第24話 「行ったほうがええぜよ」

 壁際の龍馬のポスターを眺めながら

森先生の電話を聞くことになった。

「何しよんな。あんだけ熱心に通うてきよったのに

 パタッと来んなってしもて・・・。

なんぞあったんか?」

まるで、龍馬に言われているようだ。

「いや、別に何もないんですけど

 仕事が忙しゅうて・・・」

「それならええんやけどな。

 まあ、仕事につかえんように、また

 出てきまい。

 ところでなあ、今度先生方の有志でな

 九州の温泉に行こかちゅう話が出とってなあ」

「はあ、温泉?」

「まあ詳しいことは、道場で話すけんど

 もし良かったら一緒にな」

「はあ・・・・」

「高橋先生と石坂先生とわしや。4人や。

 益田さんの車、出してもらえたらええんやけどなあ」

「はい、また考えときます。だいたいいつ頃の予定ですか?」

「そうやなあ、10日後くらいを考えてるけど

 まあそれはどないでもなるんよ」

突然の温泉が降って湧いて来た・・・・。

温泉やから湧いてきても不思議ではないが

(ここは。笑うとこです(笑)

龍馬が、「広志、行った方がええぜ。

たまには、気分転換しいや」

「わしもお龍と、薩摩の温泉に行ったぜよ」

「おまんは、そのあと、暗殺されたやろ!

 油断して、しょうもない刺客に斬られてしもてから」

「それを言いなっちゃあ。げにまっこと、めるぜよ」

龍馬はそのまま写真の人に戻った。


 あーあ、こんな時、傍にリッキーがおってくれたらなあ・・・。

16年飼った愛犬リッキーは、1年前に死んだばかりであった。

寂しさを紛らわそうと剣道を始めたが

その剣道が、今やストレスの元になりつつある・・・。

・・・・・げに、まっこと、めったっちゃ・・・・・。

なにやら、横山という奴が、刺客のような気がして来た・・・。




 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る