第61話 他所者
しかも自分は、他所者(よそ者)である。
何十年も剣道を続けて来た土地の人間同士の
積み重ねは、自分には、無いのである。
転勤で22年間で、1府6県を異動した。
人間関係は、ほぼ2,3年周期で
めまぐるしく変わった。
いい出会いもあったし
嫌な奴とも遭遇した。
そう言えば、勤務していた頃にも
仕事で同じような、嫌な目に何度もあっている。
要するに、自分は、反感を持たれやすいのだ。
誤解も受けやすい。
原因は様々でも、根っこは同じだ。
自分自身の言動にも問題があろう。
気をつけなければと広志は思った。
そういったものを含めて
全て知った上で
酸いも甘いもすべて、飲み込んで
逃げずに進もうと思った。
この年齢で、逃げていてはもう、後がない。
地元のボランティア団体に入り
奉仕活動にも励んだ。
秋祭りでは、神輿も担いだ。
小学生のキックベースボールの監督も
引き受けた。
何と! 優勝した!!
剣道の、いきなりの突きで攻められた時は
退がったが、出来る限り前に出るように
少しでも進むようにした。
皆に誉められる回数が増えた。
変にしばかれる事は、なくなった。
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