13. The Parents

 『親』という名詞を俺達未成年が聞いた時、恐らくほとんどは自分の親を想像するだろう。肉親がいないという人だって、育ての親を思い浮かべるかもしれない。親が子に期待する事が様々あるように、子が親に何を思うかも人それぞれで、親子の数だけその形があるはずだ。

 他人の親がどうなのかなんて基本的には分からない。俺は自分自身の親を思い浮かべた時、とても大事にされていると感じる。諏訪高を受験すると決めた時も、その意見を尊重してもらった。悪く言えば放置しているとも言えるが、自由な選択をしたい俺達兄妹にとってはありがたい。

 もし、自分の親がモンスターペアレントだったらどうなっていただろう。いちいち学校に文句を言う親なら、自分の子供に対して要求も多いかもしれない。もしくは子供を溺愛しすぎて甘やかすが故に、周りに責任を押し付ける為に文句を言うのかもしれない。どちらにしても、その子供にとっては迷惑な話だと俺は想像する。心も体も急成長する時期に、親の影響を強く受けて自立を邪魔されるのだから。



 ゴールデンウイークも終わりに近づいた平日金曜日。BECのメンバーが4人になったLL教室では、後ろの広いスペースで軽音部のボーカルとリアルアイドルによる歌とダンスのレッスンが行われている。俺は相変わらず教卓から4列目1番左側の窓際の席で外の景色をみたり、スマホをいじったりして時を過ごす。そこに後ろのレッスン模様を観るという項目が最近追加された。松木戸先輩は相変わらず教卓でノートパソコンをタイピングしまくっている。そんな中、1人の訪問者が教室の扉をノックした。


『コンコン』

「入れ」

『ガラッ』

「『入れ』じゃないなぁ松木戸、目上の人間には『どうぞ』だ。生徒ばかりがこの教室に来ると思ったら大きな間違いだ」


 LL教室に入って来たのはおきな教頭。薄い黒色レンズのサングラスをした50代後半のBEC担当教師で、シルバーのスーツに黒シャツを着用している。独特のリズムでぼそぼそっと喋り、髪もあご髭も渋い茶色のダンディな先生だが、松木戸先輩とは違う大人の威圧感がある。委員長は頻繁にBECの活動報告を教頭にしている様だが、俺は直接絡んだ事はない。この前の石子君の件でクラスメイトを集めた時や千歩ちゃんの件でライブをした時は、松木戸先輩が教頭に許可をもらってから行動していた。


「教頭からLL教室に来るのは初めてだからな。無理もねーかと」

「可愛くない教え子だなぁ。……まぁ、んな事どうでもいいが」


 どうでも良くないだろ。そもそも松木戸先輩の教師に対する言葉使いを注意するべきだ。


「石子の件だがなぁ、親へ報告済みだ。加害者側の親もBECのやり方には理解してくれた」


 翁教頭はまるで当たり前の事をしているかの様に、大した事はしていないかの様に独特なペースで喋っている。いじめがあった事を親に話すのは簡単な事ではないはずなのに。


「なになにっ? 解決した人の後日談ですかっ☆」


 ヘアーワックスでゆるふわ髪にセットした美月が何の躊躇ためらいもなく会話に入ってきた。松木戸先輩が答えた。


「そーだ。BECで解決した事を総括して、状況に応じて親にも報告しなくちゃならねー。その役割をしてんのが翁先生っつー訳だ」

「へえ~☆ 教頭先生凄いっ!」


 美月が1人で盛大な拍手をしたが、教頭の表情は何も変わらなかった。


「別になぁ、あとで問題になったら責任を取るのが面倒だからやってるんだがなぁ。責任を取らされる前に、自分から取りにいってるんだよ」


 なんだその理論。カッコ悪いけど憧れる。


「んーで先生、今日は何の用だ? まさか事後報告の為だけに来たりしねーだろ?」

「察しは良いが、質問の仕方が可愛くないなぁ。……あぁ、面倒くせぇなぁ。話す気失せてきた。一服して来ようかなぁ……」


 おい。この教頭大丈夫か? 教師の口からこんなに『面倒』という言葉を聞いたのは初めてだ。


「まぁ、今言わない方が面倒だから言うけどなぁ」


 言うのかよ!


