第6話 離婚調停
景ちゃんは顔に似合わず結構な勢いでお酒を飲んでいる
少しだけ頬がピンク色になる程度で
さほど酔っているようには見えないけど
こんな話を掘り下げてしてること自体
酔っているからなのかもしれない
「先生とはそれからずっと?」結衣ちゃん
景ちゃんは首を横に振った
「看護学生になってしばらくして
束縛に耐えれなくなって別れた
あっけなかった
あんなに好きだったのに
一度さめると駄目ね
何もかもが嫌になって・・・」景ちゃん
景ちゃんは少し淋しそうな顔をした
「卒業式の日
「つきあってる」って私達に教えてくれたじゃない
私は先生と結婚するんだろうなって思ってた」礼
景ちゃんは苦笑いをして
「彼と付き合っていた頃の私が幼かったのよね
それしか知らないから
ちょっと苦しくっても嫌な事があっても耐えれた
彼は大人だから間違えないって思えた頃は良かった
だけど
視野が広がってくると
何だか急に息苦しくなってね
彼も大人として完全ではなくて
理不尽だったり強要だったり
「おかしいでしょ!」って思うことが多くなっていった
私は尊敬できる相手じゃなくっちゃ駄目だから」景ちゃん
結衣ちゃんは何度か首を縦に振って
「先生もまだ若かったからね
景ちゃんに夢中だったんでしょうね
どんどん成長して素敵になっていく景ちゃんが自分から離れていくことに苦しんでたんじゃない?
知ってた?
先生、景ちゃんと別れて直ぐ結婚したんだよ」結衣ちゃん
驚く私と
景ちゃんはさほど驚いた表情ではなかった
「どうして結衣ちゃん知ってるの?」礼
結衣ちゃんは言いずらそうに
「実は私
今、先生の離婚調停の代理人なんだ
しかも奥さんの方の・・・
結婚当初からの話をまとめたりしてるから
色々と聞いててね
仕事柄
本当は公言してはいけないんだけど
ここだけの話にしてね」結衣ちゃん
「先生、離婚するの?」礼
結衣ちゃんは深く頷いた
「奥さんから離婚を切り出したみたいだけど
原因は先生みたいよ」結衣ちゃん
「どういうこと?」礼
「まだ確証はないんだけど
先生、他に誰か居るらしいの・・・まだまだ奥さんの感みたいな話だけど
これから詰めていくんだけどね」結衣ちゃん
結衣ちゃんはまだまだ駆け出しだけど夢をかなえて弁護士だ
はじめに就職したのは個人の弁護士事務所でお茶くみのような秘書的な仕事をしていたけど
何らかのつてがあったのだろうか?
最近
テレビでも有名な大手の弁護士事務所にスカウトされて入ることになったらしい
まさか結衣ちゃんが担当した仕事が先生の離婚だなんて
何だか何らかの縁を感じた
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