第9話 白樺派のカレー(cafe茶豆2回目)

 皆様は『白樺派』というものをご存知でしょうか。大正時代、千葉・手賀沼の近辺に、文豪・陶芸家・声楽家などが集り、様々な芸術活動を行っていたそうです。彼らは雑誌『白樺』を作ってそこで様々な芸術を発表した所から、『白樺派』と呼ばれたそうです。有名な所ですと、志賀直哉や武者小路実篤が挙げられるでしょうか。


 そんな彼らの拠点になっていた『三樹荘』では、カレーが食されていたそうです。作っていたのは柳兼子という方。声楽家であり『日本声楽の母』と呼ばれている方だそうです。


 そんな訳でそのカレーにあやかり、千葉・我孫子では『白樺派のカレー普及会』なるものが創設され、色々な飲食店にて食べられるのだそう。今回はそのお店のひとつ『cafe茶豆(かふぇ ちゃず)』さんの白樺派のカレーを頂いてきました。


 見た目はちょっと具材の少ないカレーでして、ご飯には『ゆかり』と福神漬・らっきょうが添えられて、さらにサラダもついてきます。史実にもとづいて、「隠し味として味噌を入れる」そうです。そして目立つ具材は切り落とし風の豚肉と玉ねぎ。どうやら玉ねぎは、しっかり飴色になるまで炒めたものと食感を残すように後から入れたもの、二種類が入っているようでした。


 味わいは、味噌が入っているだけあって、結構甘めでコクが強く、某宣伝であるような『大人の甘口カレー』といった所。玉ねぎと他の香味野菜も溶け込んでいるのか、野菜の優しい甘さが主張する美味しさでした。

 添えられているサラダは、酢がベースになっている極めてシンプルなドレッシングがかかっており、少し油脂分が強いカレーを食べた口をサッパリさせるのに、ひと役かっております。サラダは塩とコショウのミルも一緒に付いてきて、好きなだけゴリゴリと挽いてかけられるのは嬉しいポイントです。


 そして食べ終わって少し間が空いた所で、「あ、ああー。なるほどそうか」といった感じで、辛味がほのかに後を引いてくるのです。それがまた心地よい刺激でした。


 さらにセットでアイスコーヒーも注文。こちらのアイスコーヒーは、いわゆる紙パック入りリキッドタイプのアイスコーヒーとはひと味違い、酸味は無く、コーヒー豆の苦味と旨味がちゃんと感じられるコーヒーでした。コーヒー好きにはたまらない味わいかと。苦味は少し強めですので、苦手な方はガムシロップを多目に溶かすと良いでしょう。


 今回で2回目の茶豆さんご訪問ですが、まだまだ美味しそうな食べ物やコーヒーが御座います。


 機会を見つけて、またお邪魔しようと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る