「別件だが、面倒な親から依頼が来た。くだらない内容のなぁ」

「くだらねーのに、先生がわざわざココに来たって事はよっぽどなんだろうな?」


 今更気付いたけど、この教室にいる俺以外の男は全員口が悪い。


「端折って言うと、子供同士で漫画の貸し借りをした、時間が経ってなくした、親にチクった、親同士で揉めた、学校に言いつけた、ってところだなぁ」


 端折り過ぎだろ。


「……確かに面倒だな。なー東雲?」

「面倒ですけど、いじめではないんじゃないですか? よくある話ですし、BECが解決する必要あるんですか?」

「本来は必要ねーな。けど、問題を起こしてる生徒自身で解決しねーのは問題だ。親が絡むから面倒な事になる。自分の問題くらい自分で解決するべきだ。今後同じ事が起こり得るっつーのは、BECが解決すべきSOBだな」

「BECがある学校で良かったですねっ☆」

「まーな。オレ達はとにかく生徒に対して、親からの自立を促しにいく」

「方針は決まったなぁ。――松木戸、生徒に対してのアプローチは任せるぞ?……あぁ、やっと一服できるなぁ」

「分かった。後で報告する」

「あぁ、面倒くさいなぁ……」


 教頭は多い一言を呟きながら、ゆったりとした歩き方でLL教室を出て行った。見た目と仕草は格好良いけど、面倒くさがりすぎて格好悪い。……人として。


「教頭先生って、なんか変わった人ですねっ☆」

「そーだな。変わってるつーか、そもそもの人種が違うっつーか、そんな感じだ」

「教頭出てった? 私あの人苦手なのよね」


 ずっとダンスの練習をしていた綾乃先輩が、白タオルで汗を拭きながら会話に入った。


「綾乃先輩は苦手なんですかっ☆」

「底が知れない感じで、私はそれが怖い。どんな手を使ってるのか、法律内でやってるのか疑ってしまうのよ」


 どんな手を使ってるのかという疑問なら、俺はこの前の松木戸先輩に対して抱いた。石子君の件でクラスメイトに同調させた方法だ。


「別に先生を庇うつもりじゃねーが、ちゃんと合法でやってるぞ? あの人は面倒臭がりで、問題の先延ばしを嫌う。だから早めに行動して、親を納得させる。大事おおごとになる前にな。今回オレ達に話を持ってきたのも早めの決断だろう。いじめ撲滅に限らずほとんどの物事は、行動が早ければ早いほど選択肢が多いからな」

「あたしは単純にカッコ良いって思いましたっ☆ ダンディ翁って感じっ!」


 その呼び方は止めろ! スーツの色とキャラが違う。あと時代も。


「私は怖い――得体が知れないから。教師が茶髪にサングラスでしょ? 凄い事は分かるんだけど、裏がある気がするのよね……」

「人間なんてみんなそんなもんだろ? 綾乃だって、学生の顔とアイドルの顔があるじゃねーか。全員表と裏、光と影があって、光の部分が強い人ほど影がくっきりしやすい。周りのイメージで勝手に光が強く見えて、影の姿を見た時のギャップでがっかりが増す事だってある。本人はただ、自分の気持ちに素直にしてるだけなのにな」

「……ええ。……まぁ、そうね」


 他人への偏見というのは怖い。相手の本質を理解してないのに、分かった気分になって接してしまうとトラブルの元だ。トラブルを恐れて関わらないようにし過ぎても、俺みたいに人見知りになるけど。


「そういう話なら、俺は松木戸先輩が去年演説するまで得体が知れなくて怖い存在でした。『あんな金髪で身だしなみが酷い人が何で生徒会なんだろう? 諏訪高って荒れてるのか?』って」

