第4話
祐介「じゃあ、ここで一度整理をしましょうか?まずそのうるさい男子を、加奈ちゃんは大嫌い?」
よしよーし!
祐介「回りの男子達が庇ってくれるも無く冷観・・あっ別件ですが、とーっても大事なんだけど、好きな子・・好きな男子とかは居ないの?好きな男子。はい、とーっても大事だから2回聞きました。彼氏とか居たら泣くよ?取り合えず片思いの人とかいたら、極力記憶の片隅に閉じ込めるか削除して貰えるとオレが嬉しいな」
加奈「あはは、居ないですよ。いませんよどちらもまったくさっぱりと」
祐介「ほんと?う〜ん、その割にはなんか嬉しそうに返事をくれたから、ちょっと怪しい!けっこう今も笑ってるし」
加奈「あはは。だってこの人面白〜いって思わず・・ごめんなさい。なんかすっごく楽しい、こんなに楽しく話せる日がくるなんて・・」
それ違うと思うオレ・・
祐介「これがいつもと変わってる訳じゃない。回りを疑ったり気にしたりする環境じゃないだけだよ。同じように笑える場所に居たのに、回りが見れなくなっていただけだから。その場所に一人で立てないのなら、立つ場所を一緒に探してもいいからさ。」
ほんと何でこんな事になっちゃってるのかな?これが邪気な暴力と呼べるのか?整理がしにくくなったような気もするけど、ここからはこの先の次の目標についてだな。
祐介「ここで目的としている可愛い!それを習得出来た時にその後どう使うの?ほとんど笑顔が中心だけど誰に見せるの?今!それが溢れ出たとして完璧に可愛い笑顔を見て喜ぶ人って、オレくらいだよまじに。ほんとに真面目な話し」
加奈「えっ?・・」
祐介「ここで口説くとか告白してもいいけど、取り合えず隣に置いといてひょいっとこの辺に・ ・まず嫌な事を言う男子が、回りの人達まで加奈ちゃんを見る目を曇らせているから、どんな可愛さもこのままでは伝わらない。伝わらせたくない囲いに閉じ込めたいから、踏み込んでくれる王子が居ない理由でもある。ここで言っている事が斜め上っぽいけど、最初から踏み込んで来る気がないからその路線を走っても判断力がその上にならないようにしているんだよ。だって基準が自分勝手でいいから、そこも他の人に合わせているだけなんだもの」
特にこの子のクラスの女子はちょっとヤバイな・・自身の自己アピール専門でいいとこ取りばっかか?
オレ「解る?そこで公平な見方だったり、判断とかそこの価値観とかを総合するオレみたいな奴がそこに居ればいいんだけど・・」
そんな奴は居そうにないけどな。それでも居なければ作るしかないけど。
祐介「はい、ここでゴミのように置きっぱになっていたオレ、ゴミ屋が収集しに来る前にゴミ箱から拾います。このゴミさんは今の目の前にいる加奈ちゃんしか知らない。かなり少ない情報での判断では、今でさえ可愛い表情をしたりすると思っている、はい喜んで(居酒屋か?)」
よし! 危なかったけどここから上げるよ。このまま落ち込ませといたら、無事に帰れないかも・・ 笑いに壁なしだ。
祐介「その答えなんかは解んないけど、選ぶ事は出来そうでしょ?はっきり言って初対面なオレが出す、最低レベルの可愛いジャッジで我慢すればここで終了。ここから先の未来で、加奈ちゃんを大好きって言ってくれる彼氏を見つけて、とっても可愛いよってもっと言って貰える努力をする。」
ここから先の未来を見ろ!って話さ。まあ、そんなオレの未来を見ちゃったらつるっばげで目が潰れるけどな。
祐介「まあなんて言うか、彼氏!恋人?言い方は何でもいいや。その人に可愛いって言って貰えばいいだけの話なんじゃないのかな?その他はクソくらえって奴だよ。他人な烏合の人が何を言っても、鳥顔・カボチャ・じゃがいもは美味しい!見分けも付かない括りに一喜一憂はしない! これはお父さんの助言です。」
こんなに成長しちゃって・・お父さんは嬉しいよ。オレの脳に新たにメモリーソケットが増えました。そう、ついでに追加した秘密のホルダーも・・ここは来てるよ加奈ちゃんも、こっちにもその圧力を感じられるもん。
加奈「彼氏が居れば!彼氏が出来れは!彼氏を見つければ!わたし3回言いましたよね?」
ぶっふぅぅ!言ってる、言ってるけどそれ3段活用だからね!使い方間違ってるよ。
加奈「あはは、間違っちゃったか・・でもここからは間違いません!わたしの・・わたしの彼氏になって下さい。」
ぶふうっと突然、後ろで聞いていた部長がすっごい勢いで吹いた。それでもこれで部長の生存確認も出来ましたけど。 オレは、あれ?この子は今何て言ったの?おまえはバカだって聞こえたんだけど・・それ日本語 ?
