第40話 「審査、受けまい」

 再び暑い夏を超え

少年剣道との掛け持ちをこなし

その年も暮れようとしていた。


 7人の少年剣士達は、広志が中学生の頃

2年間通った柔道場を思い出させた。


 今も広志の記憶に、当時の柔道の先生の面影が

残っている。


 新年を迎え、稽古始めが済み

石丸先生から審査を受ける打診があった。


自分は、まだ早いという感覚であったが

原氏が受けるとの事で、引っ張られるような気分のまま・・・。

「益田さんも一緒に受けまい。手続きしてあげるから」

その誘いに、よく考えもせず乗ってしまった。


 ・・・別に急いで受けることもないが・・と言うのが

広志の本音であったが、原氏が公務員試験を受験する

関係で、剣道の初段を取得したいらしい。

何でも1級と初段を2日間に一挙に獲れるように

受審手配したそうだ。


 再び剣道形の稽古が始まった。



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