「あははっ、あたしもで~す☆」

「練君大正解!」


 判定を下した綾乃先輩に、松木戸先輩は睨みを利かせた。


「でも俺は演説を聞いて、『あ、真っ直ぐな人なんだな』って思いました」

「おー、そーかそーか。バレちまったかー」

「奨ウザい。なにニヤけてるのよ」


 確かに少し嬉しそうだ。少し頬が緩んでいる。


「後輩に褒められたんだから、ニヤけて良いだろーが!」

「あんた如きで自惚れてる顔がウザいって言ってるのよ」


 まずい。……だが俺は止めない。監察官だから。


「それより松木戸先輩っ☆ 教頭先生は具体的にどの親が学校に言い付けたか話してないですけど、先輩はどの生徒の話か分かってるんですよね?」


 ちっ。美月が止めに入った。


「オレはある程度把握しているが、オキナ先生からもメールで報告があった。今回トラブルになった生徒は1年1組の男子生徒2人。藤松ふじまつ清史きよし谷繁たにしげ直幸なおゆきだ。藤松が漫画を貸した側で、自分の親が学校に直接言いに来た。漫画を借りたのになくして、弁償する事になったのが谷繁だ」


 翁教頭がメールでも松木戸先輩に伝えている事に俺は疑問を持った。なんで新学期から来てなかったこの教室に、今日になって来る必要があったんだろうか?


「弁償すれば解決じゃないですか。BECが出る幕じゃないですよね?」

「だが、このままだとSOBを残しそーな流れだ。東雲に聞くが、問題があるごとにいちいち親が出て来るヤツと仲良くしてーか?」

「いや、無理です」

「そーだろ? 仲良くできねーのが現実だ。いじめって訳じゃねーけど、これから孤立する可能性が高ぇー。それが今回のSOBだ」


 親のせいでSOBがある。子には責任がないのに周りから仲良くされなくなる。なんて理不尽なんだ。


「しかも今日が金曜で明日から土日だろ? なんとか明日の午前授業後には終わらせてートコだ。翁先生じゃねーが、後回しになる程面倒だ」

「1年1組でしたら千歩ちゃんと一緒ですよねっ☆ あたしお店に行って、2人の事聞いておきますねっ!」

「今回は明日の放課後に、1年教室に乗り込んでここへ呼び出そーと考えている。話はその時だ」

「教室に乗り込むなら、我々に任せて下さい隊長っ☆」


 誰だか知らないけど敬礼するな。お前の乗り込みは嫌な予感しかしない。


「んじゃ、呼び出しは新倉と東雲に任せていーか? オレも放課後になったら向かいたいんだが、3年の教室とは距離があるから効率が悪い。新倉と東雲には先に2人の確保してLL教室に連れて来てくれ。一応、1年1組の担任にも連絡しておく」

