話 bar『EST!』のマティーニ

 たまたま用事も無くイベントに出るのも億劫になっていたある日の事、Twitter上で緩く夕飯をご一緒して下さる方を募集した所、ある方が立候補して下さり、その人と一緒に夕飯を軽く頂いてきました。


 その後、ちょっと一杯飲もうかとしていたので、ここはと目星を付けていたbarに行く事に。それが老舗の湯島のbar『EST!』さんだった訳です。


 お店自体は上野公園の南の路地裏にあり、しかも入口には看板が1枚あるだけ。一見さんではちょっと入りづらい所ではありますが、重い扉を開けば、快く招き入れてくれます。バーカウンターが6席にテーブル4席の10席程度の小さなお店で、カウンターの向こう側には珍しいボトルのお酒が並んでおります。


 そして私はその時に、マティーニを頂きました。そのマティーニが完璧なほどに美味しかったので、こちらに書き留めておこうと思います。





 まずはカクテルグラスに氷を入れて冷やしておくのですが、その風景すら美しく、まるで大粒のダイヤモンドを置いてあるような、きらびやかな風情でした。


 材料は、ジンはゴードン、ベルモットはノイリープラット。作る手元が見えなかったので分量はわからなかったのですが、おそらくベーシックな2:1かと。それをステアで混ぜます。その際に氷が当たる「カラン」という音がほとんどせず、バーテンダーさんの技量の高さが推し量れます。


 グラスの氷は捨ててカクテルを注ぎ、レモンピールを搾って香り付けをし、最後にピンを刺したオリーブを入れます。いわゆる『バックアイ・マティーニ』というモノです。





 頂いてみると、仄かに甘くキレもあり、レモンの香りが華を添えて油漬けのオリーブの油分でコクもプラスされている、まさしく非の打ち所の無い王様のカクテルでした。


 アルコール度数が高いのですが、一気にゴクリと飲めてしまいそうになります。しかしそこはグッと耐えて、ゆっくり味わいつつ飲みました。もう飲むのが勿体無いくらい。





 素晴らしいカクテルとお店に出会いましたので、是非皆様にご紹介しようと思います。お暇でしたら、是非ご来店下さい。人気のお店ですので、席がいっぱいだったらごめんなさい。


 一緒に行った友人にも感謝。彼がいなければ、このカクテルにも出会えなかったでしょう。


 また次回も行ってみたいと思います。さて、次回は何にしようかな?

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