第6話 焼きたてスコーン

 今では、カフェでもパン屋でも、普通に作られ食べる事が出来ます、スコーンというもの。紅茶のお供ですね。


 しかし、焼きたてのスコーンを召し上がった事がある方は、なかなかいらっしゃらないと思います。本来のスコーン、焼きたてのものを食すのが一番美味しいのです。


 小麦粉・バター・ベーキングパウダー・砂糖・牛乳・卵、私はそこに砕いた胡桃くるみを混ぜ込むのが、お気に入りです。全て、普通に近所のスーパーで購入出来る、一般的な商品です。


 小麦粉にベーキングパウダーを合わせ、バターは直前まで冷蔵庫で冷やしておいたものを使用。バターは細切れにして、小麦粉にまぶしつつ指で潰し、そぼろ状になるように混ぜます。これを『こなし込む』と言うそうです。


 砂糖は、ちょっと高めのきび砂糖を使用。あまり多く入れると、小麦粉の風味が無くなってしまいます。

 砂糖と砕いた胡桃くるみを投入し、サッと混ぜます。


 卵と牛乳を合わせて溶き混ぜ、それを少しずつ粉類の中に投入し、スケッパーという道具で切るように混ぜ、練らないようにします。卵と牛乳の液は、粉の乾燥具合で量が変わってくるので、少し多目に用意して残しておきます。


 生地がまとまったら、小麦粉をふった台の上に乗せ、手の平で伸ばします。そして、伸ばす→スケッパーで切る→重ねる→伸ばす、を、4~5回ほど繰り返します。


 セルクルや縁の鋭いコップなどで円筒形に型抜きするか、包丁で四角く切り分けるか、ともかく食べやすい大きさにします。


 それで、残しておいた卵と牛乳の液を、スコーン生地の上面にハケで塗ります。これが、美味しい焼き色の元になります。


 後は、220℃のオーブンで15分、焼きます。重ねた生地の境い目が割れて、オオカミの口のようになったら、最上の出来映えです。


 取り出したばかりの熱々のスコーンを、口の中に放り込みます。外側はサクッと、内側はホコホコふんわりホロホロ。小麦粉の風合いが感じられ、胡桃くるみのコリッとした食感がアクセントになります。


 単体でももちろん美味しいのですが、やはりミルクティーと一緒に頂くと、相乗効果で素晴らしい美味しさになります。


 イチゴジャムとクロテッドクリームを添えられたら、もう堪らない。焼きたてスコーンの熱でトロリと溶けたクロテッドクリームと、イチゴジャムのコンビネーションも最上で、口の中は香ばしい香りの渦となり、食感も複雑で楽しいティータイムになります。


 私が作ったスコーンを召し上がった方々は多いですが、焼きたてを召し上がった事がある方は数えるほど。


 身近でスコーンを作られる方がおられる場合は、是非焼きたてを召し上がってみて下さい。段違いの美味しさですよ。オススメです。

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