第6話 

あ〜壊れたなこれ。ここに面白いオモチャ見つけちゃったよ。それから2日経過した今なので 、そのうるさ男子も静か〜にしているのと、女子達がなんやかんやと聞きに来たり、用もないのに寄ってくるようになったりしているらしい。

そりゃそーだよねー女子達にしてみれば、彼氏持ちはそばに置いても安全パイでそりゃ楽ちんになるよな。まして一番の強敵候補の脱落は、すこぶる嬉しいはずた。

これは・・予想の範囲内に収まったって事でいいのかな?そうは言いながらもそれはそれで黙ったまま済ませるのも、ほんのかすかな男のプライドがオレの中にもあったみたいで、加奈ちゃんの回りをどんなモノが包んでいたのか?って言う所の説明はしときましょうか。


祐介「それで粗方のミッションはクリアだね。今回のプランはフランBって感じのモノで、加奈ち ゃんが思っている目的を果たす為のモノでなくて、さしあたっては今振りかかってる障害を排除する事で日頃の負担の軽減かな。その辺から出て来た罠がプランBって奴」

加奈「んーん?障害?罠?」なんとここに悩める可愛い女子高生がいた。

祐介「まず障害ってのは、うるさ男子が起こしてる日々の行動罵倒がストレスになっていた。そいつを罠にはめるとかって事じゃなくて、危害を加えてきたら防御が攻撃力のあるものであったという話だ。うるさ男子が予想の範囲だったので、攻撃されたけど反撃して撃沈出来た感じにな っている状況だよ」


それでも知らせたくない結果って、やっぱあるよね。そこも知って貰うけど・・


祐介「恋愛不得手なうるさ男子は、場違いな土俵に加奈ちゃんを引っ張りあげ、力まかせの自己 中で守っているはずの武将が、恩着せがましく年貢を取って嫌われたの演出だな。」

加奈「嫌な藩主からは逃げ出しますよ・・対等に迎えあえないって何時の時代の人なんですか? そんな2人なら結局寄り添えたりしませんよ?」

祐介「だがオレは加奈ちゃんの彼氏として、誰からの挑戦でも真っ向勝負で負けない!負けたく ない、惚れていいよ、カムオン!」

加奈「ぐわっ!ライフが無くなるー」 


おおっと、間違えて攻撃しちゃったぜ。


祐介「ちょっと行き過ぎたので戻ってね。でも負けたくない!おまけで言いました。うるさ男子はさ、男子にありがちな思春期特有の好きな子をいじめちゃう病になってたから、加奈ちゃんが彼氏をゲットしちゃったこの事実に、奈落の底に落ちたのさ。」

加奈「わたしへの好意等は、全然まったく伝わりませんでしたよ。嫌悪と憎悪は教えてくれたかも・・そんな自分勝手が許されぬように、思春期病は犯罪者としてラベリングして下さい」


オレ「そいつがただのDV男子だったら、今も変わらず普段通りに同じ事を継続しているはずだから。そうゆう事をしなくなったのら、間違いなく思春期特有の病気です。診察ブラックフロッ グなオレ!再発しない限り決定だね。」

加奈「えぇ・・そうなの・・かな?」


うおっとオレのライフが・・出たな無意識で発動するオレ殺し、直ぐにでも抱き締めたくなる困惑顔に脱帽だせ。


祐介「さらに、加奈ちゃんがまとった退陣防御の触発地雷は、クラスメイトの女子達も踏んでたと。彼氏持ち加奈ちゃんは人畜無害が認定されて、男子の取り合いの牽制が無くなって、そんな会話も不要なお気楽オブジェに早代わりだ。その所有権はオレのですけどね!永遠ラブ」

加奈「ぐわっ!会話の中でもマメに容赦なしだ。それは最終兵器なの?」

祐介「えーと話伝わってるかな?」思わず聞いちゃったよ。


オレって会話にノリ過ぎて、とんでもない方向に流れちゃう事が多くて・・


加奈「悪いのは祐君ですよ。間に過激なラブアピールを入れるので、他の事がどうでもよくなっちゃうわけですよ。だからちゃんと責任を取ってくださいね?色々と・・ちゃんと捗るように・・いっぱい・・大事にして!」


