第34話 猪の丸焼きが!
夕方の田んぼの、土と草の香りが感じられた。
鉄舟先生のご自宅は、そんな、のどかな田園地帯にあった。
先生に選ばれし、7名の剣士の会に、広志も呼ばれた。
まさに、「7人の侍」なのである。
底意地の悪い横山も
何やら相性の悪そうな女性剣士も呼ばれていなかった。
石坂先生が、上機嫌で、ビールを注いでくれる。
「益田さん、この会は、今回は、先生の快気祝いやけんど
3ヶ月に1回くらい、秘かにやりよるんで」
「変なのは呼ばんことになっててな」
「これから益田さんは必ず呼ぶので出てきまいよ」
なにやら、無性に嬉しい酒盛りとなった。
何と!猪の丸焼きが!!
鉄の棒を通され、炭火に焼かれ
可愛い猪が丸焼きにされている!
「オオーッ! ダ・イ・ナ・ミック!!」
先生の家には、広い広いベランダがあり
まるで居酒屋のような設備が備えられていた。
テーブルも椅子も
食器類も全て揃っている。
大きな流し台があり
帰りがけには、皆で手分けして後片付けをして
清掃を済ませてのご帰還となるそうだ。
先生の奥さんに、迷惑のかからぬ仕掛けが
出来ていて広志は、多いに感心した。
酔うほどに昔の剣豪の話も飛び出して
一緒に九州に出掛けた3人の先生とも
打ち解けた夜が更ける。
中でも、高齢ドライバー暴走親分の
高橋先生が上機嫌で
昔の警察関係のとっておき秘話を面白おかしく
話してくれる。ワイワイガヤガヤ、酒、ビール・
焼酎は、芋、麦・・ ♪ザワザワ ♪
楽しい酒が広志を回復させてくれる。
この間の、一人酒とは、えらい違いである。
またまた、広志は、先生方に救われた感がした。
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