第7話 先生の奥さん

結衣ちゃんはあまりお酒が得意ではない



まだはじめのグラスを半分も飲んでいなかった



「先生は景ちゃんと別れて直ぐにって言ってたけど

いつ?どんな人と?」礼



「景ちゃんさっき看護学校入ってから別れたって言ってたでしょ?

先生が結婚したのは8年前だからたぶん別れてまもなくじゃないかな?



相手はねキレイな人よ

先生と同じ年齢で

個人のピアノの先生してるらしい



先生とは大学のときに付き合っていたんですって



音楽の先生になりたくて音大に通っていた頃

友達の紹介で出会って

すぐに付き合い始めたって

大学4年間と社会に出てからもしばらく付き合っていたけど

先生はストレートで教師になって

奥さんは挫折して個人のピアノの先生になったんですって



っですれ違いの関係になって

会ってもあまり会話もなくなって

距離ができて

自然消滅したって



それから数年後

今から8年前

友達との食事会で再会して

お互いに失恋したばかりで淋しかったこともあって直ぐによりが戻って半年しないうちに結婚したって



子供はいない



不妊治療は5年前から始めたけど

まだできそうにないって

かなりその事で悩んでいるみたい



先生

子供が好きで

結婚した当初は三人はほしいとか言ってたって



そんな先生が

数年前から子供の居ない人生もありだと思うって言うようになったのは

からり無理をしているんじゃないかって



そう言いはじめた頃から

夫婦生活もなくなっていって

その話もしたがらなくなっていったって



だから

他に目がいってしまったのは

子供を産んであげれないことと

不妊治療で奥さんが一生懸命になりすぎて

窮屈な思いをさせたからかもしれないって自分を責めて悩んでる」結衣ちゃん



なんだか奥さんが可愛そうに思えた

そんなことが離婚の理由ならせつな過ぎる



「先生とはまだ会っていないの

だから何が真実かはまだ分からない

だけど奥さんは大きく傷付いていることは明らか

先生には何らかの責任はとってもらうべきだって思ってるわ」結衣ちゃん



結衣ちゃんが強い口調で言うと

景ちゃんの目に薄っすら涙が・・・



えっ?どうしたの景ちゃん!!



私達二人にそんな思いがこみ上げたとき

景ちゃんは小さな声で話し始めた

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