もそもそといまだにゆび相撲のように触っていた手を、しっかり握られたのだった。そんな彼女は・・


加奈「他の事はもういいですからね」と発している。


さっきの部室から身勝手に見捨てて、突然逃げて来た訳ではない。部活は最長でも夕方の5時までと決まっていたのと、ほとんど遣る事が無いからやっぱり(ラブラブ時間になっちゃってる)が終わると帰宅へとなる。

今の話題の我が高の文化祭は姉妹校と同日となっているので、準備のスタートも似たものなのだろう。だが北上高学校の彼女は現在1年生なので、入っている部活主催のモノが無ければ傍観者となるだけだ。そこで我々の部と言えば先生のお手伝いが主なので、発表ものもなく学祭前からの1週間はお休み(各部活も部活動は休止)となる。


祐介「そう言えば部長に今後の事で聞かれたんだけど、加奈ちゃんプロジェクトはオレが彼氏でうれしい!」

加奈「うわっ!」

祐介「部長としては彼氏がオレになった事で、可愛いを見せる相手がゲットされたからもういいんじゃないの?なんて言っている訳さ。そうなると2人は用済みとなって、どこかで適当にラブって下さいって感じなんだよ。」


そんなオレの話しに、そこで固まった加奈ちゃんだった。


祐介「でもでもオレはと言えば加奈ちゃんには悪いんだけど、部室という安住の地は手離したくないんだよね。部活が無けなれば自校で適当に待ってて貰うのもちょっと抵抗があるのと、迎えに行った後にその日暮らしの場所探しも、けっこうな負担になると思う。今は部室で伸びの〜び出来ちゃって、百万ドル加奈スマイル見放題!特典スペシャルは誰にもやらねえぞ、オレ様自己中満開だ。」

加奈「ぐわっ!香港夜景並みな評価になってる・・ええっと、確かに目的の大半は成就してると思います。ですが、さらに頂点を極めるのには部活はとっても大切だと思います。出来る限り存続の方向で・・部長の首を絞めといてください」


イエスマム!そう言ってほしかったし、ほとんどそっちの方向で話してはあるよーよっしゃよっしゃ。と〜っても今が順調なんだけど、よくある物語じゃこの辺から急展開・・みたいな。そんなイベントって誰もが思ってるよね。 加奈ちゃんの家は北上校の先を通り過ぎて、そこそこ行く・・そんな加奈ちゃんが(あっ!)っと叫び、オレはやっぱ来たかと思う。 おおっと、そこそこのイケメン男子!けっして他には目を逸らさず、真っ直ぐこっちに真剣な目をこれ以上は開かない!と言えるほど開いて見ていた。


祐介「知り合い?」


ここで見たことも聞いた事も無い不審人物が現れたとしたら、ここからの未来ではストカー被害に悩まされる事に間違いない。 だから知っている者で良かったと少しの安堵は出るが、次の選択肢は遇った事のない修羅場だが 。そこは浅い人生だから経験を生かせないので、その場ではその遣り繰りしかない。

ここで自分の目に例のうるさ男子?の意志をに酔わせると、そこで加奈ちゃんは(はい)やはり声は小さいがそこで哀顔を返して来る。

ここでは先手が吉であると予想し(こんにちは!)とオレから声をかける、そこでそばに居る加奈ちゃんにも合図の目配せを送った。相手?・・回りの様子を伺いながら、加奈ちゃんもこんにちは!を言うと、彼からも返事が帰って来た。

その返事には戸惑いや迷いは無かった。ならばここでのこの瞬間を待っていたに違い無い、それ なら今度ターンはお前だ!どっからでもかかって来いとオレは前に出る。


サイトウ「あのぅ・・ちょっと聞きたい事があるんですけど?南城とお付き合いを始めたって聞いたんですが、どんな理由でですか?」


このうるさ男子は憶せずど真ん中に、そんなきっついのを放り込んで来た。それでもそれが無駄に思えるのは、今のこの時にそれだけの勇気を振り絞っても、良い結果を得られる可能性は低い場面だからだ。それが以前の頃に奮い立つ勇気を持てていたなら、この状況になる前に告白の階段を駆け上がれただろう。ここでの2人が上った先にその声が届けられるとは限らないのだから・・ とにかくオレの知らない所ですでに間違った2人が、最後まで噛み合わずは良くある話しだろう 。

