第41話 うまく進まない稽古

本 稽古の始まる前の、剣道形稽古。

原氏との対面稽古が、いささか苦痛の広志であった。


 目を合わすのが何か辛い・・・・。

自分が何か、間違ったわけでもないが

どうも、気が乗らない・・・。


 次回の1級審査を受けるのは、原氏と広志の二人しかいない。

形の稽古はしない事を石丸先生に話すには

先日の嫌な状況を話さなければならない。

実にわずらわしいのだ・・・。


 「かっこつけてから・・・」

何かそう言ってる、誰かを感じるが

多くの稽古者が一度に入ってくるので

誰なのか、特定できない・・・・。

 

 かっこうなど、つけている気はさらさらないが

常に女性と組んで稽古しているのが

気にさわるらしい。

 本来ならば、形稽古の仕上げをしている時期に

もやもやが続く広志であった。


 追い討ちをかけるように、石丸先生から審査時に

「9本の木刀形」があることを聞かされた・・。

えええーーっ、なんで、もっと早く言うてくれんのですかあ!

とは、言える立場にない広志であった。


1級審査には、日本剣道形7本の打ち太刀と仕太刀

二人との立会い、筆記試験があるそうで

別に、木刀形が加わる?・・・・。


審査日まで、あと10日しかない・・・。




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