第2話 

そこは高校2年生の夏休みも終わった9月の始めだが、オレは授業の終わった放課後に帰宅もせず知人のクラスで対戦ネトゲをしていた。その風通しを良くする為に開けはなれた教室、そんな前のドアから彼女はまったく戸惑いなく、自然に中へと入って来くれば・・このクラスの人かな?そんな彼女の静かな行動をオレは見つめる(この子凄っくスタイルがいい)肩より少し下がった長い黒髪と、それ以上に際立つ整った顔立ち・・って、ん?しかし突然のこの違和感・・誰だよ?どこの学校の人?この子制服が、ちっがうじゃん。

それでけっこう引いてしまったオレだが、ちょっと噛みギミになったけど聞いてみた(なっ!・・何か用?)ここに何しに来たのかと、そう思うだろ?普通に。そんなオレから問われた彼女が、さらっと室内を見渡し無造作に置いてあった、椅子の上の女子の制服に目を止めた!そこへオレもチューモクする。

(わたしの・・)その女子が言いかけた時に、さすがのオレもピーンと来る。彼女はここへ着替えを取りに戻ってきたのだと。

その理由はまったく解りませんけどね。どんな理由があっても他の学校の制服で校内をうろついている事が、正当と判断するほうが見方が斜め過ぎでしょこれ?しかーし、ここはオレのクラスでもない・・たまたまの用事でちょっとここに居た訳だから、そんなオレ以外の人がこのクラスの先住であっても不思議ではない。


祐介「制服・・に着替えるの?ここで着替えるのなら、オレは教室から出るよ?」


この教室では知人と先程に、最近の都市伝説の話をしていたからこんな事になったのか?オレの言っていたのは脱ぐ話と違ったはずだが‥そこで誠が言ってたのは?


誠「なんで彼女達は、そこは気にしないのかね?ベタ座りじゃ、穿いてるパンツが汚れるじゃん。女子はケツが汚いってイメージが、最近はさらに強くなっているよ」


そのオレの知人はここで部活をさぼり、他人の教室に陣取ってネトゲの対戦をしながら、そこで使ってない部分の脳ミソで昨晩にコンビニで見かけた床にベタ座りの女子を咎め、おっさん臭い言い方で女子高性を批判する。


祐介「あー、この辺の女子達はスパッツとか履いてんじゃね?それでも中坊は半々でジャージとかもアルらしいけど、だけど見た目はばっちりと気にしちゃうので、スパッツ派が多いらしいぞ。その種類も豊富で履いてるのも解りにくいのだと。ジャージ替わりのスパッツ履きなら、運動やら汚れの対策はばっちりだろ?」

誠「あーそっか。運動用のジャージに着替えたら、地面と仲良しになるのは平気になるもんな。」

祐介「この辺は舗装されていて土はほとんど無いし、あの辺のアーケード街のコンビニなら、続きの屋根もあるからそこでの天気も関係ない。そんな奴等の天敵は掃除の振りで床にワックスをかけながら、邪魔臭い無様な女子を一掃する定員達さ。そこに居るついでの男子は最初から根性で移動しまくるから、小心者の小者可愛く感じるハムスター程度の扱いか。」

誠「それって都市伝説なのか?奇行とかじゃなくて?」

祐介「だけど聞こえはいいだろ?都市伝説って。派手な何かをして目立つとかより体力を無駄に消費しないし、ただ秩序やマナーを守らない電車内の飲食や、そこで化粧を床にベタ座りでしてたりとか・・良くも悪くも、それで目立っていればOKって感じがささくれの都市には多いの。過疎化とかの人口減でそれの目撃者がかなり少なかったら、伝説以前にそっちの問題のほうが大きいからな。1.3億弱の日本の人口でオレの同級生は8人だった。こんな感じは超伝説っぽくね?」

誠「それは何かのTVで見たことあるよ。だけどその土地に生まれた事の方が、伝説っぽいとか・・」

祐介「まあそんな田舎に良くある事でも、都心では珍しい・・働く場所が少ないから、それで住み込みのお手伝いとかする人もいるけど、それが都会ではメイド扱いにする発想とか・・」


そのメイド話しに、別な妄想で嬉しそうな顔をしていた誠の携帯に、着信名が鬼の部長・・それは誠が勝手に命名していたのだが、肝心な電話の結果に嫌々ながら身支度を済ませて行動を起こすのだった。その電話の話しが終わった頃に、今の呼び出しが最後勧告らしいから仕方ないが部活に行くよっだって。だから又時間が空いたら遊ぼうぜっと言い放って、オレの知人は教室を出て行った。