今にされた言及の答えが欲しいと言うのなら、正しくはないが間違ってもいない返事はある。しかしここでの正直な話しなら、良い縁はそんなに多くはなさそうって事でいいと思う。

ちょっと位のいい事なんて、差引きは案外最悪寄りだと判断したい。 それよりは今時に巷に広がっている占いの必須アイテムが、可能性を埋める本命なのかと言わざるおえない。えっ?いつからフラグの話に・・オレってフラグ折っちゃう能力とかないんですけど?


祐介「その事での理由と形づけるのは、何かの区別や括りの仕方しか知らないと言えそうだけどな。その割り切り方を今までした事は無かったから、そこから外れた答えとなれば、恥ずかしいが運命との出会いだなんて言ってしまうだろう。それでも結局は、全く関わりがなかった遠距離住みの奇跡をここに呼んではいないけどな。」

サイトウ「・・・」

祐介「その関連に携わった者達が形成した環境が、彼女の意志にも大きく反映していたから、そこに嵌るピースがオレだとしたらそれを選んだのは彼女で間違いは無い。そこで何を求めたのかはっきり解ってはいないが、弱いから強さとか不安には安心とかの逆の心理もあったり、好きな事が似てたりは追々に知っていく事に成るけどな。」

サイトウ「・・まだまだ彼女の事を何も知らないのにですか?」

祐介「そこでの彼女の事を良く知らないは、何かの作業で役に立たない程度の事だろ?声には出さないが目線の合図で気を使えとか、その辺はオレに落ち度があってから行動するよ。今は彼女が持っている計り知れない興味に、オレは毎日惨敗しまくりさ。それにオレがこれから経験していく事がたいして変わりはしないのなら、この際どっぷり加奈ちゃん色に染まっちまったほうが、とっても楽しいんじゃないかってな。だが、この出会いが彼女にとっての運命だとは言わない、生涯に出会う数千・・数万、その一人に過ぎないとも思う。それでもいつか、オレはその運命の人だと言われたいと・・いつか必ず・・言わせてみせるから・・」


そこで絶対頑張るからと・・オレは加奈に小声で言ったのだ。さらに・・


祐介「大好きだ!加奈ちゃん。これも追加ポイントで!」

加奈「ぐわっ!・・いつでもどこでもどんな時でも、まったくお構いなしのラブ全開だ!イタタタ・・もうわたしのライフはほぼ空っぽです。祐君!このままではわたしは、我が家には辿りつけないでしょう。補給を!速やかにライフの補給をしないと、愛がたまり過ぎて私の必殺技ゲージが暴発です。・・だから申し訳ありませんがサイトウ君!この状況になってしまったので、速やかに対所出来る場所に移動しますから、本日はこれにて失礼させて頂きます」


(なんだこれ?)この状況を理解出来ずに、呆然としているサイトウ君はそんな感じだろう。その彼女は離ればなに祐介に(他の事はもうどうでもいいと、言いましたよね)そこで加奈は静かに、そして大丈夫!・・と。

それで祐介はやっと気ずいた、ああそうなのだと。彼女はすでに自分が向いた先を・・すべてが掴み取れないのなら、掴めるモノだけを見極め手繰り寄せていたのだ。それがどんなに頼りない事象だとしても、無理でも何でも進まないと何も変わらないからだ。正しいとか間違ってるとかは今はいらない、今は思った道を這ってでも進もうと。

ここで1人の少女が、今までに経験のない大きな決断をしていた。これまでに全てが旨く行く事など無いと知ったからだ。それならオレも同じ道が近くに見えるのなら、例え交わらない道でもそばで歩みたい(ここでぎゅっとしちゃおうかな?)



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