第15話 面付け 始め!

  面をつけるのは難しい。

なかなかピシッと決まらない。

面手ぬぐいが、緩んで垂れて来たり

物見がずれたり。

面紐がからんだり。


 それでも、面を付けてからというもの

相手をしてくれる先生も増えて

豊富な剣道知識を吸収出来るように

なった。


 難しいのは、切り返し。

いくら頑張っても、左手は、正中線を

はずれてしまう。

いくら教えられても出来ない。

左の脇が甘いのか

腕に力が入り過ぎている。


 地稽古と呼ばれる互角稽古では

間合いの取り方が上手だと誉められたり

後ろに退がり過ぎると怒られたり。

 

 この道場は、高齢者が多く

高段者が多い。

最高位は7段である。

 女性、子供は居ない。

入門は限られており、紹介者のみの

ようである。

・・いい道場に入れたなあというのが

広志の実感であった。

中川先生に感謝である。

 


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