第31話 女性剣士 現る!

 久しぶりに稽古に向かう。

体育館の照明が、もうついている。

・・・石丸先生早いなあ・・。


 あれあれ、体育館中央を見ると、石丸先生が既に剣道形の稽古を

されている・・・・。

なんと!女性剣士が相手を務めている。

? ? ?

「おう、益田さん、出てきたか」

「はい、ご無沙汰いたしております」

「みなが、心配しよったぜ」

「すみません。ご心配をおかけしました」

「こちら、原さんや。中川先生の紹介で

 今日から稽古に来られた」

「原さん、益田さんや」

「はじめまして、原です」

「こちらこそ、はじめまして。益田です」

「これからは、3人で剣道形の稽古しょうな」

「はい、よろしくお願いします」

「はい、よろしくお願いします」

広志と、原と言う女性の声が重なり

ハーモニーのようになった。

 

 広志が打太刀、原さんが仕太刀の役割で

間に、石丸先生が入って、アドバイスを下さる。

20分くらいしている内に、次々と稽古者が

入って来る。


 一礼の後、皆、一様に驚いた表情をする。

女性の入門は、この剣道会では、初めてであるらしい。


 それと、この女性、大きいのだ。

背は、多分1m80cm近くか。

しかもでかい。横にも大きい!

 失礼ながら・・・柔道の国際級選手のようである。

年齢は、・・わからん。何歳くらいかなあ・・。

30歳くらいかなあ・・・・。日本人ではあるようだ・・。


 この方の入門で、道場の雰囲気は

かなり、かなり、変わった。


 一気に稽古者の人数が増えた!

いつも満員札止めの状況となった。


 いつも稽古前に、剣道形の稽古をするのは

石丸先生の指示での広志である。

これが、後々、広志の苦難の始まりであろうとは・・・・・。

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