その戻る波と寄せるおっぱいか・・女子は寄せ専門にしてほしいよ。どうでもいい友人の誠を思い出しての現実の逃避をここでしている場合でも無い。

何故なら今は目の前で、大変な事が起こりそうなのだ。それは間違ってしまったラッキースケベと呼ばれる実体験でだが。

うちの高校で女子の更衣室として使えそうな場所は、教室やトイレ!他にもスポーツ部活には専用の更衣室があるとこないとこで、いろいろと中途半端ではあった。

それでも共学ならさほど他高と変わらないはずだが、うちはケチってる・・とかを言っていいものやらなんやらだ。

だって!教室でのお着替えイベントがあるって、とってもいいんじゃない?いつかどこかで間違えちゃうよ!ガラっと開けてガラっと・・はい!今のオレ、教室のドアをガラっと開けちゃった奴になってるぞ。

そして彼女はそこに置いてあった制服のガン見が終わったと思ったら、その制服を掴んでおもむろにオレに背を向けると、今まで着ていた上着をさっと脱いだのだ。

おおっと!・・そこにはブラスケ・・じゃないよ背から丸見えブラだよ。

そして超完璧に綺麗な背中丸出しの彼女が(驚き過ぎてよく覚えとらんが)下着姿を晒し着替えはじめちゃったのだ。

そしてスカートの履き替えは、オレの期待もまったく虚しく上から履いて中だけを脱ぐ(こんなの大嫌いだよね?)そんなに手間のかからない仕草で、彼女の早着替えは終わった。

この目前にいる我校の制服を着た女生徒は、身なりをツンツンと整えてからこちらに目を向けて、静かにオレに近寄ると目前に立った。

うわ~、これからどうなるのオレ? 存在に疑問?へたをするとこのクラスへの不法侵入的な罵倒やら、いっぱいのいじめに変わっていくの?今のは勝手にこの子が脱いだんだよね?そんなオレの思考が脳内検索フル困惑中の所に、彼女はつぶやく(か・可愛いかなわたし?)

えっ?え~と・・そんな事を面と向かって聞かれてもだよ、今までまったくそんな経験とかないから・・色々と色々滞っているのでオレには答えられないよ。

そんな彼女が呆気に取られて何も言えないオレのせいで、段々と悲しそうな表情になり(やっぱり・・そうだよね。外見が変わっても、中身までは可愛くはならないものね)えー、なにこの人?ち、違うよ!全然違うからね。可愛いとかそんなんじゃなくて、かっこよくて凛々しくて、これが綺麗とか言う物じゃないの?返してよ!今奪ったオレのハート。惚れた!めっちゃ惚れた!もうどうにでもして。


祐介「いやいや、に、似合ってるよ。かっこいいし、いい感じ・・だよ」


そんな事を言ってはみたが、オレはもう死にそうだよ。ここからの脳内展開もラブコメ全開になれるよね?そう思っていたのだが、オレの返した言葉で元気を出せなかった彼女はさらに重く声を響かせる。


加奈「可愛く、可愛くきっとなってみせるから・・」


その遠い眼差しで決意を新たにし、自分の目標?修行に入るのであった!つづく・・なんだそれ?出来ないよADさん、こんな脚本じゃ遣れねえよ。

なんか無理だよこの人。あ~可愛いい・・なんて思わず愛でるのはちょっと無理、高嶺の花とかはとっても近寄りがたい訳でしょ?そこでオレの知ってる可愛いって、タレた目とか動物系の顔とか・・はっきり言えば、ちょっと失敗しちゃってるとこだよね。それでも大失敗は絶対に言われないけどな。

そのパッと見を瞬間的に可愛さを演出出来る人は、失敗しちゃったところを良く理解し研究しつくしてたりする。

オレってけっこう、ひどい事言っている・・可愛いいねってかける言葉は、罵倒してるって事だ!いいきったぜ。  


祐介「あのうもしかして、キミは可愛いを目指してるの?」


なんかすっごい、変な感じの事を聞いちゃったよオレ!


加奈「そう・・なの。可愛くないわたしが可愛いを手に入れるために、自分の学校が終わったら、この学校の課学外クラブ部に通っているの」


へー、あーそうなんだ。ふ~ん・・えっ?なに?通ってんの放課後に?それって・・ここの生徒じゃないって事だよね?えっーじゃなんで、そのうちの制服を今着たの?


加奈「あなたが、この制服に着替えなさいって言ったじゃない?さっき言ってたわよ・・ね?」


言った?言ったっけ?ち・・違~う!!全然ちが~う!ダメだよ勝手に他の人の制服を着ちゃ!変なプレイをオレが頼んだ風になってるじゃん。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る