「らじゃー☆ ボス!」

「分かりました」

「ごめんなさい。私は土日に公演があるから参加できないの」

「そうなんですかっ☆ 公演良いな~、観に行きたいですっ! 頑張って下さい!」

「ありがとう、美月ちゃん」

「こっちの事は気にすんな。綾乃は綾乃の事に集中しろ」

「言われなくても集中してるわよ。あんた何様のつもりなの?」


 いいぞ。もっとやれ。


「とにかく明日は当事者の確保を優先しますねっ! では、あたしとレンは情報収集でKAWAKAMI CAFEに行きますっ☆ 先輩方も行きましょうよ!」


 勝手に決めるなよ。しかも常識的に考えて、犬猿の仲を千歩ちゃん家に連れてくのはさすがに迷惑だと思う。俺は小声で美月の耳に囁いた。


「おい美月、まずくないか?」

「レンの言いたい事は分かるけど、1人だけ誘う訳にいかないでしょ? 平気だよっ」


 美月も小声で応えた。


「オレは行かねー。川上と直接話したい気持ちもあるが、別件も抱えてるからな」

「私は行こうかしら? あそこのお店時々寄るのよね」


 良かったけど、残念だ。


「そしたら綾乃先輩、早速行きましょう! 活動開始っ☆」



―*―*―*―……


「あの2人ですか……直接お話した事はないですけど、両方ともあまり前に出るタイプではないですね」


 千歩ちゃん家に着いて店内の丸テーブルに座り、パフェを注文した後に美月が質問すると、フリフリメイドっぽい服の千歩ちゃんから今の答えが返ってきた。


「うーん、そっか〜。マザコン感とかある?」


 なんだよその質問。話した事ないんだから知ってる訳ないだろ。


「あ! あります!」

「え、あるの?」


 俺は声に出して反応してしまった。


「私が見た訳じゃないですし、それでマザコンって決めつけてしまうのは良くないですよ? でも藤松君のお弁当がいつも豪華な手作りみたいで、ごはんがハートになってた事があるみたいです」

「高校生の男子に、ハートのお弁当?……もし、奨だったらと思うと寒気がするわね」


 本人がいない所ででディスられてもな。


「あたしはそういうの、親子仲が良いなって思うんですけどね〜☆ レンはどう思う?」

「弁当は本人がよければ良いと思うけど、仲良過ぎのせいで今回みたいな事が起きるのは周りに迷惑かもな」

「そっか〜。千歩ちゃん、他に気付いた事とかある?」

「そうですね……他は特に。最近あまり2人がお話ししてない気がしますけど、どっちもお喋りなタイプじゃないので特に問題はないと思います」

「そっか。分かったっ☆ ありがと千歩ちゃん!」

「千歩ちゃん、ありがとう」

「ごめんなさいね? 変な質問して」

「いえ、良いんです。では一旦失礼します!」


 元人見知りの千歩ちゃんは、元気よくキッチンの方へ戻って行った。


「もうある程度、答えが見えてきたわね。後はどう解決するかってところかしら?」

「とにかく明日本人達と話してみて、どうするかって感じですかねっ?」

「――美月。ちょっと確認しても良いか?」

「ん? なんだい少年。話してみよ」


 いきなりキャラチェンすんな。


「お前さ、ここに来た本当の目的はパフェなんだろ?」

「えっ? そそっ、そんな事、ないじゃん?」


 分かりやすい奴。


「あら? そうだったの? てっきり私と奨の喧嘩を止める為かと思ったわ」


 それもあるだろ。……しかも綾乃先輩、自覚あるのかよ。


「ま、ま〜あれですよっ☆ 先輩達を止められて、千歩ちゃんに話が聞けて、パフェも食べられる? まさに一石三鳥いっせきさんちょうって感じですっ」

「ごめんなさいね。気を使わせちゃって」

「いえいえっ☆ 気なんてそんなっ」


 気があるのは甘い物だけだしな。


「それよりBECの活動に話を戻しましょうっ☆ ウチの親はうるさくて口出ししまくってきますし、親って普通は子に干渉するもんだと思うんですけど、皆さんはどうですか? レンの親は何となく知ってるけど、特に綾乃先輩はどうでしょうか?」

