「愛する菜摘なつみへ、2年続けてクリスマスに会えなくてゴメンね。来年はここで一緒に朝日を見よう!今、金甲山きんこうざんに居ます。朝焼けが最高にキレイだよ」

これは航介が事故の直前に菜摘なつみに送ったメールである。

しかし、菜摘なつみがこのメールに気づいたのは航介の事故を聞かされた後だった。



菜摘は今、金甲山きんこうざんの坂道を登っている。

いつの間にか空の色が薄く青く変わりつつある。

夜明けはもう直ぐだ。

菜摘なつみは薄暗い山頂に辿り着くと、居る筈もない航介の面影を追う様に辺りを見回す。


やがて朝日が昇る。

航介、キレイだね…

目映いほどの光が降り注いで来る。

それは空の彼方から命あるものへのメッセージ

涙が菜摘なつみの頬を伝う

悲しい訳じゃないんだよ


涙がにじむ目で太陽を見つめる

やがて菜摘なつみの心に陽があたる


悲しみに負けたりしない

頑張るからね…

菜摘なつみは空に向かって誓った。




              ……おわり

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陽のあたる道を on the sunny side of the street 南 薫 @nankun

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