第21話 ええーーっ、まじ?」「痛ああああ」

「まずは、切り返しやろか」

「はい」

お互いに3本ずつ切り返しを行う。

ここまでは、普段の稽古である。

横山さんと対面するのは

初めてであるが

何も変わった事もない。


「竹刀を上に持ち上げてえ。そうそう」

言われるままに竹刀を上に振り上げた。

「そのまま居ってよう」

迫ってくる横山さんの身体が自分の左脇を

抜ける直前!その激痛は、広志の右脇腹を

貫いた。「バシーーーッツ」

「痛たああああああ・・・・・・!」

思わず悲鳴のような叫び声が・・・。

・・・嘘やろう・・と思った。

今までに感じた事のない痛みである。

なんで?なんで?

思う間もなく、2発目が飛んできた!

何と!笑顔!もうすごう嬉しそうな

相手の表情が、瞬間すり抜けの時に

見てとれた。

なんで、胴、着けてるのに・・・。

なんでこんなに痛いんなあ・・。

確かめる間もなく、3発目の胴が

広志の垂れを、しばきあげた!


 「はい、打ってみて」

相手の指示に従って、胴打ちをしたが

まるきり気が入らない。

痛がる広志を見かねたのか

胴打ち稽古は、そこで終了した。

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