「私の親?……そうね、割と厳しい方かしら。ユニ×ユニのオーディションを受ける時も猛反対されたのよ」

「えっ! そうなんですか? 綾乃先輩みたいにしっかりしてる人でも反対されるんですか?」

「私なんてまだまだよ。同級生と比べればしっかりしてるかもしれないけれど、親からすれば子供なんだと思うわ。私自身も自分がまだ子供だと思うしね」

「綾乃先輩でもそう思うんですねっ。あたし達からすれば、とっても大人っぽいにっ☆」


 当然な事だ。俺達は大人ぶる事はできるけど、本質的に大人にはなれない。大人になったつもりの高校生はたくさんいるけど。


「なんで厳しい親は子供を否定したり、よく口を挟んだりするんですかね?」

「う~ん……なんだろ? 子供がヘラヘラするのが気に入らないのかなっ☆」

「あくまで私の推測だけれど、それだけ子供に対しての理想が高いからだと思うわ。理想通りの子だったら、何かを言う必要なんてないもの」

「なるほどっ☆ 確かにそうかも!」

「私と美月ちゃんの親は、子供に高い理想があるかもしれないわね。高すぎる理想を押し付けて苦しませる事もあるけれど、子に向上心を植え付けるのは良い事ね」


 俺の親にはそういう事はない。今更親に口を挟まれるのも嫌だけど、子供に期待してるのは羨ましいとも思える。


「俺の親は理想とかないんですかね? 兄貴や妹が何をやっても文句言わないですし、俺が帰宅部でも何も言いません。天の邪鬼発言したって特に否定されないですし、子供に期待なんてしないのかも」

「自分の子供がどうでもいい親なんていないと思うわ。もしいたとしても、練君が高校生になるまでにとっくに育児放棄してるんじゃないかしら? そう考えると、何も言わない事自体に意味があるかもしれないわね。例えば期待通りだから言わないのか、そもそも言う事がない位理想の子なのか、子に理想を押し付けない主義なのか、とかね?」

「うーん。……そうですかね?」

「そうよ、きっとね」


 また綾乃先輩の綺麗過ぎる男殺し笑顔が炸裂して、俺は不覚にもドキドキしてしまった。


「お待たせ致しま――」

「よっ☆ 待ってましたっ!」


 反応早いだろ。千歩ちゃんがトレイの上に3つのパフェを載せて再登場した。


「あはは、お待たせ致しました。スリーベリーパフェ、カスタードプリンパフェ、はちみつレモンパフェです」


 綾乃先輩の前にベリーパフェ、美月の前にプリンパフェ、俺の前にはちみつパフェを千歩ちゃんが置いた。


「皆様準備は宜しいですねっ☆ それでは乾杯!」

『チンッ』

「上手いっ! カスタードクリームと生クリームとカラメルソースが相性良すぎるっっ☆」


 乾杯から食ってコメントが早ぇよ。


「ふふふ。美月ちゃん、甘い物好きなのね? パフェで乾杯したの初めてだわ」

「分かりやすいですよね。本当、嬉しそうに食べるよな」


 それにしても、あんな甘ったるそうなパフェをバクバク食うなんて凄いな。俺は食べるのを見てるだけで胸焼けしそうだ。


「そふいえふぁ☆ 千ひょちゃんひはどうなふぉ? ひょうふぃんはひびひー?」

「え? えっとぉー……」


 千歩ちゃんが困惑している。


「美月、食べながら喋るな。千歩ちゃん困ってるだろ」

「……千歩ちゃん家はどうなのっ☆ 両親は厳しい?」

「厳しくはないと思います。けど、こうやってお店もしてる家なので、もう少し人前に出てほしいと思ってる気がします。それもプレッシャーだったんですが、こうやって接客出来るようになったのは皆さんのお陰ですね」

「いやいやっ☆ それほどでも〜」


 少しは謙遜しろよ。まぁ、あの件はほぼ美月のおかげだけど。


「本当にありがとうございました。私の家みたいに親が子に何かを求めない場合は、自分で考えないといけないですね。自分がやろうとする事が良い事なのか、悪い事なのか」

「そうね。どちらにも捉える事が出来るけれど、プラスに考えた方が良いはずよ。きっとね?」


 厳しさが愛の裏返しなのであれば、俺の親は愛があまりないのだろうか? 悪く考えても仕方ないし、俺の親は愛があるから任せてくれていると信じたい。綾乃先輩の言う通り、プラスに考えた方が良いはずだ。


 この世界には色々な親子関係がある。子が親を選ぶ事は出来ないし、途中で代えるなんて事も出来ない。どんな親子関係にもメリットとデメリットがある。厳しい家庭であれ、放任主義な家庭であれ、親子のどちらかが無理をしなくてはいけないのであれば、関係が上手く長く続けられるはずがない。結局は互いに無理強いをし合わない関係が、俺は1番大切な事の様な気がした。

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