部長「ちょっちょっと!今すごい事いってるよ加奈ちゃん。おかしくなってますよー冗談だよね?」
これに部長はかなりの動揺をしてるけど・・この人喋れるんだ!おいおい、自己紹介した時はちゃんと喋ってたぜ。それが久しぶりに喋ったらそれかよ、ちょっと待てや!今世紀最大の衝撃発言を冗談としか聞こえないけどあっさり否定すんなや。
加奈「えへへ・・恥ずかしいです。でも、見つけたんですよ。私の初めての告白でありますが、真摯に受け取って下さいね。」
良かった、この子はとってもいい子に育ったよ、父さん感激で涙が止まらない。
そんな父さんはもう限界です。ラマーズ方とか必要だなこれ!ふぅぅ、ちょっと落ち着かな いと・・大変な事になるからって深呼吸してたら、おもっきり目の前に居たよその加奈ちゃんが。
何か言い出しそうになってるのをストップと止め、両手でゆ〜くり押さえて押さえて!いい子は静かに聞いてね。
祐介「では!これから再確認をして行きます。ここはゆっくり丁寧に遣っていきますので、その都度おかしいな?とか、間違えていますとかもはい!って、手を上げて質問して下さい、いいですね。いいですか?いきますからね。」
よしよし、なんとかオレのペースを・・持っていくよーオレのこの神技で。
祐介「今!加奈ちゃんからの告白で、オレとのお付き合い宣言がありました。」
加奈「はい!」思わずぶふぅっと吹くオレ。
祐介「えぇーー辞めてよ。おかしいよ!お笑い選手権じゃ無いんだから、ここでいきなり手を上げるのは、完全にネタっぽいでしょ?これから始まるラブストーリーを、笑いにふっちゃダメ!」
そうやってオレは必死に誤魔化す。さっきの告白は冗談とか言わないでくれーって哀願の目で見ると、あれ?ほんとに笑いだけを取りに来たの?さっきの告白は冗談ですーは無いのね?それなら急げ!ここでまずは既成事実づくりだ。
祐介「ではこのまま進めるよ。それではええっと一応2人は今日から、彼氏彼女となってお付き合いが始まります。」
加奈「はい!」またもやぶふぅっと吹き出したオレ。
加奈「確認です、ここで確認があります!」
ほんの少し間を取ってからオレは、偉そうに加奈ちゃんに促すのであった。
加奈「わたしは・・先ほど・・彼氏になって下さい・・と言いました、言いましたよね!」
はいはい、やっぱり言ってたんだね。良かったオレの耳は壊れてなかったよ。
加奈 「あんまり詳しい事は解らないんですけど・・・返事って無いモノなんですか?」
再度・・完璧に遣っちまったとオレは又吹き出した。ほんとに遣っちゃったよオレ!こんな大事なことを忘れるなんて、確かに間違いなくもっともな意見だよ。オレは見事な困ったちゃんぶりだよな。
お父さん最低!言わなきゃ、ちゃんと襟を正して不束者ですが宜しくお願いしますと。( よろ・・)そこへ被されちった。
部長「ほんとにいいの?加奈ちゃん。付き合うって意味が解ってる?2人で仲良く登校とか、二 人で一緒にお昼とかラブリー昼休みも・・」
小姑かこいつ? ここで邪魔すんな!今のオレに必要なのは既成事実が優先なのだから・・
加奈「それは無いです!」
ぶふぅっと吹きながら何なの無いのそれ?お付き合いにはアリなものでしょ?オレは落胆しながらも加奈ちゃんをみていると、そこで恥ずかしそうに言われた。
加奈「だって・・学校が違うじゃないですか?」
ピンポーン!そうだった、すっかり完璧に忘れてたよ。そりゃないわ、2人は同じ学校に居なかったよ。
加奈「それはしたいけど出来ませんが、部活が終われば一緒に帰れますし、学校がお休みの日は頑張って逢える日を作れると思うんですよ。お付き合いってお互いに寄り添う事じゃないかと思っているのですけど、違いますか?」
この子ほんとうにいい子だ。思わずオレは(宜しくお願いします!)ふかぶかとおじぎをしてしまった。これから少しずつ粛々と愛が育っていくのだろう。
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